- 英
- Amadori rearrangement
- 関
- Amadori転位
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/30 12:05:40」(JST)
[Wiki ja表示]
アマドリ転位(アマドリてんい、Amadori rearrangement)とは、有機化学における転位反応のひとつで、アルドースのグリコシルアミン(N-グリコシド)が、酸を触媒として 1-アミノ-1-デオキシケトース へ変わる反応[1][2]。糖の合成化学の中で重要な反応である。
反応[編集]
D-マンノースのグリコシルアミン 1 を基質とするアマドリ転位について反応機構を説明すると、まず 1 の開環型のイミン(シッフ塩基)にプロトンが付加してカチオン 2(3 と共鳴)となったところで、2位の炭素からプロトンが脱離してエノール型の 4 となる。4 は互変異性により 1-アミノ-1-デオキシケトース 5 を与える[3]。
マンノースのグリコシルアミンは、マンノースとアンモニアとの作用で得られる。
メイラード反応と呼ばれる還元糖とアミノ化合物との反応の中にはアマドリ転位の段階が含まれる。
アマドリ化合物[編集]
タンパク質の糖化により糖化最終産物(終末糖化産物、AGEs)が生じる過程で、「アマドリ化合物」(アマドリ転位生成物、前期生成物)を経由する。
- グルコースのアルデヒド基がタンパク質のリシン残基とイミンを作って結合する。
- このイミンからアマドリ転位が起こり、水素原子が転位したケトン、すなわちアマドリ化合物に変わる。
- アマドリ化合物が遷移金属などを触媒として酸化を受け、AGEs が生じる。
このうち、アマドリ転位までは可逆反応であるが、その後の段階は不可逆となる。
脚注[編集]
- ^ W. Amadori, Atti Accad. Naz. Lincei, 1925, 2, 337; 1929, 9, 226; 1931, 13, 72.
- ^ Kurti, L.; Czako, B., Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis (Paperback), Elsevier Academic Press, Amsterdam, 2005. ISBN 0-12-429785-4
- ^ Isbell, H. S.; Frush, H. L. "Mutarotation, Hydrolysis, and Rearrangement Reactions of Glycosylamines" J. Org. Chem. 1958, 23, 1309-1319. doi:10.1021/jo01103a019
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- Oxidative Degradation in vitro of a Receptor Lipopolysaccharide for Bacteriophage φX174, by Low-molecular-weight Amadori Rearrangement Product
- Zu Jian,Kato Muneharu,Nishikawa Shiro,Kashimura Naoki,祖 建,加藤 宗春,西川 司朗,柏村 直樹
- 三重大学生物資源学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Bioresources, Mie University 18, 47-56, 1997-08-10
- … ,低分子アマドリ転位化合物によるリポ多糖(LPS)の酸化損傷反応を検討した.大腸菌C株から得られたバクテリオファージφⅩ174のレセプターとしての生理活性を有するLPSは,プラーク検定法で,その in vitro でのファージ不活化活性を調べたところ,温度37℃で,アマドリ化合物による6hの処理で,LPSのファージ不活化活性が失われることが認められた.また,この反応はアマドリ転位化合物の …
- NAID 120000949267
- アマドリ転位化合物によるバクテリオファージφX174レセプター活性を有するリポ多糖(LPS)の酸化的損傷反応
- アマドリ転位物の自動酸化に関する研究第10報、内皮細胞接着分子発現に及ぼす糖化タンパク質の影響 : 食品
- 柏村 直樹,野間 誠司,北川 優,土井田 貴子,出口 修平,辻 淳一,福井 将人,稲垣 穣,西川 司郎
- 日本農藝化學會誌 70(臨時増刊), 7, 1996-03-05
- NAID 110002795068
Related Links
- アマドリ転位(Amadori Rearrangement)とは シッフ塩基から安定なアマドリ化合物になる過程において、ケトースの誘導体に変換されることを意味する。 アマドリ化合物はアマドリ転位によって生成するため、アマドリ転位化合物とも ...
- アマドリ転位(アマドリてんい、Amadori rearrangement)とは、有機化学における転位反応のひとつで、アルドースのグリコシルアミン(N-グリコシド)が、酸を触媒として 1-アミノ-1-デオキシケトース へ変わる反応 [1] [2]。糖の合成化学の ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Amadori rearrangement
- 関
- アマドリ転位
[★]
[★]
DNAの転移
- 英
- translocation, transposition
骨の転位
- 英
- dislocation
[★]
- 英
- flax、Linum usitatissimum
- 関
- 亜麻、亜麻仁、アマ属