商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/18 15:06:00」(JST)
[Wiki ja表示]
イバンドロン酸
|
IUPAC命名法による物質名 |
{1-hydroxy-3-[methyl(pentyl)amino]propane-1,1-diyl}bis(phosphonic acid) |
臨床データ |
商品名 |
ボンビバ®静注1mgシリンジ |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
静脈注射 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
0.6% |
血漿タンパク結合 |
90.9 to 99.5%
(concentration-dependent) |
代謝 |
無し |
半減期 |
10 ~ 60 時間 |
排泄 |
腎排泄 |
識別 |
CAS番号 |
114084-78-5 |
ATCコード |
M05BA06 |
PubChem |
CID 60852 |
DrugBank |
DB00710 |
ChemSpider |
54839 |
UNII |
UMD7G2653W |
KEGG |
D08056 |
ChEMBL |
CHEMBL997 |
化学的データ |
化学式 |
C9H23NO7P2 |
分子量 |
319.229 g/mol |
SMILES
- O=P(O)(O)C(O)(CCN(CCCCC)C)P(=O)(O)O
|
InChI
-
InChI=1S/C9H23NO7P2/c1-3-4-5-7-10(2)8-6-9(11,18(12,13)14)19(15,16)17/h11H,3-8H2,1-2H3,(H2,12,13,14)(H2,15,16,17)
Key:MPBVHIBUJCELCL-UHFFFAOYSA-N
|
イバンドロン酸 (-さん)、またはイバンドロネートは、ビスフォスフォネート薬群のひとつ。日本での製品名はボンビバ®静注1mg[1]。(大正富山医薬品と中外製薬から販売されており、1ブランド2チャンネルの流通である。)
薬理
他のビスフォスフォネート薬と同様に、骨に対して高い親和性を持ち、骨表面に吸着し、破骨細胞の機能障害およびアポトーシスを誘導することで破骨細胞を減少させ、骨吸収を抑制する。
- 経口ビスフォスフォネート剤は、その約99%が糞便中に排泄され、約1%しか体内に吸収されないとされるが、経静脈的投与では投与された薬剤のほぼ100%が利用される。イバンドロネートの他にアレンドロン酸ナトリウムの点滴注射剤が日本では販売されている。点滴静注用のゾレドロン酸水和物も販売されているが、悪性腫瘍による高カルシウム血症、多発性骨髄腫による骨病変、固形癌骨転移による骨病変の適応症であり、日本では骨粗鬆症を適応症として持たない。
適応
副作用
- 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
- 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
- 低カルシウム血症
など。 閉経後骨粗鬆症に対する経静脈投与のビスフォスフォネート剤は、総じて安全との報告がある[2]。
脚注
- ^ http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999438G1027_1_02/
- ^ Sieber P, et al. Intravenous bisphosphonates for postmenopausal osteoporosis: safety profiles of zoledronic acid and ibandronate in clinical practice. Clin Drug Investig. 2013 Feb;33(2):117-22. doi: 10.1007/s40261-012-0041-1.
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- セミナー便り ボンビバ月1回静注に期待 : 長崎大学メディカル・ワークライフバランスセンター : 伊東晶子教授
- 新薬収載 8月27日 ボンビバ等12成分25品目を収載
Related Links
- ボンビバ静注は、月1回のワンショット静注で骨粗鬆症治療が可能なビスホスホネート製剤です。 ... 骨吸収マーカーである尿中CTXの変化率は、ボンビバ静注群とリセドロネート群では同様の推移を示し、早期から高い抑制作用を ...
- 2013年6月28日、骨粗鬆症治療薬のイバンドロン酸ナトリウム水和物(商品名ボンビバ静注1mgシリンジ)が製造承認を取得した。適応は「骨粗鬆症」で、1カ月に1回、1mgを静注する。 骨粗鬆症は、「加齢等により骨吸収と骨形成の ...
- 作成又は改訂年月 ** 2013年8月改訂 (第3版) * 2013年6月改訂 日本標準商品分類番号 873999 日本標準商品分類番号等 国際誕生年月 1996年6月 薬効分類名 骨粗鬆症治療剤 承認等 販売名 ボンビバ静注1mgシリンジ 販売名コード
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ボンビバ静注1mgシリンジ
組成
成分・含有量[1シリンジ(1mL)中]
有効成分
- イバンドロン酸ナトリウム水和物1.125mg
(イバンドロン酸として1mg)
成分・含有量[1シリンジ(1mL)中]
添加物
- 塩化ナトリウム8.600mg、氷酢酸0.510mg、酢酸ナトリウム水和物0.204mg
禁忌
- 本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 低カルシウム血症の患者[血清カルシウム値が低下し、低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある(「重要な基本的注意」、「重大な副作用(類薬)」の項参照)。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
- 通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。
- 本剤はできるだけ緩徐に静脈内投与すること。
- 本剤は月1回投与する薬剤である。本剤の投与が予定から遅れた場合は可能な限り速やかに投与を行い、以後、その投与を基点とし、1カ月間隔で投与すること。
慎重投与
- 高度の腎障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立していない。]
重大な副作用
アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応
(頻度不明注2))
- このような症状があらわれることがあるので、投与に際しては、適切な処置のとれる準備をしておくこと。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、海外では死亡に至った例も報告されている。
顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(頻度不明注2))
- 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明注2))
- 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
骨吸収抑制作用10)
- ウサギ破骨細胞培養系において、破骨細胞が象牙切片に形成する吸収窩を減少させる(in vitro)。
骨粗鬆症モデル動物における作用
- ラット卵巣摘除モデルにおいて、12カ月間連日皮下投与したとき、骨密度及び骨強度の低下を用量依存的に抑制した11)。また、12カ月間間欠(25日に1回)皮下投与したときにも、骨密度及び骨強度の低下を抑制した11)。
- カニクイザル卵巣摘除モデルにおいて、16カ月間間欠(30日に1回)静脈内投与したとき、骨密度及び骨強度の低下を抑制し、骨密度と骨強度には正の相関が認められた。また、血清・尿中の骨代謝マーカー(血清骨型アルカリホスファターゼ、血清オステオカルシン、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド、尿中デオキシピリジノリン)の上昇を抑制した12,13)。
骨石灰化に及ぼす影響
- 成長期ラットにおいて、7日間連日皮下投与したとき、イバンドロン酸として4780μg/kg(1000μgP/kg注6):骨量増加作用を示す用量の約100倍)の用量まで、骨石灰化過程の障害は認められなかった注7),14)。
- イヌ卵巣・子宮摘除モデルにおいて、イバンドロン酸として100μg/kg(骨量減少抑制作用を示す用量の約100倍)の用量まで、類骨幅の増加や石灰化速度の低下は認められなかった注8),15)。
- カニクイザル卵巣摘除モデルにおいて、骨量減少抑制作用を示す30及び150μg/kg(イバンドロン酸としての用量:16カ月間間欠(30日に1回)静脈内投与)では、類骨幅の増加は認められなかった12)。
- 注6)分子内に含まれるリン原子の重量をもとにした重量表示
注7)4780μg/kgの用量では、脛骨骨幹端の成長板直下に骨基質添加の抑制に基づくと考えられる低石灰化領域が認められた。
注8)投与前値との比較
骨折修復に及ぼす影響16)
- 骨髄除去及び骨欠損孔作製イヌ骨折モデルに、イバンドロン酸として1μg/kgの用量を36週間連日皮下投与したとき、骨髄除去大腿骨皮質骨における骨単位数及び脛骨骨欠損孔における仮骨形成に影響は認められなかった。
作用機序
- イバンドロン酸は、骨基質であるハイドロキシアパタイトに対する高い親和性を有しており17)、投与後骨に分布する18)。破骨細胞に取り込まれた後ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し19)、これにより破骨細胞の機能を抑制することで骨吸収抑制作用を示すと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- イバンドロン酸ナトリウム水和物
(Ibandronate Sodium Hydrate)(JAN)
化学名
- Monosodium
[1-hydroxy-3-(methylpentylamino)propane-1,1-diyl]diphosphonate monohydrate
分子式
分子量
性 状
- 白色〜黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール、エタノール及びジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ibandronate、ibandronic acid
- 同
- イバンドロネート
- 化
- イバンドロン酸ナトリウム水和物
- 商
- ボンビバ
- 関
- 骨粗鬆症治療薬