出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/31 21:31:31」(JST)
エラブウミヘビ | |||||||||||||||||||||||||||
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エラブウミヘビ Laticauda semifasciata
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧II類(環境省レッドリスト) |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Laticauda semifasciata (Reinwardt, 1837) |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
エラブウミヘビ エラブウナギ |
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英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Erabu black-banded sea krait |
エラブウミヘビ(永良部海蛇、Laticauda semifasciata)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目コブラ科エラブウミヘビ属に分類されるヘビ。有毒の特定動物ではあるが、人に危害を与えることはほとんどない。
インド洋、東南アジア、オーストラリア北部から、フィリピン、台湾を経て日本の南西諸島沿岸域[1]。最も寒い時期の海水表面温度が約19℃以上の海域が分布域とされる。
本種は本来、南西諸島を分布の北限としていたが、近年では、九州や四国、本州の南岸でも生息が確認されている。これは地球の温暖化が影響していると見られている。まれに、海流に乗り本来の生息海域よりも高緯度の海域で捕獲されることもあり、1920年代に日本海で捕獲された記録も残っている。
全長70-150cm[1]。胴体の断面は円形だが、尾は側偏し鰭状になり、先端が丸い[1]。体色は青く、幼少の頃は鮮やかな色をしているが、成長に伴い褐色味を帯びる[2]。背面には黒い横帯が入り、腹面では横帯は不鮮明になる。横帯は成長に伴い不鮮明になる。大型の個体では横帯が殆ど消えてしまい確認できなくなることもある[2]。腹板の幅が広い為、陸上でも活動できる[1]。
身体は雌の方が大きく、尾は雄の方が長くなる傾向にある[1]。
また、本種は、東南アジアに生息するベニヘビ属が海生に適応した種であると言われている。
昼夜共に活動するが[1]、昼間は海岸の岩場の隙間などで休んでいることが多く、活動時間はほぼ夜間である[2]。休息の為に洞穴に上陸することもある[1]。
ベラ、スズメダイ、ギンポなどを主食とする他、甲殻類を捕食することもある[1]。
乱獲、環境変化などによって、近年では個体数が減少傾向にある[1]。
本種の毒はエラブトキシンと呼ばれる神経毒の一種[1]で、その毒はハブの70-80倍の強さと言われる。しかし、本種の性質は非常に大人しく口も小さいため、噛まれる可能性は少ないが、捉えようとすると噛んでくることも考えられるので、無闇に触ったり近付いたりしない方がよい。沖縄では燻製のための食材として捕獲する折、素手で捕獲されることが多い[1][2]が、毒性は強く、噛まれれば最悪の場合死亡する危険性もある[1]。
繁殖形態は卵生。海岸の岩場の陰などに、一度に3-8個の卵を産む。卵は150日程で孵化する。一説には、交尾も陸上で行うとも言われる。このように、本種の生活環には、陸上での行動が多く含まれるため、他のウミヘビに比べると、ずっと後になって海で生活するようになったと考えられている。産卵期には大量の個体が一箇所に密集して上陸している姿も確認されている[1]。
上記の様に非常に大人しい性質であり、他のウミヘビと比べると素手で捕まえる事も比較的容易である。川口浩探検隊シリーズの1984年4月に放送された『恐怖の蛇島編』では隊員たちが海に潜って大量の海蛇を捕獲していた。沖縄や奄美地方では「イラブー」と呼ばれて古くから食用に捕獲され、琉球料理の貴重な食材として珍重されていた[1][2]。燻製や干物に加工した食品からイラブー汁を作り、泡盛に一匹丸ごとつけた『イラブー酒』は特産品として土産物店等で販売されている。
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