トレプロスチニル

treprostinil

Japanese Journal

  • トレプロスチニル(トレプロスト<sup>®</sup>注射液)の薬理学的特徴および臨床試験成績
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Japan Pharmaceutical Reference

薬効分類名

  • プロスタグランジンI2誘導体製剤

販売名

トレプロスト注射液20mg

組成

  • 本剤は1バイアル(20mL)中に下記成分を含む。(組成の表参照)

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 右心不全の急性増悪時の患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させるおそれがあるので、カテコールアミンの投与等の処置を行い、状態が安定するまでは投与しないこと。]
  • 重篤な左心機能障害を有する患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させるおそれがある。]
  • 重篤な低血圧患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させるおそれがある。]

効能または効果

  • 肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスII、III及びIV)
  • 本剤は肺動脈性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用すること。
  • 先天性短絡性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症については、Eisenmenger症候群あるいは術後に肺高血圧の残存している患者にのみ使用すること。
  • 本剤は経口肺血管拡張薬で十分な治療効果が得られない場合に適用を考慮すること。
  • 特発性肺動脈性肺高血圧症、遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における有効性及び安全性は確立していない。
  • 通常、成人にはトレプロスチニルとして1.25ng/kg/分の投与速度で持続静脈内投与又は持続皮下投与を開始する。この初期投与速度が本剤の全身性の副作用により耐えられない場合は、投与速度を0.625ng/kg/分に減量する。
    患者の状態を十分に観察しながら、原則、最初の4週間は、1週間あたり最大1.25ng/kg/分で増量し、その後は臨床症状に応じて1週間あたり最大2.5ng/kg/分で増量し、最適投与速度を決定する。1週間あたり1.25又は2.5ng/kg/分を超えて増量する場合、患者の忍容性を十分確認しながら慎重に投与する。最適投与速度の決定にあたっては、本剤の副作用と肺高血圧症状の改善を指標とする。

投与方法

持続静脈内投与

  • 本剤は日局注射用水又は日局生理食塩液で希釈し、外科的に留置された中心静脈カテーテルを介し、フィルターを接続した精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を用いて持続静脈内投与する。まず投与流量を決定し、決定した投与流量(mL/hr)、投与速度(ng/kg/分)及び患者の体重(kg)から、本剤の希釈濃度(mg/mL)を算出する。投与流量の決定にあたっては、精密持続点滴装置の薬液容器の交換まで最大48時間であるため、投与期間が48時間以内になるよう選択する。本剤の希釈濃度は0.004mg/mL以上とすること。

本剤希釈濃度の計算方法


  • 換算係数0.00006=60分/hr×0.000001mg/ng
  • 算出された本剤の希釈濃度の薬液を、使用する薬液容器サイズに合わせて調製するために必要な本剤注射液の量は、以下の式より算出する。

本剤注射液量の計算方法

  • 算出された量の本剤注射液を、希釈液(日局注射用水又は日局生理食塩液)とともに薬液容器に加え、必要量に調製する。

参考計算例

例1)
ステップ1

  • 体重60kgの患者に対し、投与速度5ng/kg/分、投与流量1mL/hrで、薬液容器50mLを使用して投与する場合、本剤の希釈濃度は以下のように計算される。

ステップ2

  • 本剤の希釈濃度0.018mg/mLで、薬液を50mLに調製するために必要な本剤の注射液量は、20mgバイアル(本剤注射液濃度1mg/mL)を使用した場合、以下のように計算される。

例2)
ステップ1

  • 体重75kgの患者に対し、投与速度30ng/kg/分、投与流量2mL/hrで、薬液容器100mLを使用して投与する場合、本剤の希釈濃度は以下のように計算される。

ステップ2

  • 本剤の希釈濃度0.0675mg/mLで、薬液を100mLに調製するために必要な本剤の注射液量は、50mgバイアル(本剤注射液濃度2.5mg/mL)を使用した場合、以下のように計算される。

持続皮下投与

  • 本剤は、精密持続点滴装置(注射筒輸液ポンプ)を使用し、自己挿入型皮下カテーテルを経由して持続皮下投与する。本剤は希釈せずに、投与速度(ng/kg/分)、体重(kg)、本剤注射液の濃度(mg/mL)に基づき計算された投与流量(μL/hr)で投与する。

投与流量の計算方法


  • 換算係数0.06=60分/hr×0.000001mg/ng×1000μL/mL

参考計算例

例1)
体重50kgの患者に対し、20mgバイアル(本剤注射液濃度1mg/mL)を使用し、投与速度1.25ng/kg/分で投与を行う場合

例2)
体重60kgの患者に対し、100mgバイアル(本剤注射液濃度5mg/mL)を使用し、投与速度15ng/kg/分で投与を行う場合

  • 精密持続点滴装置は以下の条件を満たすものを使用すること。
  • 閉塞/投与不能、残量、電池の消耗、プログラムエラー及びモーターの機能故障のアラームがあること。
  • 送達精度は±6%より優れること。
  • 陽圧駆動であること。
  • 薬液容器は塩化ビニル、ポリプロピレンあるいはガラス製であること。
  • 約2μL/hr刻みの調節が可能であること(皮下投与のみ)。
  • 投与開始時及び投与速度調節の際は患者の症状をよく観察し、心拍数、血圧等血行動態の変化による副作用の発現に留意し、異常が認められた場合には本剤の減量など適切な処置を行うこと。
  • 肺高血圧症状が急激に増悪するおそれがあるので、突然の投与中止又は急激な減量を避けること。
  • 本剤の減量中又は投与中止後に症状の悪化又は再発が認められることがあるので、患者の状態に注意し、このような場合には、適宜増量又は再投与する等の適切な処置を行うこと。
  • 本剤の消失半減期は0.8〜4.6時間であるため、長時間投与を中止した後再開する場合には投与速度を再設定すること。
  • 本剤の投与経路を変更する場合は、原則、同一用量で変更し、変更後は患者の症状をよく観察すること。
  • 肝障害のある患者において、本剤の血中濃度が上昇するため、0.625ng/kg/分から投与を開始し、慎重に増量すること。(「慎重投与」、「薬物動態」の項参照)
  • 国内外において290ng/kg/分を超えた投与速度の経験は少ないため、290ng/kg/分を超えて投与する場合は患者の状態に十分注意すること。

慎重投与

  • 高度に肺血管抵抗が上昇している患者[肺血管抵抗が高度に上昇した病態を示す肺高血圧症の末期と考えられる患者では、心機能も著しく低下していることから、観察を十分に行い慎重に投与すること。]
  • 出血傾向のある患者[本剤の血小板凝集抑制作用により、出血を助長するおそれがある。]
  • 低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、血圧をさらに低下させるおそれがある。]
  • 肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する。また、重度の肝障害のある患者での使用経験はない。](「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)
  • 腎障害のある患者[排泄が遅延するおそれがある。]

重大な副作用

血圧低下、失神(頻度不明注1)

  • 過度の血圧低下、失神があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

出血(頻度不明注1)

  • 消化管出血、鼻出血、皮下注射部位又はカテーテル留置部位の出血等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

血小板減少(10.5%)、好中球減少(2.6%)

  • 血小板減少、好中球減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

血流感染(21.7%)

  • 持続静脈内投与時に中心静脈カテーテル留置に伴う合併症として重篤な血流感染があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

注射部位の局所反応(100%注2)

  • 持続皮下投与時に注射部位の局所反応(疼痛、紅斑、腫脹、熱感等)が高頻度にあらわれることがある。特に持続皮下投与の継続が困難な疼痛があらわれることがあるため、これらの症状があらわれた場合には、適切な処置(NSAIDs内服、クーリング/ヒーティング等)を行うこと。

薬効薬理

  • プロスタサイクリンと同様に、トレプロスチニルは、血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用により、肺動脈の収縮及び血栓形成を抑制し、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させることで、肺動脈性肺高血圧症に対する有効性を示すと考えられる。

肺高血圧症モデルにおける有効性

  • 麻酔ネコにおける低酸素負荷による肺動脈圧及び肺血管抵抗の上昇を抑制した14)
  • 麻酔ブタ新生児における低酸素負荷による肺動脈圧及び肺血管抵抗の上昇を抑制した15)

血管拡張作用

  • トロンボキサンA2誘導体であるU-46619により収縮させたウサギ腸間膜動脈血管平滑筋を弛緩させた(in vitro16)
  • イヌ及びネコへの持続静脈内投与により、肺動脈圧、肺血管抵抗、血圧及び全末梢血管抵抗が低下した17)

血小板凝集抑制作用

  • コラーゲンによるヒト血小板凝集及びADPによるラット血小板凝集を抑制した(in vitro18)
  • 持続静脈内投与により、ADPによるウサギ血小板凝集を抑制した。また、皮下投与及び経口投与により、ADPによるラット血小板凝集を抑制した18)
  • 持続静脈内投与により、イヌの冠動脈狭窄による血小板凝集に伴う冠血流量減少を抑制した19)


有効成分に関する理化学的知見

一般名

  • トレプロスチニル(Treprostinil)

化学名

  • {[(1R,2R,3aS,9aS)-2-Hydroxy-1-[(3S)-3-hydroxyoctyl]-2,3,3a,4,9,9a-hexahydro-1H-cyclopenta[b]naphthalen-5-yl]oxy}acetic acid

分子式

  • C23H34O5

分子量

  • 390.51

性状

  • トレプロスチニルは白色〜淡黄色の粉末である。本品は、N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、メタノール及びエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。

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