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- 甘草、カンゾウ、グリシリザ属、Glycyrrhiza属
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- sticky perennial Eurasian herbs (同)genus Glycyrrhiza
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/09 20:48:10」(JST)
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カンゾウ |
スペインカンゾウ Glycyrrhiza glabra
|
分類 |
界 |
: |
植物界 Plantae |
門 |
: |
被子植物門 Magnoliophyta |
綱 |
: |
双子葉植物綱 Magnoliopsida |
目 |
: |
マメ目 Fabales |
科 |
: |
マメ科 Fabaceae |
属 |
: |
カンゾウ属 Glycyrrhiza |
|
学名 |
Glycyrrhiza L. |
和名 |
カンゾウ(甘草) |
種 |
18種
|
カンゾウ属(甘草属、学名:Glycyrrhiza)は、地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカなどに自生するマメ科の多年草で、18種が知られている。根(一部の種類は根茎を含む)を乾燥させたものを生薬として用いる。
目次
- 1 利用
- 1.1 甘味料
- 1.2 薬用
- 1.3 日本での栽培
- 2 種
- 3 生薬
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
|
利用
甘味料
生薬の甘草はそのまま、またはエキスや粉末を甘味料として用いる。甘味成分としては、グリチルリチン、ブドウ糖、ショ糖などが含まれる。醤油の甘味料として使われる。
独特の薬臭い香気があるため、甘味料としては使い方に注意する必要があるが、欧米ではリコリス菓子やルートビアと呼ばれるソフトドリンク、リキュールの原料として盛んに利用されている。グリチルリチンの甘味は砂糖の50倍もあり低カロリーなため、欧米では甘草は健康的な食品添加物と認識されているが、大量摂取により副作用を生じるため、注意が必要。
薬用
漢方薬に広範囲にわたって用いられる生薬であり、日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられている[1]。漢方薬は一般的に複数の生薬をあらかじめ組み合わせた方剤をさすが、甘草湯(かんぞうとう)という甘草のみを用いた漢方では珍しい単味の処方のものがある。
日本での栽培
甘草の栽培は日本では300年以上前から行なわれており、江戸時代には山梨県甲州市〔旧:塩山市〕の甘草屋敷や江戸の小石川御薬園で栽培されていた。現在は輸入品の方が安いため、ほぼ100%を中国・旧ソ連・アフガニスタンなどからの輸入に頼っているが、グリチルリチンの含有量が一定でなく、乱獲による絶滅が懸念されているため、2008年度から佐賀県玄海町と九州大学の協力により再び国産栽培が試みられることになった[2]。
2010年10月28日、ゼネコンの鹿島建設は千葉大学、独立行政法人医薬基盤研究所との共同開発で水耕栽培による大量生産システムの開発に成功したと発表した。肥料の入った水で栽培すると根が太くなりにくいのが課題だったが、この栽培法では1年から1年半程度にまで短縮を実現した(甘草は薬草として生育するまでに自然環境下では4年程度かかる)。
2010年12月5日、三菱樹脂が日本国内で初めて本格的な商業生産に着手する事を発表。数年後には国内需要の全量を賄う規模まで拡大し、中国への輸出も検討するとしている[1]。
2011年の東日本大震災の津波により被災した宮城県岩沼市の農地での甘草栽培が試みられており、同市の海水が浸水した農地で育てた甘草は浸水していない土地で栽培したものよりも葉・地下茎共に成長が良くなることが報道された(これは、甘草が厳しい自然環境下ほどよく育つためという)[3]。
種
- G. acanthocarpa
- G. aspera
- G. astragalina
- G. bucharica
- ロシアカンゾウ G. echinata
- G. eglandulosa
- G. foetida
- G. foetidissima
- スペインカンゾウ G. glabra
- G. gontscharovii
- G. iconica
- G. korshinskyi
- アメリカカンゾウ G. lepidota
- G. pallidiflora
- G. squamulosa
- G. triphylla
- ウラルカンゾウ G. uralensis
- G. yunnanensis
- 新疆カンゾウ G. inflata
生薬
日本薬局方においては、ウラルカンゾウ(別名東北甘草、学名G. uralensis)またはスペインカンゾウ(別名西北甘草、リコリス、学名G. glabra)の甘草が基原植物とされており、グリチルリチン(グリチルリチン酸)2.5%以上を含むと規定されている。
生薬として、漢方では緩和作用、止渇作用があるとされている。各種の生薬を緩和・調和する目的で多数の漢方方剤に配合されている。このため、漢方ではもっとも基本的な薬草の一つと考えられており、「国老」とも称された。安中散、四君子湯、十全大補湯、人参湯など多数の漢方方剤に使われる。 また、甘草だけで甘草湯という処方もあり(漢方で生薬を単独で使うのはまれ)、喉の痛みや、咳を鎮める効果があるとされる。
グリチルリチンは肝機能障害、アレルギーに有効であるとされ、内服薬あるいは輸液に製剤化されている。 グリチルリチンを加水分解して得たグリチルレチンは、その消炎作用から目薬としても用いられている。
グリチルリチンやその他の甘草から得られる物質は消炎作用や美白の効果を持ち、医薬のみならず、化粧品や医薬部外品の原料としても重要である。
副作用
主成分のグリチルリチンには低カリウム血症や血圧上昇、浮腫(偽性アルドステロン症)などの副作用が知られており、一時に多量に用いてはならない[4]。
脚注
- ^ a b “漢方「甘草」を国内生産 三菱樹脂が着手”. 読売新聞. (2010年12月6日). http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_10120604.htm 2010年12月10日閲覧。
- ^ 漢方「甘草」の栽培研究 玄海町と九大が調印 輸入依存を脱却 安定供給目指す 2008/03/11付 西日本新聞朝刊
- ^ “漢方薬:甘草 津波で浸水の農地で試験栽培 順調に育つ”. 毎日新聞. (2011年11月5日). http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111105k0000e040067000c.html 2011年11月9日閲覧。
- ^ グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 昭和53年2月 厚生労働省
関連項目
- アダプトゲン
- グリチロン
- リコリス菓子
- 仁丹
- 炙甘草湯
外部リンク
|
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- カンゾウ抽出物(横浜市衛生研究所 - 食品衛生情報)
- 甘草アカデミー(全薬工業)
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Japanese Journal
- カンゾウ属植物の自生地調査と系統解析 (特集 天然物の基原と品質)
- 林 宏明
- 生薬學雜誌 58(4), 132-137, 2004-08-20
- Licorice, roots and stolons of Glycyrrhiza plants are some of the most important crude drugs in the world. This review deals with field surveys of Glycyrrhiza plants in Turkey, Europe and Central Asia …
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- 草野 源次郎,芝野 真喜雄,渡辺 斉 [他],尾崎 和男
- 藥學雜誌 123(8), 619-631, 2003-08-01
- 重要薬用資源のウラルカンゾウとスペインカンゾウ(マメ科)について,その優良品種候補を選抜し,国産甘草を実現することを目標にこの研究を開始した.現在研究は進行中であり,目標達成には困難な問題が山積している.しかし,優良品種の候補は選抜できたと結論するに至ったので,現在まで蓄積した知見をまとめて報告する.日本薬局方第14局では,生薬カンゾウ(甘草)Glycyrrhizae RadixはGlycyrrh …
- NAID 110003614911
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- 科名:マメ科/属名:カンゾウ属和名:甘草/学名:Glycyrrhiza uralensis 中国から ヨーロッパ南部に分布する多年草の草本。日本ではわずかに栽培。 中国東北部、 内蒙古に自生する多年草ウラルカンゾウ 、シナカンゾウ(Glycyrrhiza echinata L.) (← 拡大画像は ...
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- glycyrrhiza, licorice root, liquorice root
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