出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/23 20:21:50」(JST)
有爪動物門 | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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綱 | ||||||||||||
絶滅種については本文を参照 |
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有爪動物の分布
緑がペリパツス科、青がペリパトプシス科を示す。 |
有爪動物(ゆうそうどうぶつ)は、動物の一種で、有爪動物門 (Onychophora) を形成する。
現生の動物ではカギムシ目 (Euonychophora) だけしかなく、南半球の森の落ち葉の下に棲んでいるカギムシ類のみが知られている。
細長くて柔らかい動物である。全身は赤褐色、黒、緑など様々だが、黒紫色のものが多いらしい。発見当初はナメクジの1種として記載された。
体は細長く、やや腹背に扁平、背面は盛り上がり、腹面は平らになっている。全身がビロード状の柔らかい皮膚に覆われる。頭部には1対の触角があり、その基部には眼がある。頭部の下面には口があって、その側面に1対の付属肢がある。
頭部以降の胴体には、対を成す付属肢が並ぶ。付属肢は円錐形に突出し、先端には鈎爪がある。腹部末端に肛門がある。生殖孔は最後の附属肢の間の腹面中央か、もう一つ前の附属肢の間に開く。
呼吸は気管によって行われる。体表のあちこちに気門が開き、その内部にはフラスコ型の気管嚢がある。気管はここから2-3本が体の内部へと伸び、それらは互いに癒合することがない。
カギムシは雌雄異体で、体内受精によって生殖する。雄は精包を雌の体表に貼り付け、精子はその皮膚を貫いて雌の体に侵入し、卵を受精させる。卵を産み出す場合と、体内で孵化するものがある。また、一部の種では胎盤が形成される胎生を行う。
熱帯多雨林の地表や朽ち木の中などに生息する。肉食性で、小型の昆虫等を捕食する。餌をとるときは口のそばにある粘液腺から白い糸のように見える粘液を噴出し、これを獲物に引っかけて動けなくする。場合によっては30cmほども飛ぶ。この粘液は防御のためにも使われる。
触角や付属肢の配置等は節足動物のそれにほぼ一致する。体内の構造にも腎管の配置などに体節制を感じさせるものがある。しかし、見掛け上も内部構造にも体節が存在せず、付属肢も関節が無い。節足動物に似た点が多いもののこのような点で異なることから、緩歩動物、舌形動物(五口動物)と併せて側節足動物という群にまとめられることもある。
環形動物の多毛類に似ている点として、付属肢が疣足状であること、平滑筋であること、生殖輸管や腎管に繊毛があることなどが挙げられる。かつては節足動物が環形動物から進化したと考えられたため、この両者をつなぐ位置にあるものと考えられたこともある。
バージェス動物群の一つであるハルキゲニア (Hallucigenia)やアイシュアイア (Aysheaia)は、この有爪動物門に属するものと考えられる。バージェス頁岩だけでなく、中国などのカンブリア紀の地層からも類似の動物化石が見つかっている。節足動物と類縁の原始的な動物門と考えられている。
ハルキゲニアやアイシュアイアは海に生息していたが、現生種では海中に生息しているものは1種も存在しない。
ウィキスピーシーズに有爪動物門に関する情報があります。 |
現生種はすべてカギムシ目に属し、ペリパツス科とペリパトプシス科に分ける。古生代の化石種はムカシカギムシ目に含める。バージェス動物群のアイシュアイアは現生種とほぼ同じ体制である。他にハルキゲニアがあり、背面に角状の装甲を持つ。同様の装甲を持つ例は澄江生物群からも数種が知られる。
化石種はすべて海産であるが、現生種はすべて陸生である。このため現存する動物門のうち、現生種が海産種を含まない唯一の動物門となっている。
カギムシ綱 Onychophorida
†Xenusia綱 Xenusia (絶滅)
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