酸化マグネシウム、ジサイクロミン、水酸化アルミニウム
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Japanese Journal
- 内視鏡による十二指腸潰瘍の治療経過の観察--コランチル顆粒の使用経験
- コランチル顆粒内服による胃潰瘍治癒過程の内視鏡的検討
- 胃潰瘍および十二指腸潰瘍に対するコランチル大量投与による治療効果
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1g中):
- ジサイクロミン塩酸塩5mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル400mg
酸化マグネシウム200mg
添加物:
- ヒドロキシプロピルセルロース,白糖,トウモロコシデンプン,ステアリン酸,含水二酸化ケイ素
禁忌
緑内障の患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により眼圧が亢進し,症状を悪化させるおそれがある。]
前立腺肥大による排尿障害のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を悪化させるおそれがある。]
重篤な心疾患のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により心悸亢進,頻脈等を起こし,症状を悪化させるおそれがある。]
麻痺性イレウスの患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により腸閉塞状態が強められ,症状を悪化させるおそれがある。]
透析療法を受けている患者[長期投与によりアルミニウム脳症,アルミニウム骨症,貧血等があらわれることがある。]
効能または効果
- 下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃炎
*通常,成人には1回1〜2gを1日3〜4回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
参考:
症状が起こりやすい時間に合わせて食後又は食間に(必要なら更に就寝前にも)経口投与する。
慎重投与
前立腺肥大のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を起こすおそれがある。]
甲状腺機能亢進症の患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により甲状腺機能亢進症に伴う心悸亢進,頻脈等を悪化させるおそれがある。]
潰瘍性大腸炎の患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により中毒性巨大結腸があらわれることがある。]
腎障害のある患者[長期投与によりアルミニウム脳症,アルミニウム骨症,貧血等があらわれるおそれがあるので,定期的に血中アルミニウム,リン,カルシウム,アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。]
心機能障害(うっ血性心不全,不整脈等)のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩は心悸亢進,頻脈等を,また,酸化マグネシウムは徐脈を起こし,症状を悪化させるおそれがある。]
下痢のある患者[本剤中の酸化マグネシウムは下痢を助長するおそれがある。]
高マグネシウム血症の患者[本剤中の酸化マグネシウムは高マグネシウム血症を悪化させるおそれがある。]
リン酸塩の欠乏している患者[本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルはリン酸塩の吸収を阻害するおそれがある。]
高温環境にある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により発汗が抑制されるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
アルミニウム脳症,アルミニウム骨症,貧血(頻度不明):本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルの長期投与によりアルミニウム脳症,アルミニウム骨症,貧血等があらわれるおそれがあるので,慎重に投与すること。
薬効薬理
薬理作用
鎮痙作用
- ジサイクロミン塩酸塩は,消化管の副交感神経末梢を遮断して平滑筋を弛緩させるアトロピン様作用と,平滑筋に直接作用して弛緩させるパパベリン様作用との二重の鎮痙作用を有する 4),5)。
- 表2 各種鎮痙剤の作用比較参照
制酸作用
- 酸化マグネシウムの制酸反応は速やかであり,他方,乾燥水酸化アルミニウムゲルの制酸作用は持続時間が長い 6)。
フックスの変法(in vitroで制酸剤の中和反応速度,作用時間を測定する方法)による制酸力
- 本剤は0.1mol/L塩酸溶液中で速やかに反応し,pH7.0〜8.0の高いpHまで急速に上昇する。以後は下降し,pH4.0付近を持続する。これは初期に酸化マグネシウムが反応して高いpH部分が得られ,pHが下降して4.0以下になると乾燥水酸化アルミニウムゲルが反応してpH4.0付近を保つためと考えられる。pH3.0以上の持続時間(min)は94.8±0.8(n=5,mean±S.D.)である 2)。
塩酸消費量
- 本剤1gは0.1mol/L塩酸200mL以上を中和する制酸力を有する。
作用機序
- ジサイクロミン塩酸塩は胃の攣縮を緩解し,また,塩酸分泌を抑制する。制酸剤は直接の胃酸中和作用とpHの変化に基づくペプシン活性の抑制,胃粘膜被覆作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
1.
- 一般的名称:
ジサイクロミン塩酸塩(JAN)[局外規]
Dicyclomine Hydrochloride
- 化学名:
2-(Diethylamino)ethyl[bicyclohexyl]-1-carboxylate hydrochloride
- 分子式:
C19H35NO2・HCl
- 分子量:
345.95
- 化学構造式:
- 性状:
白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。
水,メタノール,酢酸(100),エタノール(99.5)又はクロロホルムに溶けやすく,無水酢酸にやや溶けやすく,ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
水溶液(1→100)のpHは5.0〜5.5 である。
- 融点:
170〜175 ℃
2.
- 一般的名称:
乾燥水酸化アルミニウムゲル(JAN)[日局]
Dried Aluminum Hydroxide Gel
- 性状:
白色の無晶性の粉末で,におい及び味はない。
水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に大部分溶ける。
3.
- 一般的名称:
酸化マグネシウム(JAN)[日局]
Magnesium Oxide
- 化学名:
Magnesium Oxide
- 分子式:
MgO
- 分子量:
40.30
- 性状:
白色の粉末又は粒で,においはない。
水,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。
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