- 英
- colloid
- 同
- コロイド溶液
WordNet
- a mixture with properties between those of a solution and fine suspension
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- にわか質の,ころいど性の / コロイド,膠(こう)質
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/26 23:40:49」(JST)
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チンダル現象の一例 気体の中に水滴が分散したコロイドであるもやでもチンダル現象が起こる
コロイド (英語: colloid) またはコロイド分散体 (colloidal dispersion) は、一方が微小な液滴あるいは微粒子を形成し(分散相)、他方に分散した2組の相から構成された物質状態である。膠質(こうしつ)と呼ぶこともある。
概要[編集]
コロイドは分散系に一般的な性質を示す。例えばコロイドはチンダル現象により発色したり光を散乱したりする。記事分散系に詳しい。
特に分散媒が液体の場合はコロイド溶液(英語: colloidal solution)とも呼ばれる。具体的にはフォーム、エマルション、ゲル、サスペンジョンなどがこれに含まれる。
このように永続的な2つの相から形成されるコロイドは相コロイド(phase colloid)とも呼ばれ、巨大分子自身が分散相となり、他の相の分散媒(dispersion medium)に永続的に分散している状態の分子コロイド(molecular colloid)と対比して使用される。一般的な物では、バター、牛乳、クリーム、霧、スモッグ、煙、アスファルト、インク、塗料、のりそして海の泡などがコロイドである。この分野は1861年にスコットランドの化学者トマス・グラハム(Thomas Graham)により創始され、コロイド化学と呼ばれる。今日では界面化学として発展している。
一般に、分散質コロイド粒子は、表面張力と同義の、分子間力の総和にあたる粒子間ファンデルワールス力引力を普遍的に有する。一方、分散質粒子の表面には組成と溶媒の極性差による電位差が存在し、その表面電位と逆符号の対イオンによる拡散電気二重層が形成される。同種の粒子には同種の対イオン二重層を有するため、粒子が接近すると二重層が重なり合い、イオン拡散に由来するエントロピー効果によって浸透圧斥力が生じ、粒子の凝集が妨げられ分散系は安定化する(DLVO理論)。DLVO理論によると、分散系にイオン性物質を加えた場合、バルク溶媒のイオン濃度が上昇するため相対的に電気二重層のイオン濃度が低下し(バルク溶媒と近くなり)、結果として浸透圧 (斥力) が弱まり、粒子間ファンデルワールス力による凝集力が優位に発現する。その結果生じる凝集物を凝固物(coagulation)とも呼ぶ。一般に、コロイド分散系の安定性は温度を上げると増す。浸透圧の定義より明らかであるが、高温になればイオンや溶媒の分子運動が激しくなり、電気二重層の幅や電位差が増すことで斥力項が増大するためである。
なお、水を分散媒とする分散コロイドの区分で、電解質の投入により沈殿しやすいものを疎水コロイド、沈殿しにくいものを親水コロイドと呼び分ける場合がある。親水コロイドの場合、疎水コロイド同様に表面電荷を持つとともに、水和(溶媒和)により多数の水分子が配位しており、その立体斥力によってさらに強く反発し安定化している。また、親水コロイドの中には疎水コロイドを取り囲んで凝析を防ぐものがあり、この様な状態のコロイドを保護コロイドと呼ぶ。保護コロイドは、表面にたんぱく質等が吸着し、表面電位が変化し安定化している場合もある。
1900年代の初期、酵素学が確立する以前には、コロイドが酵素作用の鍵であるとみなされたことがあった。すなわち、大量の水系のなかに酵素はほんのわずか存在するだけで特性を変えるところが、コロイドと似ているとされたのである。それも、ATP分解酵素はATPのみを分解するといった酵素の基質特異性が発見されると否定されることになる。さらに、生命自身もコロイドが凝集することで細胞組織が生成したと説明することも可能である。このような生命の起源については生物学や生化学に詳しい。もちろん今日では(酵素作用)のコロイド説は巨大分子論(たんぱく質説)に取って代わられ、単純な動作のみを持つが、水分子の中を自由に動き回って適合する基質に作用する数多くの種類の巨大分子の集団で、謎めいた要素はなくむしろ色々な機械がそろった工場のように酵素は説明されている。色々な溶質が存在することに起因して浸透性が変化するという、溶媒である水の特性は他に代用できるものは見出し難い。
保護コロイド[編集]
関連項目[編集]
- 懸濁液 - 泥 - 土 - 粘土 - 凝析 - 三角州
- ブラウン運動
- チンダル現象
物質の状態 |
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低温 |
ボース=アインシュタイン凝縮 · フェルミ凝縮 · 量子ホール · リュードベリー状態 · ストレンジ物質 · 超流動 · 超固体
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高エネルギー |
フェルミ縮退 · クォーク物質 · クォークグルーオンプラズマ · 超臨界流体
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その他 |
コロイド · 結晶 · 液晶 · アモルファス(ガラス · ゴム状態) · 準結晶 · 柔粘性結晶 · 磁気秩序 (反強磁性、フェリ磁性、強磁性) · String-net liquid · 超ガラス
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転移 |
沸点 · 臨界線 · 臨界点 · 凝結 · 蒸発 · フラッシュ蒸発 · ラムダ点 · 融点 · 復氷 · 飽和流体 · 昇華 · 三重点
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量 |
融解熱 · 昇華熱 · 蒸発熱 · 潜熱 · 潜在内部エネルギー · トルートン定数 · トルートン比 · 揮発性
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概念 |
バイノーダル · 圧縮流体 · 冷却曲線 · 状態方程式 · ライデンフロスト効果 · ムペンバ効果 · 長距離秩序 · スピノーダル · 超電導 · 過冷却 · 過熱蒸気 · 過熱 · 熱誘電体効果
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- フィブリン糊の胸膜癒着効果, 臓側胸膜肥厚に関する実験的検討
- 宮路 博子,神崎 正人,宮本 有正,大貫 恭正
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(1), 13-20, 2011-01-15
- … 用いた化学的胸膜癒着効果,臓側胸膜の変化をラットで検討した.胸膜癒着モデルは,FGに加え,OK432,プラチナナノコロイド,ポリグリコール酸ポリマーを胸腔内に用いた.FGによるOK432の徐放効果モデルも作製した.胸膜癒着モデルの再開胸時,FG+OK432,FG+プラチナナノコロイドでは,胸腔内に癒着は認めなかった.FGによるOK432の徐放効果は,OK432単独投与による胸膜直下の炎症性細胞浸潤は1週 …
- NAID 10027421576
- 非平衡ソフトマター(第55回物性若手夏の学校(2010年度),講義ノート)
- 太田 隆夫
- 物性研究 95(4・5), 348-372, 2011-01-05
- … ソフトマターという言葉は約20年前に、高分子、液晶、ゲル、コロイドなどの総称として導入された。 …
- NAID 110008143600
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ムコロイド点眼液 1%
組成
有効成分
分量 (1mL中)
添加物
- クロロブタノール、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、酢酸ナトリウム水和物、等張化剤
効能または効果
- 角膜表層の保護
- 通常、1日2〜4回、1回1〜2滴宛点眼する。
薬効薬理
〈生物学的同等性試験
家兎実験的角膜上皮創傷に対する効果1)
- ムコロイド点眼液1%及び3%は家兎実験的角膜上皮創傷モデルにおいて、指標とした欠損面積の残存率が対照と比較して有意に減少し、創傷治癒促進効果が認められた。同様に標準製剤も欠損面積の残存率が対照と比較して有意に減少した。ムコロイド点眼液1%及び3%とそれぞれの標準製剤の残存率に有意差は認められず、生物学的に同等であると判断された。(t検定)
〔ムコロイド点眼液3%の結果〕
家兎の実験的角膜上皮創傷に対する効果
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
Sodium Chondroitin Sulfate
性状:
- コンドロイチン硫酸エステルナトリウムは、白色〜微黄褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおい及び味がある。水に溶けやすく、エタノール (95)、アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液 (1→100) のpHは5.5〜7.5である。吸湿性である。
構造式:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- sol
- 同
- コロイド溶液 colloidal solution
- 関
- ポリメチルメタクリレート polymethyl methacrylate、コロイド
[★]
- 英
- colloides、colloidal、mucinous
- 関
- 膠質、コロイド、粘液性、コロイド性、粘液状
[★]
- 英
- colloidal solution
- 同
- コロイド?
- 関
- 膠質溶液 コロイド溶液
[★]
- 英
- hydrophobic colloid, lyophobic colloid
- 同
- 疎水膠質
- 関
- コロイド
[★]
- 英
- Schulze-Hardy law
- 関
- 疎水コロイド、コロイド
[★]
- 英
- coacervation
- 関
- コアセルベーション
[★]
- 英
- colloidal gold
- 関
- 金コロイド
[★]
- 英
- koro
- ここではかわいい犬の名前ではない。
- 原語はおそらくマレーシアのものであり,陰茎(ないし女性の場合は外陰と乳頭)が身体の中に陥入しそして死んでしまうのではないかという不安が突然激しく生じる症状を指す用語である。この症候群は南アジア,東アジアで報告されており,そこではさまざまな現地語の用語が用いられている。例えばshuk yang,shook yong,suo yang(中国),jininia bemar(アッサム),rok-joo(タイ)などである。また時に西欧でもみられる。コロは東アジアでは,時に局地的な伝染病の形態で生じる。中国の精神疾患分類第2版(Chinese classication of Mental disorders:CCMD-2)にも,この診断は含まれている。(Kaplan p578より)