homeotic mutation
体のある部分が、他の部分と置き換わってしまうような変異
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/11 23:38:52」(JST)
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ホメオシス(Homeosis;形容詞はホメオティックHomeotic)とは、遺伝的な原因(ある遺伝子の突然変異、あるいはその発現程度の異常)によって、多細胞生物体の一部の器官が本来の形をとらず他の相同な器官に転換する変化をいう。日本語では「異形成」ということもある(病理細胞学でいう異形成とは別)。特に遺伝子の突然変異による場合は、これらをそれぞれホメオティック遺伝子、ホメオティック突然変異と呼ぶ。
ホメオシスの例として、昆虫では触角が脚に、あるいは体節が別の体節に変化するもの、植物では雄蕊が花弁や葉に変化するものなどがある。これらの原因となるホメオティック遺伝子の代表的なものとして、動物ではHox遺伝子、植物ではMADSボックス遺伝子がある。これらのホメオティック遺伝子の起源は単細胞生物にあったと考えられるが、各生物系統の進化の過程で発生・器官形成の機能を獲得し、さらに機能的に分化することにより、相同器官の分化を通じて発生・形態の進化における中心的な役割を担ったと考えられる。この過程が現在発展しつつある進化発生生物学で中心テーマの1つとなっている。
Hox遺伝子などを含む「ホメオボックス遺伝子群」には共通の配列があり、これをホメオボックスという。ホメオボックス遺伝子は他の動物、さらには菌類や植物でも見出されており、特に脊椎動物では(昆虫のような明確なホメオティック変異は起こさないが)初期発生で不可欠な機能を持つことが知られている。
関連項目
- 相同
- 形態形成
- ホメオボックス
- ABCモデル
- 発生生物学
- 進化生物学
- 進化発生生物学
- ゲノミクス
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- アスパラガス 'Gold Schatz' の花器官ホメオティック変異系統における MADS-box 遺伝子の発現解析
- 浅田 ゆみ,菅野 明,落合 利紀,笠井 登,土屋 佑子,増田 清
- 園芸学会雑誌. 別冊, 園芸学会大会研究発表 73(2), 575, 2004-09-25
- NAID 10024386869
- 稲葉 智之
- Japanese journal of zoo and wildlife medicine 3(1), 43-47, 1998-03
- … 原因としては, 近親交配による遺伝子異常の可能性が示唆され, タテガミヤマアラシの8頸椎例ではHoxb-5からHoxa-6にかけて, パカの8頸椎例ではさらにHoxc-8からHoxa-10にかけての異常が重複して起きたことによるホメオティック変異の可能性が考えられた。 …
- NAID 110002683120
Related Links
- →ホメオボックス:遺伝子配列。ホメオティック変異の原因配列を探したときに、共通性の高い配列を見出した。Walter Gehring →ホメオドメイン:タンパク質ドメイン。60a.a. DNA結合配列。 4つのhelix helix3がDNAと主に結合 helix2は ...
- ... 変異体のような,体の一部が別の部位に置き換わった変異体がある。このような変異をホメオティック変異という。これらの変異の遺伝学的解析から,翅や触覚などの体節の特徴を決定する遺伝子が染色体上にかたまって ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- variation (KH.250)
- 関
- 破格
- 平均値から±2-3σの範囲の値を示すもの (KH.250)
---
- 英
- mutation
- 同
- 突然変異
[★]
- 英
- homeo
- 関
- 恒常性、同質、類似
[★]
- 英
- homeotic
- 関
- 相同異質形成