商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- 非オピオイド鎮痛剤で治療困難な疼痛を伴う各種癌、慢性疼痛における鎮痛を効能・効果とする新剤型医薬品
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新薬くろ~ずあっぷ(176)ワントラム錠100mg(トラマドール塩酸塩)
- 加藤 隆児,井尻 好雄,林 哲也
- 調剤と情報 = Rx info 21(13), 1787-1794,1854, 2015-11
- NAID 40020640605
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ワントラム錠100mg
組成
組成
添加物
- ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、軽質無水ケイ酸、硬化油、ステアリン酸マグネシウム、キサンタンガム、酢酸ビニル樹脂30%分散液、ポビドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール、タルクを含有する。
効能または効果
- 非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記における鎮痛
疼痛を伴う各種癌
慢性疼痛
- 慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
- 通常、成人にはトラマドール塩酸塩として100〜300mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。ただし、1日400mgを超えないこととする。
初回投与量
- 本剤を初回投与する場合は、1日100mgから開始することが望ましい。なお、トラマドール塩酸塩即放性製剤から切り替える場合は、即放性製剤の1日投与量、鎮痛効果及び副作用を考慮して、本剤の初回投与量を設定すること。
投与間隔
- 本剤の定時投与(1日1回)はできるだけ同じ時間帯に服用すること。
増量及び減量
- 本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量・減量の目安は、1日100mgずつ行うことが望ましい。
がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)
- 本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちにトラマドール塩酸塩即放性製剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること。臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8〜1/4を経口投与すること。ただし、トラマドール塩酸塩としての1日総投与量は400mgを超えないこと。
投与の継続
- 慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
投与の中止
- 本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
- がん疼痛患者において、本剤の1日の定時投与量が300mgで鎮痛効果が不十分となった場合、本剤の投与を中止し、モルヒネ等の強オピオイド鎮痛剤への変更を考慮すること。その場合には、定時投与量の1/5の用量の経口モルヒネを初回投与量の目安とすることが望ましい。また、経口モルヒネ以外の強オピオイド鎮痛剤に変更する場合は、経口モルヒネとの換算で投与量を求めることが望ましい。
高齢者への投与
- 75歳以上の高齢者では、本剤の血中濃度が高い状態で持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、1日300mgを超えないことが望ましい(「薬物動態」の項参照)。
慎重投与
- オピオイド鎮痛剤を投与中の患者[痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある(「相互作用」の項参照)。]
- 腎障害又は肝障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
- てんかんのある患者、痙攣発作を起こしやすい患者又は痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣発作を誘発することがあるので、本剤投与中は観察を十分に行うこと。]
- 薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者[依存性を生じやすい。]
- 呼吸抑制状態にある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。]
- オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明※)
- ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、喘鳴、血管神経性浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸抑制(0.1%)
- 呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(「過量投与」の項参照)。
痙攣(頻度不明※)
- 痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
依存性(頻度不明※)
- 長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止すること。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがあるので、適切な処置を行うこと。また、薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
意識消失(頻度不明※)
- 意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用に関する検討(in vivo)12)〜14)
- マウス及びラットを用いたライシング法、ホットプレート法及びテールフリック法による侵害刺激実験において、トラマドール塩酸塩は経口、腹腔内又は皮下投与で鎮痛効果を示した。代謝物M1の塩酸塩をラットに静脈内投与した場合、テールフリック法による侵害刺激反応をトラマドール塩酸塩よりも低用量から抑制した。
- マウスを用いたテールフリック法による侵害刺激法において、トラマドール塩酸塩を腹腔内投与した時の鎮痛作用はオピオイド受容体拮抗薬であるナロキソン塩酸塩で抑制された。一方、α2-アドレナリン受容体拮抗薬であるヨヒンビン塩酸塩及びセロトニン2型受容体拮抗薬であるリタンセリンは、マウスにトラマドール塩酸塩をくも膜下腔内に投与した時の鎮痛作用を抑制した。
- ラットの坐骨神経を部分結紮した神経障害性疼痛モデルにおいて、トラマドール塩酸塩は経口投与で抗アロディニア作用を示した。
作用点に関する検討(in vitro)15)
- ラット脳を用いた受容体結合実験において、トラマドール塩酸塩はδ及びκ-オピオイド受容体よりもμ-オピオイド受容体に高い結合親和性を示した。M1塩酸塩のラットμ-オピオイド受容体に対する結合親和性は、モルヒネ塩酸塩に劣るもののトラマドール塩酸塩より高かった。
- ラット脳を用いた取り込み実験において、トラマドール塩酸塩はノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み系を抑制した。これらの再取り込み系に対するM1塩酸塩の抑制作用は、トラマドール塩酸塩と同程度あるいは弱かった。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすい。
本品の水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
融点:180〜184℃
本品は結晶多形が認められる。
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