出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/23 11:44:07」(JST)
ヘビ毒 (ヘビどく, snake venom)とは、毒蛇の持つ毒物質の総称。神経毒と出血毒、血液凝固阻害毒、筋肉毒に大別される。
複数のタンパク質で構成され、多くの種では消化液(消化酵素)が毒腺に溜まった物。一部の種(ヤマカガシ)では、餌として捕食した動物(ヒキガエル)の毒(ブフォトキシン)を再利用している。毒を持つヘビの多くはコブラ科(Elapidae)、クサリヘビ科(Viperidae)、ナミヘビ科(Colubridae)に属するヘビで、450種程度とされている。
同じ種の毒でも生息地域により毒性分が異なっていることが報告され、餌が差異の原因となっていると考えられている[1]。また、神経毒を持つとされている種でも出血毒の成分を持つことが知られている。
主にコブラ科のヘビが持つ毒。毒の作用部位から、4種に分けられる。
詳細は「神経毒」を参照
動物の神経・筋接合部の神経伝達を攪乱する。アミノ酸数60〜74程度のポリペプチド。 作用:神経伝達を攪乱し、骨格筋を弛緩或いは収縮させ、活動を停止させる。横隔膜が麻痺することで呼吸困難に陥り絶命する。主な成分と作用は[2]、
血液毒とも呼ばれる。主にクサリヘビ科のヘビが持つ毒。
詳細は「出血毒」を参照
血液のプロトロンビンを活性化させ、血管内に微小な凝固を発生させる。その際に凝固因子を消費する為、逆に血液が止まらなくなる。さらに、血管系の細胞を破壊することで出血させる。血圧降下、体内出血、腎機能障害、多臓器不全等により絶命する。特に腎臓では微小血栓により急性腎皮質壊死を起す。
ニホンマムシでは、
主にクサリヘビ科とウミヘビ科が持つ毒。
主要な物質はミオトキシンのみで、またこれ単体のみを持つ毒ヘビは確認されていない(このため広義に出血毒に含めることがある)。
筋肉細胞のDNAにインターカレーションを起こし、核酸の合成を阻害、アポトーシスを引き起こす。全身の筋肉痛やミオグロビン尿を誘発し、多臓器不全や失血性ショック等で絶命する。
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