- 英
- iodide
- 関
- ヨウ化、ヨウ素
WordNet
- a salt or ester of hydriodic acid
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- ヨウ化物
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/29 18:15:20」(JST)
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ヨウ化物 (英: iodide) イオンは、-1の電荷を帯びたヨウ素原子である[1]。酸化数が-1のヨウ素の化合物はヨウ化物と呼ぶ。これにはヨウ化セシウムのようなイオン化合物、四ヨウ化炭素のような共有結合化合物が含まれ、これら化合物の命名は塩化物や臭化物と同じように行われる。ヨウ化物の試薬は、水溶性化合物に少量滴下して酸性としたり、炭酸イオンを除いたりするのに使われ、また、硝酸鉛(II)に加えると明るい黄色のヨウ化鉛(II)の沈殿が得られる。ほとんどのイオン性ヨウ化物は、黄色のヨウ化銀と黄色のヨウ化鉛の例外を除いて水に溶ける。ヨウ素はヨウ化物水溶液によく溶け、茶色の三ヨウ化物イオンを形成する。
- I-(aq) + I2(s) I3-(aq)
目次
- 1 主なヨウ化物
- 2 酸化防止剤としてのヨウ化物
- 3 脚注
- 4 関連項目
|
主なヨウ化物
主なヨウ化物には以下のものがある。
- ヨウ化水素、HI
- ヨウ化ナトリウム、NaI
- ヨウ化カリウム、KI
- 四ヨウ化炭素、CI4
- ヨウ化銀、AgI
- 三ヨウ化窒素、NI3
酸化防止剤としてのヨウ化物
ヨウ化物には酸化防止剤としての役割があり、過酸化水素のような活性酸素種 (ROS) を還元させることができる。シアノバクテリアは最も原始的な酸素発生型光合成生物であり、真核藻類の祖先である。大量のヨウ素(乾燥重量の1 - 3 %)を含む藻類とペルオキシダーゼによって、細胞は大気に有毒の酸素を作り出した[2][3]。従って藻類の細胞は自らの分子のを酸化から保護するための機能を必要とするが、この役割はヨウ化物とペルオキシダーゼが担っていると考えられている[4][5][6]。事実、ヨウ化物は大量に存在する海から得ることができ、食物連鎖において植物プランクトンはヨウ化物、セレン、(そしてn-3脂肪酸)の蓄積の役割を担っている[7][8] [9]。
- ヨウ化物による酸化防止剤の生化学的機構[10]
- 2 I- → I2 + 2 e- = -0.54 V
- 2 I- + ペルオキシダーゼ + H2O2 + 2 チロシン → 2 ヨード-チロシン + H2O + 2 e- (酸化防止剤)
- 2 e- + H2O2 + 2 H+ (細胞内溶液中) → 2 H2O
この機構は有毒な活性酸素種から種を保護するための最も古い機構の一つだと考えられている。
- 2 I- + ペルオキシダーゼ + H2O2 + チロシン、ヒスチジン、脂質、炭素 -> ヨウ素化合物 + H2O + 2 e- (酸化防止剤)
ヨウ素化合物:ヨード-チロシン、ヨード-ヒスチジン、ヨード-脂質、ヨード-炭素
脚注
- ^ Greenwood, Norman N.; Earnshaw, Alan. (1997), Chemistry of the Elements (2 ed.), Oxford: Butterworth-Heinemann, ISBN 0080379419
- ^ Küpper FC, Feiters MC, Meyer-Klaucke W, Kroneck PMH, Butler A (2002) Iodine Accumulation in Laminaria (Phaeophyceae): an Inorganic Antioxidant in a Living System? Proceedings of the 13th Congress of the Federation of European Societies of Plant Physiology, Heraklion, Greece, September 2-6, p. 571
- ^ Küpper FC, Schweigert N, Ar Gall E, Legendre J-M, Vilter H, Kloareg B (1998) Iodine uptake in Laminariales involves extracellular, haloperoxidase-mediated oxidation of iodide. Planta 207:163-171
- ^ Ar Gall, E., Küpper, F.C. & Kloareg, B. (2004). A survey of iodine content in Laminaria digitata. Botanica Marina 47: 30-37.
- ^ Küpper FC et al. (2008) Iodide accumulation provides kelp with an inorganic antioxidant impacting atmospheric chemistry. Proc Natl Acad Sci U S A. May 5 . N PMID: 18458346
- ^ Venturi S, Donati FM, Venturi A, Venturi M. Environmental iodine deficiency: A challenge to the evolution of terrestrial life? Thyroid. 2000 Aug;10(8):727-9. PMID: 11014322
- ^ Venturi S. and Venturi M. “Iodine and Evolution”. DIMI-MARCHE NEWS, Dipartimento Interaziendale di Medicina Interna della Regione Marche (Italy), published on-line, Feb. 8, 2004: http://web.tiscali.it/iodio/
- ^ Venturi S, Donati FM, Venturi A, Venturi M, Grossi L, Guidi A. Role of iodine in evolution and carcinogenesis of thyroid, breast and stomach. Adv Clin Path. 2000 Jan;4(1):11-7. PMID: 10936894
- ^ Venturi S, Venturi M. Evolution of Dietary Antioxidant Defences. European EPI-Marker. 2007, 11, 3 :1-12
- ^ Venturi S, Venturi M. Iodide, thyroid and stomach carcinogenesis: evolutionary story of a primitive antioxidant? Eur J Endocrinol. 1999 Apr;140(4):371-2. N PMID: 10097259
関連項目
ヨウ化物 |
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18 |
1 |
HI |
2 |
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17 |
He |
2 |
LiI |
BeI2 |
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BI3 |
CI4 |
NI3 |
IxOy |
IFx |
Ne |
3 |
NaI |
MgI2 |
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3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
AlI3 |
SiI4 |
PI3 |
SI2 |
IxCly |
Ar |
4 |
KI |
CaI2 |
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ScI3 |
TiI4 |
VI3 |
CrIx |
MnI2 |
FeI2 |
CoI2 |
NiI2 |
CuI |
ZnI2 |
Ga2I6 |
GeIx |
AsI3 |
SeI2 |
IBr |
Kr |
5 |
RbI |
SrI2 |
|
YI3 |
ZrI4 |
NbI5 |
Mo |
Tc |
Ru |
Rh |
Pd |
AgI |
CdI2 |
InI3 |
SnIx |
SbI3 |
TeI4 |
I |
Xe |
6 |
CsI |
BaI2 |
La |
Ce |
Pr |
Nd |
Pm |
SmI2 |
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Dy |
Ho |
Er |
Tm |
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Lu |
HfI4 |
TaI5 |
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Pt |
AuI |
HgxIy |
TlI |
PbI2 |
Bi |
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Rn |
7 |
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ThI4 |
Pa |
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Uuq |
Uup |
Uuh |
Uus |
Uuo |
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 文献抄録 臭化物イオン及びヨウ化物イオン濃度とその比がヨウ素化トリハロメタン生成能と組成に与える影響
- 低熱ポルトランドセメントを用いたセメント系材料によるヨウ化物イオンの固定
- 大宅 淳一,白石 雅大,新 大軌 [他]
- Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan : セッコウ・石灰・セメント・地球環境の科学 22(374), 12-18, 2015-01
- NAID 40020312235
- 血糖測定器 (特集 いま病棟にある医療機器 : 注意が必要なポイントはどこ?)
- 藤井 正実
- 月刊薬事 = The pharmaceuticals monthly 55(4), 575-578, 2013-04
- NAID 40019667027
Related Links
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- 三ヨウ化物(さんヨウかぶつ、英: triiodide )は、主に3つのヨウ素 原子による多原子アニオン、三ヨウ化物イオン (I 3-) を含む塩を意味する。例えば三ヨウ化ナトリウム、三ヨウ化アンモニウムがこれに含まれ、これらにはそれぞれ対応する ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ミネリック-4注シリンジ
組成
容量
有効成分(1シリンジ中)
- 塩化第二鉄 9.460mg
日本薬局方 硫酸亜鉛水和物 17.25mg
硫酸銅 1.248mg
日本薬局方 ヨウ化カリウム 0.1660mg
添加物(1シリンジ中)
- コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 9.774mg
pH調整剤
元素量
元素量(μmol/2mL)
- 鉄(Fe) 35
亜鉛(Zn) 60
銅(Cu) 5
ヨウ素(I) 1
禁忌
- 胆道閉塞のある患者[排泄障害により、銅などの微量元素の血漿中濃度を上昇させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 経口、経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合の亜鉛、鉄、銅及びヨウ素の補給。
- 通常、成人には1日2mLを高カロリー静脈栄養輸液に添加し、点滴静注する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
- 本剤は、経口・経腸管栄養補給が十分になった場合には、速やかに投与を中止すること(通常、経口・経腸管栄養により微量元素は補給される)。
- 高カロリー輸液用基本液等には微量元素が含まれた製剤があるので、それらの微量元素量に応じて適宜減量すること。
- 本剤投与中に銅などの微量元素の血漿中濃度の上昇が認められた場合には、休薬、減量若しくは中止等を考慮すること。
血漿中微量元素濃度の基準値1)
中央値(下限値〜上限値)
- Fe(μg/dL) 103(35〜174)
Zn(μg/dL) 97(70〜124)
Cu(μg/dL) 94(62〜132)
I(μg/dL) 5.7(3.7〜14.0)
(健常成人男女各20名より求めた)
- 本剤はマンガンが配合されていないので、投与中にマンガンの全血中濃度が基準値以下となった場合には、マンガン配合微量元素製剤の投与を考慮すること。
全血中マンガン濃度の基準値2)
慎重投与
- 肝障害のある患者[微量元素の血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
- 腎障害のある患者[微量元素の血漿中濃度が上昇するおそれがある。]
薬効薬理
- 微量元素欠乏ラット及び正常ラットを用い、1週間の高カロリー輸液(TPN)施行時における本剤の微量元素補給効果を検討した。その結果、本剤無添加TPN施行時では、生体内の微量元素は低下し、鉄あるいは銅欠乏性貧血又はアルカリフォスファターゼ活性の低下並びにチロキシン濃度の低下などが認められたが、本剤添加TPN施行時ではこれらの欠乏症状を改善する傾向を示し、生体内の微量元素濃度の低下を改善あるいは回復させた。3)、4)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- I、I2、iodine、iodo
[★]
- 英
- iodide、iodo
- 関
- ヨード、ヨウ化物、ヨウ素
[★]
- 英
- propidium iodide
- 関
- ヨウ化プロピジウム