- 英
- serendipity
- 関
- 新発見をする能力
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- good luck in making unexpected and fortunate discoveries
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- 思わぬ良い物を見つけ出すこと,掘出し物じょうず
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/27 00:04:27」(JST)
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この項目では、セレンディピティの定義について説明しています。
- 映画については「セレンディピティ (映画)」をご覧ください。
- 折笠富美子のアルバムについては「Serendipity (折笠富美子のアルバム)」をご覧ください。
- 渡辺美里のアルバムについては「Serendipity (渡辺美里のアルバム)」をご覧ください。
- 倉木麻衣の楽曲については「Serendipity (倉木麻衣の曲)」をご覧ください。
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「セレンディピティー」はこの項目へ転送されています。渡辺美里の楽曲については「渡辺美里#シングル」をご覧ください。 |
セレンディピティ(serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
目次
- 1 語の起源と意味
- 2 日本語訳
- 3 自然科学におけるセレンディピティ
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
語の起源と意味
「serendipity」という言葉は、イギリスの政治家にして小説家であるホレス・ウォルポール(ゴシック小説『オトラント城奇譚』の作者として知られる人物)が1754年に生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子(The Three Princes of Serendip)』という童話にちなんだものである(セレンディップとは現在のスリランカのことであるから、すなわち、題名は「スリランカの3人の王子」という意味である)。ウォルポールがこの言葉を初めて用いたのは、友人に宛てた書簡において、自分がしたちょっとした発見について説明しているくだりにおいてであり、その書簡の原文も知られている。
この私の発見は、私に言わせればまさに「セレンディピティ」です。このセレンディピティという言葉は、とても表現力に満ちた言葉です。この言葉を理解していただくには、へたに語の定義などするよりも、その物語を引用したほうがずっとよいでしょう。かつて私は『セレンディップの3人の王子』という童話を読んだことがあるのですが、そのお話において、王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、彼らがもともと探していなかった何かを発見するのです。たとえば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見します。なぜ分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためなのです。さあ、これで「セレンディピティ」がどのようなものか理解していただけたでしょう?
英英辞書では以下のように説明されている。
Definition of serendipity in English:noun
[MASS NOUN]
The occurrence and development of events by chance in a happy or beneficial way
- 'a fortunate stroke of serendipity'
[COUNT NOUN]
- 'a series of small serendipities'
— Oxford Dictionaries Language matters
日本語訳
日本語では、通常は音写の「セレンディピティ」「セレンディーピティー」等が用いられる。「偶察力」と訳される場合もあるが、確固とした訳語は定まっていない。精神科医の中井久夫は『徴候・記憶・外傷』(みすず書房2004年)で「徴候的知」と呼んでいる。
自然科学におけるセレンディピティ
セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取ることができれば成功に結びつくという、一種のサクセスストーリーとして、また科学的な大発見をより身近なものとして説明するためのエピソードの一つとして語られることが多い。酒井邦嘉[1]はペニシリン発見や田中耕一の例をあげ、フランスのルイ・パスツールの言葉(1854年のリール大学学長就任演説より)を紹介して、「構えのある心」(the prepared mind)がセレンディピティのポイントだという。
「観察の領域において、偶然は構えのある心にしか恵まれない」(Dans les champs de l'observation le hasard ne favorise que les esprits préparés.)
セレンディピティが見出せる代表例
- ハンス・クリスティアン・エルステッドによる、電流と磁気の関係の発見(1820年)
- チャールズ・グッドイヤーによる、ゴムへの加硫の発見(1839年)
- アルフレッド・ノーベルによる、ダイナマイトの発明(1866年)
- クリップの発明(1890年代)
- ヴィルヘルム・レントゲンによる、X線の発見(1895年)
- ピエール・キュリー、マリ・キュリー夫妻による、ラジウムの発見(1898年)
- ポロニウムを抽出した閃ウラン鉱の残渣の方が電離作用が強いため、更に調べたところ見つかった。
- ハンス・フォン・ペヒマン(en)による、ポリエチレンの発見(1898年)
- アレクサンダー・フレミングによる、リゾチームとペニシリンの発見(1922年と1928年)
- フレミングが培養実験の際に誤って、雑菌であるアオカビを混入(コンタミネーション)させたことが、のちに世界中の人々を感染症から救うことになる抗生物質発見のきっかけになった。
- アルバート・ホフマンによる、LSDの幻覚作用の発見(1938年)
- ロイ・プランケットによる、テフロンの発見(1938年)
- パーシー・スペンサーによる、電子レンジの発明(1940年代)
- ウィリアム・ショックレーらによる、トランジスタの発明(1947年)
- ジョルジュ・デ・メストラルによる、マジックテープの発明(1950年頃)
- 江崎玲於奈らによる、トンネルダイオード、トンネル効果の発見(1950年代)
- アーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによる、宇宙背景放射の発見(1964 - 1965年)
- アントニー・ヒューイッシュとジョスリン・ベル・バーネルによる、パルサーの発見(1967年)
- 核実験監視衛星ヴェラによるガンマ線バーストの発見(1967年)
- スペンサー・シルバー(en)、アーサー・フライ(en)による、付箋(ポストイット・メモ)の発明(1969年)
- 液晶ディスプレイの交流駆動方式の発明(1971年)
- ルイス・アルヴァレズ、ウォルター・アルヴァレズ、フランク・アサロ(en)、ヘレン・マイケル(en)による、恐竜滅亡の小惑星衝突原因仮説(1980年)
- ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールによる、フラーレン(C60)の発見(1985年)
- 田中耕一による、高分子質量分析法(MALDI法)の発見(1980年代)
- 飯島澄男による、カーボンナノチューブの発見(1991年)
- 安全ガラスの発明
- 白川英樹らによる、導電性高分子の発見
- キチンの開発
- 皮を剥がされたウサギにキチンをかぶせたところ、因幡の白兎のように再生した。
脚注
- ^ 酒井邦嘉『科学者という仕事』(中公新書pp.126-128)
参考文献
- 外山滋比古『思考の整理学』筑摩書房,ちくま文庫 1986年 - 「セレンディピティ」が章のタイトルになっている。
- R.M.ロバーツ著安藤喬志訳 『セレンディピティー 思いがけない発見・発明のドラマ』化学同人 1993年 ISBN 4759802495
- 沢泉重一 『偶然からモノを見つけだす能力』「セレンディピティ」の活かし方 角川書店 2002年
- 日野原重明 『「幸福な偶然」(セレンディピティ)をつかまえる』 光文社 2005年
- 宮永博史 『成功者の絶対法則 セレンディピティ』 祥伝社 2006年 ISBN 4396681127
- 澤泉重一・片井修『セレンディピティの探求』角川学芸出版 2007年
- モートン・マイヤーズ『セレンディピティと近代医学』中央公論新社 2010年
関連項目
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ウィクショナリーにen:serendipityの項目があります。 |
- シンクロニシティ
- アナロジー
- 能力 - 才能 - セレンディピティ - 発見 - 発明 - 開発
- オカルト
外部リンク
- Polymers & Serendipity: 事例 :レーヨン、ナイロン、その他化学分野における事例。
- セレンディピティの構造研究 : セレンディピティにおける偶然と必然の相互作用に関する研究論文
- Max : A software agent built to induce serendipity.
- Social Serendipity :MIT メディアラボ 携帯電話を使用した社会的セレンディピティ。
- The Three Princes of Serendip :物語。
- Serendip : a website continually evolving using the principles of serendipity.
- Serendip :オランダ/ベルギーのインターネット検索競争。
- Serendipity Blog :オープンソースブログスクリプト。
- Serendipity and the Internet : from Bill Thompson at the BBC.
- Accidental discoveries. : PBS.
- Serendipity of Science : a BBC 4 Radio series by Simon Singh.
- Top Ten: Accidental discoveries. ディスカバリーチャンネル
- 一般社団法人日本セレンディピティ協会 : 一般社団法人日本セレンディピティ協会
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- 「全国47都道府県メディア接触分析」から見る「生活者×エリア」のセレンディピティ
- ドクターの肖像(187)直江知樹 独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 院長 "セレンディピティ"が降臨 白血病の根源を追求した研究臨床家
- 挑戦する経営者(第142回)interview 診断士の支援で経営危機を突破 セレンディピティ企業を目指す経営者 株式会社麻布タマヤ 代表取締役社長 志賀律子(しがりつこ)さん
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