- 英
- zymogen
- 同
- 酵素前駆体 enzyme precursor proenzyme、プレ酵素? preenzyme?、プロ酵素?
- 関
- [[]]
WordNet
- any of a group of compounds that are inactive precursors of enzymes and require some change (such as the hydrolysis of a fragment that masks an active enzyme) to become active (同)zymogen
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/22 16:11:31」(JST)
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酵素前駆体(こうそぜんくたい zymogen チモーゲン)とは、不活性な酵素前駆体のことである。
酵素前駆体が活性を持つ酵素に変化するには、加水分解や構造変化などの生化学的変化によって活性部位が働ける状態になる必要がある。 なかでも、酵素前駆体の一部がプロテアーゼによって切断される例は多く、活性化の過程で遊離したペプチド鎖は活性化ペプチドと呼ばれる。
酵素前駆体の例
酵素前駆体の例として、以下のようなものがある。
- トリプシノーゲン: 消化酵素 トリプシン の前駆体
- キモトリプシノーゲン
- 消化酵素 キモトリプシン の前駆体
- ペプシノーゲン
- 消化酵素 ペプシン の前駆体
- プロエラスターゼ
- 消化酵素 エラスターゼ の前駆体
- プロリパーゼ
- 消化酵素 リパーゼ の前駆体
- 血液凝固系の酵素の大半
- カスケード反応を形成している
- プラスミノゲン
- 線溶系の酵素 プラスミン の前駆体
- 補体系の酵素の一部
- カスパーゼ
- アポトーシスを実行するシグナルカスケードを構成している
このうち、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、凝固系酵素、プラスミン、補体系酵素はセリンプロテアーゼである。カスパーゼはシステインプロテアーゼであり、ペプシンはアスパラギン酸プロテアーゼである。
なお、活性化された酵素を、別の酵素が修飾して不活性化する過程も存在する。例えば、凝固系のプロテインCは、活性型第V因子や活性型第VIII因子を分解して不活性化する。
意義
活性型の酵素をそのまま合成するのではなく、まず不活性型の前駆体として合成しておき、後で活性化するのは、次のような意義があると考えられている。
まず、迅速な調節が可能となることである。遺伝子の転写、mRNAの翻訳 には数十分〜数時間がかかるため、出血のような緊急事態に対応するには間に合わない。活性を持たない前駆体をあらかじめ用意しておけば、必要が生じたときにすぐに活性化して使うことができる。
次に、反応を増幅できることである。凝固系・補体系・アポトーシスなどの経路は、活性化された酵素が次の段階の酵素を活性化するというカスケード反応になっている。一つの酵素は無数の基質を反応させることができるので、小さな入力から大きな出力(反応)を得ることができる。
また、酵素活性を、時間的・空間的に限定するという意味もある。つまり、必要なときに、必要な場所でのみ、酵素を活性化させるのである。例えば、消化酵素は食物を分解して吸収できるようにする上で不可欠なものだが、自己の組織をも分解しかねない危険な存在である。そこで、酵素を前駆体として合成して不活性な状態で貯蔵しておき、食事後に消化管内に分泌されて始めて活性化するようにしている。急性膵炎は、この仕組みが破綻した状態といえる。膵臓の中で消化酵素が活性化され、膵臓と周辺臓器が溶かされてしまう重篤な疾患である。播種性血管内凝固症候群 も、凝固系と線溶系の酵素活性のバランスが崩れた状態といえる。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 健診にて発見された膵solid-pseudopapillary tumorの1男性例 : 本邦報告男性例の検討
- 栗山 直久,世古口 務,三枝 庄太郎,湯浅 浩行,井戸 政佳,伊藤 史人,山碕 芳生,野田 雅俊
- 日本消化器外科学会雑誌 38(1), 86-91, 2005-01-01
- 症例は45歳の男性で,健診目的に近医受診し,腹部X線検査にて左上腹部に鶏卵状の淡い石灰化を認め,精査加療目的に当院を紹介された.腹部US,CTで膵体部〜尾部に著明な石灰化をもつ充実性成分と,直径4cm大の嚢胞性部分を有する病変を認め,嚢胞部分はMRIでT1強調で高信号,T2強調で低信号を示した.膵嚢胞性腫瘍の診断にて膵体尾部切除術を施行.摘出標本では,膵体部の充実性腫瘤に連続して,膵尾部では出血壊 …
- NAID 110001356441
- 膵チモ-ゲン顆粒とライソゾ-ム (特集 膵臓外分泌腺の構造と病態)
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- 栄養・生化学辞典 - チモーゲンの用語解説 - 酵素の前駆体.通常は酵素活性を示さない.例えば,トリプシノーゲンはトリプシンのチモーゲン. ... 【加水分解酵素】より …細胞質で合成されたタンパク質が,あるものは細胞外に分泌 ...
- チモーゲン チモーゲンの例 ・ペプシノーゲン→ペプシン ・トリプシノーゲン→トリプシン ・キモトリプシノーゲン→キモトリプシン ・プロカルボキシペプチダーゼ→カルボキシペプチターゼ など ・チモーゲンとは
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★リンクテーブル★
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- 英
- zymogen
- 関
- 酵素前駆体、チモーゲン
[★]
チモーゲン
- 同
- zymogen
[★]
- 英
- zymogen granule (SP)
- 関
- 膵臓、チモーゲン
- 膵臓の腺房細胞においてみられ、濃縮した酵素を含む膜で包まれた空胞をチモーゲン顆粒という (SP.699)
- チモーゲン顆粒は腺房細胞の管腔細胞質に集合しており、分泌刺激が加わると開口分泌により放出される (SP.699)
[★]
- 商
- 桂芍知母湯エキス、酸棗仁湯エキス、滋陰至宝湯エキス、消風散エキス、辛夷清肺湯エキス、清肺湯エキス、白虎加人参湯エキス