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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/04 02:38:47」(JST)
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フレームシフト突然変異(フレームシフトとつぜんへんい)とは、塩基の欠失または挿入が起こり、三つ組みの読み枠がずれた時に生じる突然変異である。これは、塩基対置換よりも影響が非常に大きい。というのも、大幅に遺伝暗号がずれ、アミノ酸が変わるだけでなく、終止コドンなどもずれてしまうためである。本来止まるべき終止コドンを読めなくなったり、より手前で終止コドンが現れたりする(フレームシフトの大半はこれ)ためである。以下の例で変異を考える。
正常配列
| mRNA | 
5'-GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU | 
GCU -3' | 
| アミノ酸 | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
mRNAにAが挿入された変異配列
| mRNA | 
5'-GCU | 
GCU | 
AGC | 
UGC | 
UGC | 
UGC | 
UGC | 
UGC | 
UGC | 
UGC -3' | 
| アミノ酸 | 
Ala | 
Ala | 
Ser | 
Cys | 
Cys | 
Cys | 
Cys | 
Cys | 
Cys | 
Cys | 
このように変異箇所から後の配列は大幅に異なる。このように、終止コドンが最後の辺りで無くなると、リボソームはポリA配列を読む羽目になって立ち往生する。だから真核細胞においては、終止コドンがないための分解 nonstop mediated decayによってmRNAは翻訳完了前に分解されてしまう。 3個の塩基がバラバラに導入された場合は、1個や2個の場合と比べ、影響は小さくなる。3カ所にAが入ることで考える。
3カ所変異後の配列
| mRNA | 
5'-GCU | 
GCU | 
AGC | 
UGC | 
AUG | 
CUG | 
CAU | 
GCU | 
GCU | 
GCU -3' | 
| アミノ酸 | 
Ala | 
Ala | 
Ser | 
Cys | 
Met | 
Leu | 
His | 
Ala | 
Ala | 
Ala | 
となって、3つ目に新たに挿入されたA以降のリーディングフレームが元通りとなり、影響は小さくなる。ただし、3つ組で入る場合はフレームがずれないので、単に挿入と言いフレームシフトとは言わない。
次に、フレームシフトによって終止コドンが来る場合を以下の例で説明する。大半のフレームシフト変異はこれに属する。
正常配列
| DNA | 
5'-TAC | 
GGA | 
CTC | 
CAC | 
GTC-3' | 
| mRNA | 
AUG | 
CCU | 
CAC | 
GUG | 
GAG | 
| アミノ酸 | 
Met | 
Pro | 
Glu | 
Val | 
GlU | 
DNAのCTCのTが欠失した変異
| DNA | 
5'-TAC | 
GGA | 
CCC | 
ACG | 
TC-3' | 
| mRNA | 
AUG | 
CCU | 
GGG | 
UGA | 
AG | 
| アミノ酸 | 
Met | 
Pro | 
Glu | 
終止 | 
 | 
本来作られるべきポリペプチドよりも、大幅に小さいものが出来上がる。このような場合、真核生物においてはタンパク質は機能しないので、ナンセンスがあるためのmRNA分解 nonsense mediated mRNA decayによって細胞内で破壊されることになる。
関連項目
- 遺伝子
 
- 進化
 
- 腫瘍
 
- 染色体異常
 
- 翻訳 (生物学)
 
- DNA修復
 
- 突然変異
 
 
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Japanese Journal
- MSH6遺伝子の生殖細胞系列変異が認められたLynch症候群大腸癌の1例
 
- 鈴木 興秀,隈元 謙介,福地 稔,近 範泰,幡野 哲,松澤 岳晃,熊谷 洋一,石橋 敬一郎,持木 彫人,石田 秀行
 
- 日本消化器外科学会雑誌 48(7), 618-627, 2015
 
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- 脳と発達 46(3), 227-228, 2014
 
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- NAID 130005005716
 
- カリブ海在来 Capsicum chinense 品種の非辛味性,香りおよび来歴の解析
 
- 小枝 壮太,佐藤 恒亮,富 研一 [他],田中 義行,滝澤 理仁,細川 宗孝,土井 元章,中崎 鉄也,北島 宣
 
- Journal of the Japanese Society for Horticultural Science 83(3), 244-251, 2014
 
- カリブ海在来のトウガラシ'No.80'は果実の持つ非辛味性および強い芳香性の観点から,果菜類としての非辛味芳香性トウガラシ品種の育種において有望な素材である.本研究では'No.80'の非辛味性,揮発性香り成分および品種の来歴を,同様に非辛味性であるが芳香性の弱いブラジル在来の'No.2'との比較のもと解析した.両品種において acyltransferase(Pun1)の発現およびタンパク質の推定ア …
 
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- 関
 
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- variation (KH.250)
 
- 関
 
- 破格
 
- 平均値から±2-3σの範囲の値を示すもの (KH.250)
 
---
- 英
 
- mutation
 
- 同
 
- 突然変異
 
  [★]
- 英
 
- shift
 
- 関
 
- 移行、移動、交替、転換、変化、変わる
 
  [★]
- 英
 
- frame
 
- 関
 
- 骨組み、枠