- 英
- γ-1inolenate, γ-linolenic acid
- 関
- 必須脂肪酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/17 10:08:18」(JST)
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γ-リノレン酸 |
|
IUPAC名 |
all-cis-6,9,12-オクタデカトリエン酸 |
別名 |
ガモレン酸 |
分子式 |
C18H30O2 |
分子量 |
278.436 |
CAS登録番号 |
[506-26-3] |
出典 |
日化辞Web |
γ-リノレン酸(ガンマ リノレンさん、γ-linolenic acid、略称GLA)は、炭素数18のトリ不飽和脂肪酸のひとつ。C6・C9・C12位にいずれもシス型の二重結合を持つ。
α-リノレン酸の構造異性体で、ヒトの必須脂肪酸のひとつともされる。ω-6脂肪酸 (18:3, n-6) に分類される。
目次
- 1 代謝経路
- 2 効果
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
代謝経路
ヒトはリノール酸 (18:2, n-6) を原料として、Δ6-不飽和化酵素による脱水素反応を通してγ-リノレン酸を生産できるが、多くは食物から摂取している。γ-リノレン酸は体内で2炭素増炭されてジホモ-γ-リノレン酸を経てアラキドン酸となり、アラキドン酸カスケードにより生理活性作用の強いプロスタグランジン、ロイコトリエンなど、各種エイコサノイドの原料となる[1]。
効果
γ-リノレン酸はアメリカ合衆国の医学者デイヴィッド・ホロビン (David Horrobin) の仕事によって広く知られるようになった。アトピー性皮膚炎や湿疹、炎症、乳癌[2]など、多様な疾患に効果があるといわれるが、その有効性に関しては議論があり、疑問が呈せられている[3][4][5]。γ-リノレン酸は、抗炎症性の誘導体の原料となるジホモ-γ-リノレン酸に変換される反面、ジホモ-γ-リノレン酸は炎症性の誘導体の原料となるアラキドン酸に変換される。現代では、リノール酸からγ-リノレン酸を経てアラキドン酸に変換されるω-6脂肪酸の摂取が過剰であるとされている[5]。
マツヨイグサ属の1種メマツヨイグサ Oenothera biennis の種子からとられる月見草オイルは特にγ-リノレン酸に富むことから、サプリメントとして広く販売されている。
脚注
- ^ Fan YY, Chapkin RS (September 1998). “Importance of dietary gamma-linolenic acid in human health and nutrition”. J. Nutr. 128 (9): 1411–4. PMID 9732298.
- ^ Plant oil 'acts like cancer drug' (bbc, 2 November 2005)
- ^ Evening primrose oil: MedlinePlus Supplements (MedlinePlus, Last reviewed - 04/10/2012)
- ^ Williams, H. C (2003). “Evening primrose oil for atopic dermatitis”. BMJ 327 (7428): 1358–1359. doi:10.1136/bmj.327.7428.1358. ISSN 0959-8138.
- ^ a b 「8章危険なサプリ」金城学院大学/日本脂質栄養学会共催シンポジウムの抄録 『 脂質栄養学の新方向とトピックス』
関連項目
外部リンク
- γ-リノレン酸 -「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
脂肪:主な脂肪酸 |
|
飽和脂肪酸
(「*」印は揮発性)
|
C1 蟻酸* - C2 酢酸* - C3 プロピオン酸* - C4 酪酸* - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C11 ウンデシル酸 - C12 ラウリン酸 - C13 トリデシル酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ノナデシル酸 - C20 アラキジン酸 - C21 ヘンイコシル酸 - C22 ベヘン酸 - C23 トリコシル酸 - C24 リグノセリン酸
|
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不飽和脂肪酸
|
ω-3脂肪酸
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α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
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ω-6脂肪酸
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リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸 - ドコサペンタエン酸
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ω-7脂肪酸
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パルミトレイン酸 - バクセン酸 - パウリン酸
|
|
ω-9脂肪酸
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オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
|
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
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Japanese Journal
- γ-リノレン酸 (gamma-linolenic acid ; GLA)
- アラキドン酸とジホモ-γ-リノレン酸の生理機能(<特集>機能性脂質生産の新たなターゲットを探る)
- 河島 洋
- 生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi 86(10), 482-484, 2008-10-25
- … アラキドン酸(ARA)やジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)は,n-6系必須脂肪酸の一種である.必須脂肪酸とは,一時はビタミンFとも呼ばれた不飽和脂肪酸群を指し,その不足が皮膚の異常や脱毛を引き起こすこと,活性本体はリノール酸やARAなどの高度不飽和脂肪酸であることが1920年代に見いだされている.これまでn-6系必須脂肪酸としてひとくくりにされることが多かったが,本研究によりARAやDGLAの微生物による大量 …
- NAID 110006991050
- エチレンおよび脂肪酸処理がカキ'西条'果実の熟柿化に及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
- 赤浦 和之,孫 寧静,板村 裕之
- 園芸学研究 7(1), 111-114, 2008-01-15
- … 低温貯蔵したカキ'西条'果実を材料として,熟柿を安定して製造する方法の確立を目指し実験を行った.果実の軟化はヘタ近傍から始まった.この軟化開始は無処理とγ-リノレン酸100μL,エチレン100ppm48時間処理果で,それぞれ23と16,3日後に認められた.いずれの処理においても,果実は軟化開始後3日ですべて完全脱渋し熟柿となった.エチレン処理によりすべての果実は処理後6日で斉一に熟柿となった.エチレ …
- NAID 110006546994
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