出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/03 14:30:25」(JST)
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親族(しんぞく)とは、血縁関係または婚姻関係で繋がりを有する者の総称である。
血統の連絡の関係を親系という[6]。以下のような種別がある。
血統が直上直下で連結する親族関係を直系あるいは直系親という[7][8]。祖父母、親、子供、孫などがこれに含まれる。血統が共同の始祖より直下する異なった親系に属する者相互の間の親族関係を傍系あるいは傍系親という[7][9]。兄弟姉妹、おじおば、甥姪などがこれに含まれる。
父及びその血族親を父系(父系親、父方)、母及びその血族親を母系(母系親、母方)という[6]。
血統がもっぱら男子で連絡する場合を男系あるいは男系親といい、それ以外の場合を女系あるいは女系親という[6]。
自分より前の世代に属する者を尊属という[7]。尊属には父母や祖父母などが含まれる。一方、自分より後の世代に属する者を卑属という[7]。子や孫などがこれに含まれる。
尊属と卑属の区別は、現在では尊属を養子とすることを禁じた民法第793条くらいで法律効果はほとんどないに近いとされる[10]。
自分と同世代の者には尊属・卑属の区別はない[11]。また、尊属と卑属の区別は血族に関するもので姻族にはこれらの区別はないとされる[11]。
なお、「尊属」と「卑属」という語は、儒教が起源の古代中国の輩行制度に由来するとされるが[12]、親や祖父母の世代を「尊属」、子や孫の世代を「卑属」と呼ぶのは「子供を蔑む言い方だ」など法の下の平等から問題であるとする論[13]や、これらの語は現代においては適切でないとして改めるべきとの論[14]がある。しかし、他の語に変えようがないのが現状とされる[15]。
親族の範囲の定め方には、「等親」という階級を用いて各種の親族ごとに法定する階級等親制と、世数を「親等」という単位で数えて客観的に定める世数親等制がある[12][11]。
親等とは親族関係の親疎・遠近をなす尺度をいい[18]、 親等の数え方にはローマ法式とカノン法式がある。
日本の民法は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を「親族」として定める(民法第725条)。
親等の数え方について日本の民法は先述のローマ法式を受け、民法第726条により次のように定められている[12]。なお、配偶者は自分と同一視して親等を数え、配偶者の親族は自らの親族と同様に扱われる。
日本の民法上の親族の具体的範囲は次の通り(本人を基準とし数字は親等を表す)。
以上から、再従兄弟姉妹(はとこ)の子供や父母の再従兄弟姉妹は7親等の血族、従兄弟姉妹(いとこ)の配偶者や、配偶者の兄弟姉妹の孫(姪孫、大甥・大姪)や、伯叔父母の配偶者の前婚の子などは4親等の姻族に当たる為、親戚であっても民法上の親族には含まれない。
なお、親族の範囲は民法で法定されており、勘当や義絶など個人の意思でその範囲を変えることは認められない[25]。現行法制度上、親族に法的な制裁を与える唯一の方法として、相続権の一切を剥奪する相続廃除があるが、家庭裁判所の審判を要するため、認められた例は多くない。
民法第725条については今後の立法上の課題として取り上げられることがある[26][27][28]。親族の範囲の定め方については、婚姻取消権者の範囲や近親婚にあたる範囲など対象となる親族の範囲について各条項ごとに個別的に定める個別的立法(限定主義)と親族の範囲について一般的な条項を設けて定める総括的立法(包括的限定主義)とがある[29]。
日本法は後者の法制を採用しているが、日本民法のように血族と姻族の一定範囲を限って、これを「親族」と称して法律上特別の身分とする法制は現代では他に立法例をみないとされる[28][15]。この点については、民法上の「親族」の概念は現実の家族集団とかけ離れたものとなっていると指摘されており[28]、また、実際には親類として交際しておりながら法律上は必ずしも親族とはされず、他方で全くの面識・交際のない者が法律上は親族とされることになると問題点を指摘する立場がある[30]。そもそも血族関係・姻族関係には無限の広がりがあり、現実の親族による共同生活の範囲は一定の経済生活の下、習俗や道徳を中心に規律され構成されるものであるとされる[31]。現代の各国における一般的な法制でも、血族は無制限に「血族」で、姻族については血族に準ずる関係とした上で、配偶者関係については他の一般の親族関係の観念とは別個の観念として規定されるのが普通とされる[23]。そして、近親婚の制限、扶養義務、相続権などについて個別的に何親等内の血族あるいは姻族に対して一定の法的効果(権利義務)を認めるという形式で規定するのが通例とされる[32]。
実際には日本の民法においても基本的には近親婚の制限、扶養義務、相続権などについて個別的に範囲が定められており、他方、民法725条に定める親族全体に包括的一律に一定の効果をもたせることは少ないことから、結果的に民法725条で親族の範囲を規定しているにもかかわらず、わざわざ個々の条項において具体的効果の及ぶ親族の範囲について更に定めるという二重の構成となってしまっているとして問題視する見解がある[12][32]。また、そもそも親族編の冒頭に本規定を置く意味があるのか疑問視する見解も出されている[33]。そのため、昭和34年7月の「法制審議会民法部会身分法小委員会仮決定及び留保事項」の第一では民法725条については削除すべきとされている(なお、将来的に民法725条を削除することとなった場合には他規定において調整すべきことが同項に明記されている)[34][35]。
配偶者たる身分は婚姻によって取得され、離婚や婚姻の取消しによって失われる[41]。
姻族たる身分は(当事者となる配偶者の)婚姻によって取得され、離婚や婚姻の取消しによって失われる[41]。ただし、夫婦の一方の死亡は当然には姻族関係を消滅させない(民法第728条第2項を参照)。このほか姻族たる身分は姻族自身の死亡によっても失われる[41]。
日本法での親族の効果には次のようなものがある[42]。
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