出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/03 17:16:45」(JST)
リサイクル(英: recycle[1])とは再循環を指し、製品化された物を再資源化し、新たな製品の原料として利用することである。同一種の製品に再循環できないタイプの再生利用についても広くリサイクルに位置付けられる。
リデュース(reduce、減量)、リユース(reuse、再使用(Returnable use、返却使用する))と共に3Rと呼ばれる。
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リサイクルは大きく、ケミカル/マテリアルリサイクル(素材としての再利用)とサーマルリサイクル(熱としての再利用)に区分される。
現代のリサイクルは、主に政治的・経済的目的のための「商標」としての役割が強く、現状としてはメーカーは赤字に転じることが多く、世間で認識されているほど行われていない[要出典]。また、全てのリサイクルが環境によいわけではなく、環境破壊型リサイクル[独自研究?]もあるために正しい見極めが大切である。
リサイクルを行う際での課題として、回収時の不純物の問題、リサイクルを行う際にかかるエネルギーの問題、リサイクルを何度も行うことによる不純物の濃縮の問題などが挙げられる。
リサイクルを考える上でエントロピーの考え方は欠かせない。リサイクルを行うという行為は全て、ゴミ(使い道のない=エントロピーの大きい状態)から資源(何にでも変われる可能性をもつ=エントロピーが小さい状態)に変える事である。エントロピーの大きい状態から小さい状態に変えるには外部からのエネルギー注入(エントロピーの増大化)が必須である。このエネルギーの注入(エントロピーの増加量)は非常に大きく、資源化のエントロピー減少量をはるかに超える。リサイクル行為は全体ではエントロピーを増大させる方向に向かう。言い換えれば、リサイクルという行為は全て環境負荷を与えるものであるといって過言ではない。これは、熱力学第二法則に基づく自然法則であり、リサイクルによる資源の完全循環は、永久機関の幻想に他ならない。
具体的には、プラスチックゴミ(使い道のない)のエントロピーを100とした場合、原油(プラスチックでも燃料でも何でも変われる)のエントロピーは小さい50だと考えられる。この50の減少化を達成するために、実際は外部のエントロピーを50から150に増やすエネルギー注入が行われているのである。
しかしながら、全てのリサイクルが環境破壊ではない。例えば、ボーキサイトからアルミの精錬は非常に大きなエントロピーの減少であり、製造されたアルミ缶のエントロピーはボーキサイトより小さいと考えられる。ゆえに、アルミ缶のリサイクルは手法を間違えなければ合理的なリサイクルである。また、人類が従来使用できなかったエントロピー、地球という系の外から降り注ぐエントロピーを用いる手段もある。外部注入エネルギーに太陽光エネルギーや地熱エネルギー、核エネルギーを用いることで全てのリサイクルは環境に優しい行為といえるのである。
約20%が材料リサイクルされ他の製品の原料となっている(オープンリサイクル)。リサイクル本来の意味である「再循環」が行われるクローズドリサイクルはわずか1%にすぎない。詳細はペットボトル#リサイクルを参照。
社会に蓄積された鉄鋼約12億6千万トンの鉄が循環しており、転炉法と電炉法によりリサイクルが大規模に行われている。
回収した紙は古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー、段ボール、白板紙の原料となる場合が多い。
同じ紙であっても、品質が高いものから低いものにされる場合、厳密にはリサイクルではなく、カスケード利用に分類される。牛乳パックはバージンパルプ(リサイクル素材を含まないパルプ)から作成されていて繊維の品質が高いものとして流通するが、回収された古紙はトイレットペーパーや板紙といったものに加工されており、有効に利用されることが多い。野焼きは禁止されており、野焼きをすると放火罪として罰せられる。
用途に特化した紙が作られるようになるにつれ、感熱紙を始めとしてリサイクル上の問題となる禁忌品が増えており問題視されている。また、シュレッダーで処理された紙は、用途によってはパルプ繊維が切り刻まれているため再生には不利である。
石鹸、ディーゼルエンジン用燃料などに再利用される。
アルミニウムは、地金を新造する際に「電気の缶詰」といわれるほど電気を消費するが、再精錬する場合には新造時の約3%のエネルギーしか電気を要しないためリサイクルの優等生と言われる。(純粋なアルミニウムを再精錬した時の理論値。別途、不純物除去のエネルギーが僅かに必要)
また、融解時には空気中の窒素と反応して窒化アルミニウムAlNとして一部が失われる。
この窒化物は融解時にるつぼの表面に浮かぶので捨てられるが、空気中の水分と徐々に反応してアンモニアを生じる。
また、プルトップ部分は剛性を持たせるため、マグネシウムを加えた合金を使用している。そのためリサイクル時にはそれを酸化して除かねばならず無駄が生じる。
ガラス(ソーダ石灰ガラス)製の液体コンテナ(容器)の内、いわゆるリターナブル瓶はそのまま洗浄して再使用されるが、一方のワンウェイ瓶は破砕されリサイクルされる。この破砕されガラス原料に用いられるものをカレットと呼ぶ。
カレットはガラス原料から直接ガラスを製造するよりも材料としての純度が安定しており、またより少ないエネルギー量で瓶に加工できる。2005年では製造されるガラス瓶の90%以上がこのカレットを原料としており、再び社会で利用される。ただし瓶製造量に対してカレット原料としての回収率は60%前後であるため、より効率の良い(確実な)回収方法も求められている。
電池類におけるリサイクル対象は、マンガン乾電池・アルカリ乾電池、ボタン電池、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素・ニカド電池、自動車用バッテリーの7種類。リサイクルに出す際は、電池の種類に関係なくプラス極およびマイナス極をセロハンテープなどで貼り付けることで絶縁しておく必要がある。
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