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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/01 23:01:38」(JST)
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プロトンポンプ阻害薬(-そがいやく、英: PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存する。H2ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続する。
目次
- 1 適用
- 2 相互作用・副作用
- 3 プロトンポンプ阻害薬の例
- 4 外部リンク
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適用
プロトンポンプ阻害薬は以下の疾患の治療に用いられ、投与中は定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。
- 消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍)
- Zollinger-Ellison症候群(en)
- 逆流性食道炎
- ヘリコバクター・ピロリの除菌補助:抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)とアモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に用いられる。
相互作用・副作用
- 相互作用が報告されている薬剤等
- 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤、ジゴキシンメチルジゴキシン、イトラコナゾールゲフィチニブ、アタザナビル硫酸塩、クロピドグレルとの併用は注意また禁忌とされる。
- おもな副作用
- アナフィラキシー、血小板減少、溶血性貧血、横紋筋融解症、劇症肝炎、低ナトリウム血症、視力障害、血管浮腫
プロトンポンプ阻害薬の例
- オメプラゾール(製品の代表的なもの:オメプラール・オメプラゾン)
- ランソプラゾール(製品の代表的なもの:タケプロン・タケプロンOD錠, 武田薬品工業製造販売)
- ラベプラゾールナトリウム(製品名:パリエット, エーザイ製造販売)
- エソメプラゾール(製品名: ネキシウム, アストラゼネカ製造, 第一三共販売)
外部リンク
- プロトンポンプ阻害薬の胃液分泌および消化性潰瘍に対する効果 日本薬理学雑誌 Vol.87、No.4(1986) pp.351-360
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • パーキンソン病治療 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定化薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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Japanese Journal
- Collagenous colitisを発症した腹膜透析患者の1例
- 松村 実美子,今井 恵理,多田 真奈美,加藤 麻美,濱野 直人,佐々木 絵美,勝木 俊,勝馬 愛,柴田 真希,日ノ下 文彦
- 日本透析医学会雑誌 47(6), 387-393, 2014
- … 透析患者は消化管出血のリスクが高いためプロトンポンプインヒビター (proton pump inhibitor : PPI) を内服していることが多いが, 文献上, 国内外において腹膜透析患者におけるCCの報告はなく, 慢性下痢の鑑別疾患の一つとして念頭におくことが重要であると考え, 報告した. …
- NAID 130004542538
- ヒンジ皮弁と陰圧閉鎖療法で閉鎖できた胃皮膚瘻の1例
- 水本 一生,草竹 兼司
- 日本臨床外科学会雑誌 74(6), 1495-1498, 2013
- … 術を施行される.腹壁縫合創離開部は胃幽門部が露出したまま上皮化せず経過し,同部の穿孔により難治性の胃皮膚瘻と周囲の皮膚炎を発症したため当科入院となった.ソマトスタチンアナログとプロトンポンプインヒビターの併用による保存的治療や内視鏡的瘻孔閉鎖術を試みるも,閉鎖できなかったため.ヒンジ皮弁による胃皮膚瘻閉鎖術を施行し,陰圧閉鎖療法(Negative Pressure Wound Therapy)で創傷管理することで …
- NAID 130004518736
- アセトアミノフェン鎮痛目的利用の国内外差およびその普及による薬剤費低減の可能性
- 甲斐 健太郎,池田 俊也,武藤 正樹
- 薬剤疫学 17(2), 75-86, 2013
- … 後は日本でもアセトアミノフェンの鎮痛目的利用が増える可能性がある.わが国で汎用されている NSAIDs においては,特に消化器系障害に対し,その予防のため,防御因子増強剤,H2ブロッカー,プロトンポンプインヒビター(PPI)等の消化性潰瘍用剤が併用されることも多い.一方,アセトアミノフェンはそのような副作用リスクが低いため,消化性潰瘍用剤も必要ない.アセトアミノフェンの鎮痛目的利用が拡大す …
- NAID 130003372609
Related Links
- ヒスタミン…基礎分泌(胃内を酸性に保つための恒常的な分泌):夜間に亢進する。 ガストリン…刺激後分泌(胃内に食物が入ったときに分泌) アセチルコリン…刺激後分泌(中枢からの刺激で分泌) H2-blocker:プロテカジン、ガスター、ザンタック ...
- プロトンポンプ阻害薬 H +,K +-ATPアーゼ(プロトンポンプ)を阻害する抗消化性潰瘍薬。オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールがある。プロトンポンプは胃酸分泌機構の最終段階に位置しており、PPIは壁細胞からの酸分泌を強力に ...
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★リンクテーブル★
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- 強皮症
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- H+,K+-ATPase inhibitors
- 同
- プロトンポンプインヒビター proton pump inhibitor
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- 英
- pro
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- 英
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- 関
- 水素イオン、陽子
[★]
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