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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/25 04:08:52」(JST)
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分泌(ぶんぴ又はぶんぴつ)とは一般に細胞が代謝産物を排出すること。
また狭義には、分泌活動を専門的に行う腺細胞が集まって腺を形成し、分泌物を排出することをいうこともある。この意味では特に動物個体のレベルで、体外または体腔に出す外分泌(exocrine)と、体液に出す内分泌(endocrine)に分類される。
外分泌には体表への汗、皮脂、乳など、消化管への唾液、胃液、胆汁などの分泌がある。内分泌はホルモンなどのシグナル物質の分泌である。内分泌は必ずしも腺によるものではなく単独の細胞によるものもある。
目次
- 1 様式による分類
- 1.1 放出様式による分類
- 1.2 作用様式による分類
- 2 タンパク質の分泌
- 3 外部リンク
様式による分類
細胞による分泌は、その物質がどのように細胞から放出されるかという放出様式や、その物質が放出された後で標的となる細胞にどのように到達するかという作用様式によって、いくつかに分類される。
放出様式による分類
細胞からの分泌物の放出様式は、以下のように分類される
- 全分泌(ホロクリン、ホロクライン、holocrine)
- 腺細胞自体が崩壊し、細胞内の様々な物質が分泌物質として放出される。皮脂腺など。
- 離出分泌 断頭分泌(アポクリン、アポクライン、apocrine)
- 細胞の一部が出芽してちぎれ放出される。汗腺や乳腺など。
- 漏出分泌(メロクリン、merocrine)
- 細胞自体は破壊されない。エクリン汗腺や、多くの内分泌腺。このうちエクリン汗腺から行われる漏出分泌を特にエクリン(eccrine)と呼ぶ。
また漏出分泌(メロクリン)は分泌機構によって、さらに以下の二つに大別される。
- エキソサイトーシス(開口分泌、exocytosis)
- 細胞内で作られ膜に包まれた小胞が細胞膜と融合して内容物を放出する。タンパク質や多くのホルモンなど。
- 透出分泌(diacrine)
- 細胞膜に溶解しうる物質が透過、あるいは細胞膜にあるポンプを通して出す。ステロイドホルモン、胃酸など。
作用様式による分類
- 内分泌で分泌された物質が、標的となる細胞にどのように到達し作用するかについて、本来の(狭義の)内分泌との対比から、以下のように分類される。
- エンドクリン(内分泌、endcrine)
- 分泌された物質が、体液によって分泌した細胞から離れた器官に運ばれ、そこで作用する。
- パラクリン(傍分泌、パラクライン、パラ分泌、paracrine)
- 分泌された物質が、分泌した細胞の近隣の細胞に作用する。
- オートクリン(オートクライン、自己分泌、autocrine)
- 分泌された物質が、分泌した細胞自身に作用する。
- ジャクスタクリン(ジャクスタクライン、接触分泌、juxtacrine)
- 分泌因子が膜結合型分子として細胞膜表面に提示され、隣接する細胞に作用する。
- エンドクリンはホルモンなどに見られる機構であり、いわゆる内分泌の典型的な様式である。これに対して、パラクリンやオートクリンは神経伝達物質、オータコイドやサイトカインに見られる作用様式で、「外分泌/内分泌」という広義の分類ではいずれも内分泌にあたるが、その作用様式からはホルモンなどに見られる狭義の内分泌(エンドクリン)とは区別される。
- ジャクスタクリンは受容体分子Notchのリガンド(Delta、Jagged)や種々のサイトカインの膜結合型前駆体などで見られ、膜結合型でも標的細胞に対する刺激作用を示すことから、分泌因子が液性因子として放出される他の分泌様式と区別して用いられる。多くのサイトカイン前駆体はshedding(ectodomain shedding)と呼ばれる切断により細胞外領域が細胞表面より遊離し、産生細胞と接していない標的細胞に対しても液性因子のサイトカインとして作用を示すことが可能になる。
- また、分泌された液性因子が細胞外マトリックス(extracellular matrix; ECM)に捕捉され、その後ECMの分解により遊離して標的細胞にはたらく作用様式を特にマトリクリン(マトリクライン、matricrine)と呼ぶことがある。
タンパク質の分泌
タンパク質は最終的にエキソサイトーシスによって細胞外に分泌されるが、そのために特別なメカニズムが必要である。分泌されるタンパク質の多くはポリペプチド鎖N末端に疎水性の高いシグナルペプチド配列をもつ。またポリペプチド全体に 散在するシグナルパッチ(高次構造上は1箇所に集まる)の形でラベルされているものも知られている。
真核細胞
特に真核細胞は分泌メカニズムが高度に進化しており、次のような経過をたどる。
シグナルペプチドをもつタンパク質は翻訳が開始されるとリボソームが粗面小胞体に結合し、このタンパク質は翻訳されながらSec61複合体というチャンネルを通して小胞体内腔に輸送される。シグナルペプチドがないタイプは翻訳後に類似の膜貫通メカニズムによりATPのエネルギーを用いて小胞体内腔へ輸送される。以上のようなシステムはミトコンドリア、葉緑体、また細菌の細胞膜にもあってSec分泌系と呼ばれる。
その後シグナルペプチドタンパク質は小胞に包まれてゴルジ装置に移動し、糖鎖の付加やシャペロンによるフォールディング、開裂による活性化などの修飾を受ける。次いでタンパク質は行き先ごとに仕分けされ、細胞外に分泌されるものは分泌小胞および分泌顆粒によって輸送され、濃縮されながら細胞膜へ向かって移動する。最終的に顆粒は細胞外シグナル(例えば神経細胞で活動電位によってCa2+チャネルが開きCa2+レベルが上昇するなど)に応答して細胞膜と融合し内容物を細胞外に放出する。
すべての細胞は常時働く分泌経路(デフォルト経路)を持っているが、外的条件や細胞の極性に応じて調節可能な分泌経路を持つ細胞もある。
なお低分子化合物も多くの場合、特異的タンパク質に結合して分泌顆粒内で濃縮されて分泌される。
原核細胞
細菌の細胞膜(グラム陰性菌では内膜)にも真核細胞と同様のSec分泌系があるが、タンパク質は膜外に直接分泌され、小胞体やゴルジ装置などの複雑なメカニズムはない。
しかしSec分泌系と別に(または協働する)特有の分泌メカニズムがあり、IからIVの4タイプに分類される。これらは外毒素の分泌やグラム陰性菌の外膜を通しての分泌などに関与し、またべん毛や線毛の構築にも類似の機序がある。
外部リンク
- FM1-43 - 脳科学辞典 分泌小胞の放出を可視化する色素であるFM1-43についての解説。
Japanese Journal
- Hypo/dysfibrinogenemia が疑われた新規変異フィブリノゲン Nagakute(γ305Thr→Ala)と, その近傍アミノ酸変異ブィブリノゲンの細胞外分泌能の比較
- 遺伝子改変マウスを用いた急性膵炎研究の現状と今後の展望
- 真嶋 浩聡,大西 洋英
- 膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society 27(4), 584-592, 2012-08-25
- NAID 10031074701
- 1型糖尿病調査研究委員会(劇症および急性発症1型糖尿病分科会)報告 : 2型糖尿病経過中に劇症1型糖尿病様の発症様式を呈した症例の臨床的特性
- 平田 匠,島田 朗,今川 彰久 [他],粟田 卓也,池上 博司,内潟 安子,大澤 春彦,川崎 英二,川畑 由美子,小林 哲郎,清水 一紀,高橋 和眞,永田 正男,牧野 英一,丸山 太郎,花房 俊昭
- 糖尿病 55(7), 505-511, 2012-07-30
- NAID 10031123009
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
膵外分泌機能検査用PFD内服液500mg
組成
- 本剤は、1瓶(10mL)中ベンチロミド500mgを含有する無色澄明の液体である。
添加物として亜硫酸水素ナトリウム、エタノール、塩酸、水酸化ナトリウム、D‐ソルビトール液を含有する。
禁忌
- 腎機能が高度に低下している患者
〔一定時間内の尿中排泄率で評価するため。〕
- 急性膵炎の急性期
〔庇護療法が最優先され、本検査の対象でない。〕
- 急性肝炎の急性期
〔庇護療法が最優先され、本検査の対象でない。〕
効能または効果
- 一般に早朝空腹時に採尿後1回1瓶を200mL以上の水とともに服用する。利尿をはかる目的で服用から約1時間後に最低約200mLの水を飲用させるが、それ以後については水分を自由にとらせてかまわない。
検査開始より、3時間以上経過した場合の食事は自由にとらせて良い。
尿は、服用から6時間までの全尿を採尿する。
(成績は服用後6時間までの総尿中のPABA排泄率(%)で表示する。)
薬効薬理
原 理
- ベンチロミドは、よく知られた生体内物質の安息香酸、チロジン、パラアミノ安息香酸(PABA)から成る合成ペプタイドである。このペプタイドは、経口投与してもほとんど消化管から吸収されないが、膵酵素の一つであるα‐キモトリプシンによって容易にしかも特異的に加水分解をうけ、PABAを遊離する。PABAは小腸で吸収され、肝で抱合(主にグリシン抱合)をうけて腎より尿中に排泄される。膵疾患で外分泌能が障害されるとベンチロミドは十分に分解されず、PABA抱合物の尿中排泄が減少する。したがって一定量のベンチロミドを経口投与し、一定時間内の尿中PABA量を測定してその排泄率を求めれば、それはとりもなおさず膵外分泌機能を反映していることになり、膵外分泌機能の診断ができる。1) 2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- p‐〔(N‐benzoyl‐L‐tyrosin)amido〕benzoic acid
分子式
分子量
物理化学的性状
- ベンチロミドは白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品はN,N‐ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はテトラヒドロフランにやや溶けにくく、水又は無水ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
旋光度〔α〕20D:+85〜+93°(乾燥後、0.5g、N,N‐ジメチルホルムアミド、25mL、100mm)
融 点
★リンクテーブル★
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