- 英
- clenbuterol
- 化
- クレンブテロール塩酸塩 塩酸クレンブテロール clenbuterol hydrochloride
- 商
- スピロペント、トニール
- 関
- 気管支拡張剤
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/02 21:31:56」(JST)
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クレンブテロール
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-1-(4-amino-3,5-dichloro-phenyl)-
2-(tert-butylamino)ethanol
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
oral |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
89-98% orally |
代謝 |
? |
半減期 |
36-39 hours |
排泄 |
? |
識別 |
CAS番号 |
37148-27-9 |
ATCコード |
R03AC14 R03CC13 |
PubChem |
CID: 2783 |
ChemSpider |
2681 |
KEGG |
D07713 |
化学的データ |
化学式 |
C12H18Cl2N2O |
分子量 |
277.19 |
クレンブテロール(英: clenbuterol)とは呼吸障害の際に充血除去剤や気管支拡張剤として処方される薬物。クレンブテロールは喘息のような慢性呼吸障害を持つヒトに対して呼吸を楽にする目的で使用される。クレンブテロールは一般に塩酸クレンブテロールの形で使用される。
目次
- 1 飼料への添加と中毒事件
- 2 ドーピング
- 3 出典
- 4 外部リンク
飼料への添加と中毒事件
1980年代にクレンブテロールおよびその塩酸塩に成長促進作用があり、また食肉の赤身を増やす効果があることが分かり、畜産業界で、飼料に混ぜることが行われた。しかし、人体への副作用も大きいため、EUは1988年に、アメリカ合衆国は1991年に、中国は1997年に餌への添加を禁止した。しかし、中国ではいまだに豚の餌に違法にクレンブテロール塩酸塩を配合している例があり、中国国内ではたびたび中毒事件が発生している[1]。このため、厚生労働省は中国産豚肉と加工品について、輸入時に検査命令を出しており、実際にランチョンミートなどから検出されて、廃棄や積戻し命令が出される例がある。
ドーピング
クレンブテロールは、筋肉増強剤としての効果が見込まれているため、各スポーツ競技においてドーピングに用いられないよう検査対象薬物にされていることが多い。ただし、本人の意思に反して、食事からクレンブテロールを摂取してしまい、表面化する例も存在する。世界アンチ・ドーピング機関では、2011年、中国とメキシコを訪問する場合は細心の注意を払うよう警告している[2]。
表面化した事例
- 2010年6月、ドイツ卓球協会は、毛髪からクレンブテロールが検出された所属選手1名を2年間の出場停止処分とした。同選手は、遠征先の中国蘇州市内のホテルで食べた豚肉に薬物が残留していたとして協会に抗議した結果、同年8月、「食事に由来する誤摂取」と判断され処分を解除されている[3]。
- 2010年7月のツール・ド・フランスの際に行われた検査で、自転車ロードレース選手のアルベルト・コンタドール(スペイン)の検体から禁止薬物のクレンブテロールが検出された。同大会では3度目の総合優勝を果たしたが、成績は抹消された。[4]
- 2011年6月9日、CONCACAFゴールドカップに出場したメキシコ代表選手5名は、薬物検査でクレンブテロールの陽性反応が出たため出場停止処分となった。この事例においては、選手の食事にクレンブテロールを用いて飼育された牛肉か鶏肉が用いられたのではないかとの指摘も存在する[5]。
出典
- ^ 規制後も止まない肉赤身化剤の使用 日経BP
- ^ “自転車=薬物陽性のロジャース、「中国での食事が原因」”. ロイター (ロイター通信). (2013年12月21日). http://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPTYE9BK01K20131221 2013年12月21日閲覧。
- ^ 「中国の豚肉、2度と食べない」…残留成分でドイツ選手が出場禁止(サーチナ)2010年10月27日
- ^ コンタドールは2年停止=CASがドーピング認定-自転車(時事2012/02/06-23:32)
- ^ サッカーメキシコ代表5選手が薬物違反、キャンプの食事が原因か(AFP.BB.NEWS)2011年6月10日
外部リンク
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Japanese Journal
- β-アドレナリン受容体とその転写後調節因子のmRNA発現に及ぼすβ2-アゴニスト・クレンブテロールの影響
- 佐藤 章悟,谷端 淳,河野 風雲,立屋敷 かおる,今泉 和彦,Sato Shogo,Tanihata Jun,Kawano Fuuun,Tachiyashiki Kaoru,Imaizumi Kazuhiko
- 人間科学研究 22(1), 48-48, 2009-05-25
- NAID 120002274014
- 683. クレンブテロール投与による初老ラットの骨格筋への影響(薬物・ドーピング,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
Related Links
- 《最終更新日:平成21年 6月24日》 《作 成 日:平成21年 6月23日》 クレンブテロールの概要について 1.用途等 クレンブテロールはβ2 作動薬で、平滑筋の弛緩作用があることから、動 物用医薬品としては気管支拡張作用による馬用の ...
- クレンブテロールとは。効果、副作用、使用上の注意。 気管支筋の緊張をやわらげて気管支の内腔(ないくう)を広げ、空気の通りをよくする作用(薬によっては鼻粘膜を収縮する作用)があり、喘鳴(ぜんめい)(呼吸するたびにのどが ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トニール錠10μg
禁忌
- 下部尿路が閉塞している患者
[下部尿路の閉塞を増悪させるおそれがある。]
- 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎
- 通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μg(本剤2錠)を1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。頓用として、通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μg(本剤2錠)を経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
5歳以上の小児には、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。頓用として、5歳以上の小児には通常、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の頓用を反復しなければならない場合には、早急に医師の指示を受けさせること。
腹圧性尿失禁
- 通常、成人には1回クレンブテロール塩酸塩として20μg(本剤2錠)を1日2回、朝及び夕に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、60μg/日を上限とする。
慎重投与
- 甲状腺機能亢進症の患者
[症状が増悪するおそれがある。]
- 高血圧症の患者
[血圧が上昇することがある。]
- 心疾患のある患者
[動悸、不整脈等があらわれることがある。]
- 糖尿病の患者
[症状が増悪するおそれがある。]
- 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
(外国症例)
- 外国において、β2−刺激剤により重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2−刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤、及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
薬効薬理
- クレンブテロール塩酸塩は、β2受容体刺激薬の第三世代に属し、持続性の気管支拡張作用を示す。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クレンブテロール塩酸塩
(clenbuterol hydrochloride)
化学名
- (±)-1-(4-amino-3, 5-dichlorophenyl)-2-(tert-butylamino)ethanol hydrochloride
分子式
分子量
性 状
- 白色〜微黄色の結晶性の粉末で、においはない。
メタノールに溶けやすく、水、エタノール(99.5)又は酢酸(100)にやや溶けやすく、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム又は1, 4-ジオキサンに溶けにくく、トルエンに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液(1→20)は旋光性がない。
融 点
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クレンブテロール
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