会社名
バイオジェン
成分
薬効分類
他の中枢神経系用薬
薬効
多発性硬化症(MS)の再発予防及び身体的障害の進行抑制
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 多発性硬化症治療剤
- ヒト化抗ヒトα4インテグリンモノクローナル抗体製剤
販売名
タイサブリ点滴静注300mg
組成
成分・分量(有効成分)
- (1バイアル15mL中)ナタリズマブ(遺伝子組換え) 300mg
成分・分量(添加物)
- (1バイアル15mL中)リン酸二水素ナトリウム一水和物 17.0mg
成分・分量(添加物)
- (1バイアル15mL中)リン酸水素二ナトリウム七水和物 7.24mg
成分・分量(添加物)
- (1バイアル15mL中)塩化ナトリウム 123mg
成分・分量(添加物)
- (1バイアル15mL中)ポリソルベート80 3.00mg
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
進行性多巣性白質脳症(PML)の患者又はその既往歴のある患者
- 〔PMLが増悪又は再発するおそれがある〕[「警告」「重要な基本的注意」「重大な副作用」の項参照]
免疫不全患者又は免疫抑制剤の使用等により高度の免疫抑制状態にある患者
- 〔PMLを含む感染症が誘発されるおそれがある〕[「警告」「重要な基本的注意」「重大な副作用」の項参照]
重篤な感染症を合併している患者
- 〔感染症が増悪し致命的となるおそれがある〕[「警告」「重大な副作用」の項参照]
効能または効果
- 本剤は、他の多発性硬化症治療薬で十分な効果が得られない又は忍容性に問題があると考えられる場合、もしくは疾患活動性が高い場合にのみ使用すること。
- 進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
- 通常、成人にはナタリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを4週に1回1時間かけて点滴静注する。
- 本剤による治療は単剤で行い、他の多発性硬化症治療薬又は免疫抑制剤とは併用しないこと(急性増悪の治療を目的とした短期のステロイド剤の使用を除く)〔本剤の投与中及び投与中止後12週間は免疫系への相加的な抑制作用により、PMLを含む感染症が誘発されるおそれがある。なお、本剤に他の多発性硬化症治療薬又は免疫抑制剤を上乗せしたときの効果の増強は検討されていない〕。
慎重投与
抗JCウイルス(JCV)抗体陽性の患者
- 〔PMLの発症リスクが高いことが確認されている〕[「警告」「重要な基本的注意」「重大な副作用」の項参照]
感染症を合併している患者又は感染症が疑われる患者
- 〔感染症が増悪するおそれがある〕[「警告」「重大な副作用」の項参照]
易感染性の状態にある患者
- 〔感染症が誘発されるおそれがある〕[「警告」「重大な副作用」の項参照]
抗ナタリズマブ抗体陽性が持続的に認められる患者
- 〔本剤の有効性が減弱し、過敏症の発症リスクが高くなることが報告されている〕[「重要な基本的注意」の項参照]
本剤の短期間投与後に長期間投与を中断している患者
- 〔本剤の再投与時に過敏症の発症リスクが高くなることが報告されている〕[「重要な基本的注意」の項参照]
高齢者
重大な副作用
進行性多巣性白質脳症(PML)
(0.4%注1)
- PMLがあらわれることがあるので、本剤の投与期間中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等の症状があらわれた場合は、直ちに投与を中断し、MRIによる画像診断、脳脊髄液検査等によりPML発症の有無を確認するとともに血漿交換等の適切な処置を行うこと。また、本剤投与中止後又は血漿交換による本剤除去後は免疫再構築炎症反応症候群の発症に十分注意すること[「警告」「禁忌」「慎重投与」「重要な基本的注意」の項参照]。
感染症
(11.9%)
- 日和見感染症、ヘルペス感染を含む感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。海外市販後には、ヘルペス脳炎又は髄膜炎等があらわれ、死亡又は重度の障害に至った例が報告されている[「警告」「禁忌」「慎重投与」「重要な基本的注意」の項参照]。
過敏症
(3.6%)
- アナフィラキシー等の重篤な事象を含め、低血圧、高血圧、胸痛、胸部不快感、呼吸困難、発疹、蕁麻疹等の過敏症の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと[「禁忌」「慎重投与」「重要な基本的注意」「その他の副作用」の項参照]。
肝障害
(0.2%)
- 肝硬変、肝不全、脂肪肝、黄疸等の重篤な肝障害がまれにあらわれることがあるので、必要に応じて肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序4)
- 多発性硬化症の病巣は、Tリンパ球を含む活性化炎症細胞が血液脳関門を通過することにより形成されると考えられる。白血球の血液脳関門通過には、炎症細胞表面のα4β1インテグリンと血管内皮細胞表面のVCAM-1との相互作用が関与する。ナタリズマブは、ヒトインテグリンα4サブユニットに特異的に結合し、α4β1インテグリンとVCAM-1との相互作用を阻害することにより、炎症性組織への免疫細胞の動員を阻害して、多発性硬化症の病巣形成を阻止すると考えられる。また、ナタリズマブは、α4インテグリンを発現する白血球と細胞外マトリックス等との相互作用を阻害することにより、病巣で進行している炎症反応を抑制する可能性がある。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)5,6,7)
- モルモットの多発性硬化症動物モデルにおいて、ナタリズマブ又は親抗体を皮下又は心臓内投与したとき、臨床症状の発現遅延及び改善、MRI解析における浮腫及び炎症の減少並びに血液脳関門透過性の減少を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
- ナタリズマブ(遺伝子組換え)
Natalizumab(Genetical Recombination)(JAN)
本質
- ヒトα4インテグリンに対する遺伝子組換えモノクローナル抗体である。マウス骨髄腫(NS/0)細胞を用いて産生される450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2分子及び213個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2分子で構成される糖タンパク質である。
分子式
- C6486H9992N1720O2036S48(タンパク質部分、4本鎖)
分子量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- natalizumab
- 商
- タイサブリ
[★]
- 英
- (国名)Thailand, (魚)sea bream
- 関
- ゴウシュウマダイ、ヨーロッパヘダイ