出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/12 21:21:27」(JST)
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リットル 仏 litre |
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記号 | l, L, ℓ, lit |
度量衡 | メートル法 |
系 | DKS単位系 |
種類 | 組立単位・SI併用単位 |
量 | 体積 |
SI | 10−3 m3 |
定義 | 1 dm3 |
語源 | フランス語 litron(≒0.78 L) |
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リットル(仏: litre、記号: l、L、ℓ)は、体積の単位である。英語での発音(/ˈliːtər/:リーター)から、日本では他にリッターともいう。その名前は、ギリシャ語およびラテン語のlitraに由来する。漢字では立と書かれる。
メートル法の古い単位で、SIの単位ではないがSIと併用できるSI併用単位である。
1リットルの現在の定義は10−3立方メートル (m3) = 1立方デシメートル (dm3) である。すなわち、1辺が1デシメートル (10cm) の立方体の体積となる。
名称 | 記 | リットル | SI |
---|---|---|---|
キロリットル | kL | 1000 L | 0001 m3 |
リットル | L | 0001 L | 0001 dm3 |
デシリットル | dL | 0000.1 L | 0100 cm3 |
センチリットル | cL | 0000.01 L | 0010 cm3 |
ミリリットル | mL | 0000.001 L | 0001 cm3 |
マイクロリットル | µL | 10−6 L | 0001 mm3 |
ナノリットル | nL | 10−9 L | 0000.001 mm3 |
ピコリットル | pL | 10−12 L | 1000 µm3 |
フェムトリットル | fL | 10−15 L | 0001 µm3 |
アトリットル | aL | 10−18 L | 0000.001 µm3 |
分量単位としては、日本の日常生活では1000分の1リットルであるミリリットル (mL) がよく使われ、これは、立方センチメートル (cm3) に等しい。この2者は混用されることもあるが、製品の種別や場合によっては片方のみがもっぱら使われる。液状の医薬品や化粧品ではミリリットルが用いられ、調理のレシピや内燃機関の容積を細かく記述する際は立方センチメートルが用いられる(大まかに記述する際はリットルを用いる)。なお、立方センチメートル (cm3) のことを cc(立方センチメートル=cubic centimetreの略)ともいうが、SI では使用を認めていない。
日本では、10分の1リットルであるデシリットル (dL) を小学校で学ぶが、日常での使用頻度は少ない。この単位は現在(2005年9月)のところ、豆や穀類を小売りする際に用いられている。計量法の施行により、従来使われてきた尺貫法ベースの計量単位が商取引に使えなくなったため、1合(約1.8039デシリットル)に比較的近い2デシリットルを販売の基準としている(写真参照)。
一方、ヨーロッパでは100分の1リットル(10 cm3)であるセンチリットル (cL) が、飲料の容量などによく使われる。
生化学、塗装・印刷など微量の液体を扱う分野では、マイクロリットル (µL)、ナノリットル (nL)、ピコリットル (pL)、フェムトリットル (fL)、アトリットル (aL) も使われる。立方ミリメートル (mm3)、立方マイクロメートル (µm3) 等は、単位の間が9桁も開いていて使いづらいからである。
倍量単位としては1000リットルのキロリットル (kL) もよく使われ、1立方メートル (m3) に等しい。メガリットル以上はほとんど使われない。
SIほかの国際標準では、リットル系と立方メートル系の使い分けについての明確な記述はないが、SIでは精密な測定結果を示す場合にはリットルを使用すべきではないとしている。
1793年、リットルはフランスの「共和党法案」で、新しい公定単位の一つとして提案された。その定義は、1立方デシメートル (dm3) であった。名前は、フランスの伝統的な単位リトロン (litron) ≒ 0.78 L に因むもので、ギリシャ語からラテン語を経由してフランス語に取り入れられた。
1879年、国際度量衡委員会 (CIPM) はリットルの定義および小文字の l (小文字のエル)をその記号とすることを採択した。
1901年、第3回国際度量衡総会 (CGPM) で、「1リットルは1気圧の圧力、最大の密度が得られる温度 (3.98°C) での、1キログラムの水の体積」と再定義された。キログラムの本来の定義によれば、これは1立方デシメートルと等しいはずである。しかし、実際にはキログラムの定義に使用されているキログラム原器が本来の定義よりも重くできてしまったため、1リットルは1立方デシメートルよりも少しだけ大きいことになる。そこで、国際度量衡局 (BIPM) で1キログラムの水の体積の精密な測定(実際には1立方デシメートルの水の質量の測定)が何度も行われているが、条件をそろえたつもりでも、測定のたびに1ミリグラム台の差が出てしまった。このリットルの定義では気圧と温度を規定しているが、水の密度には他にも多数の条件がかかわっており、それを全て揃えるのは非常に難しいためである。
測定者 | L/dm3 |
---|---|
ギヨーム | 1.000 029 |
シャピュイユ | 1.000 027 |
レピネーら | 1.000 028 |
結局、1907年にBIPMは表の3つの測定結果を示した上で、「BIPMに課せられた水の1キログラムの体積を決定する仕事は、最高の精度をもって達せられた」と報告し、いわば「匙を投げた」状態となった。
そのため、各国で採用する値が異なるという事態となった。例えば日本では1.000 028 dm3を採用し、アメリカでは1.000 029 dm3を採用していた。各国でリットルの値が異なるのは不都合であるため、1950年にCIPMは「1キログラムの水の体積は1.000 028 dm3である」と定めた。
1964年 第12回CGPMで、メートルに基づいた元の定義(1立方デシメートル〔dm3〕)に戻され、「リットルは立方デシメートルに与えられた固有の名称である」と声明された。また同時に、高い精度の測定の結果を示す場合にはリットルを使用しないよう勧告した。
新しい定義のリットルには「新リットル」という名称が与えられ、(旧)リットルと区別する必要がある場合に使われたが、現在は単にリットルと呼ぶ。
記号としては国際的には大文字の「L」か小文字の「l」が正しいとされるが、日本など一部の国では筆記体である 「ℓ」が用いられることもある。
当初、リットルを表す記号は小文字の「l」だけであった。SIにおいては、人名に由来する単位のみ記号の1文字目を大文字にし、それ以外の単位は全て小文字で書くことになっていた。しかし、多くのラテン文字を由来とする文字を使用する国では、筆記体のアラビア数字の「1」を単に垂直の線のみで示すのが一般的となっており、これとラテン文字の小文字の「l」は似ているため、誤認させることがあった。
1979年、第16回CGPMで、小文字の「l」以外に大文字の「L」もリットルの新たな記号として用いることが採択された。また、将来この2つのうちのどちらか1つのみを正式なものとして選択されるべきであると表明されたが、1990年の会議ではまだその時期ではないとされている。現在でもどちらを用いても正しいが、産業技術総合研究所やアメリカ標準技術局 (NIST) は、大文字の「L」を使用することを推奨している。
小文字の「l」の活字体ではなく筆記体の「ℓ」 (U+2113) がリットル記号として日本をはじめとするいくつかの国で用いられることがある。日本の初等および中等教育でも「ℓ」を用いるように教えていた。しかし、多くの国ではこの記号は用いられておらず、国際度量衡局 (BIPM)、国際標準化機構 (ISO) やその他の国際標準機関はこの記号を公式なものと認めていない。また、筆記体のエルのほか、中学高校の教科書では斜体字のエル「l」を用いているものもあったが、斜体字は物理量を表す変数を意味し、単位は立体字で書くことになっているため、単位の取扱としては誤りである。このため2006年度の教科書検定では、高校物理IIおよび高校化学IIの教科書では活字の立体の「L」と表記を変更する措置がとられた。2012年現在では、ほとんどの高校の教科書で活字の立体の「L」や「l」が用いられており、ℓの表記はほぼ使われていない。ただし、日本の一般的な小売の商品のパッケージやスーパーマーケットなどでの表記では現在でも筆記体の「ℓ」が多く用いられている。
縦書き表記では、立体の「l」を使用することはほとんどなく、「L」が使用されることもまれで、もっぱら「ℓ」が使用されるか、SI接頭辞の記号 + ℓ (「mℓ」等)を縦中横にしたり、「㍑」の形の組文字を使用することが多い。
文字コードでは、2000年に規格化された文字コード規格のJIS X 0213は、リットルを表す記号として1-3-63に「ℓ」を採用した。ただし、リットルの意味として「L」や「l」の使用を制限するわけではないと規定してある。UnicodeではU+2113に「ℓ」をSCRIPT SMALL Lとしてliter (traditional symbol)の説明つきでリットル用の記号として[1]コードが割り当てられており、数学用に使用される筆記体の「l」であるU+1D4C1「𝓁」MATHEMATICAL SCRIPT SMALL L[2]とは区別して定めている。
漢字圏では「立脱耳」や「立突」という漢字が当てられ、日本では「立」と略すようになった。それを使って下記のような国字が作られた。
ちなみに、「立米」は「りゅうべい」と読み、立方メートルのことである。
中華人民共和国では、尺斤法の升が偶然にもほぼ1リットルだったため、尺斤法をメートル法で再定義する際、升を1リットルと定義し、リットルを表すにも升を使うようになった。
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
ℓ | U+2113 |
1-3-63 | ℓ ℓ |
リットル |
㎕ | U+3395 |
- | ㎕ ㎕ |
マイクロリットル |
㎖ | U+3396 |
- | ㎖ ㎖ |
ミリリットル[4] |
㎗ | U+3397 |
- | ㎗ ㎗ |
デシリットル |
㎘ | U+3398 |
- | ㎘ ㎘ |
キロリットル |
㍑ | U+3351 |
1-13-40 | ㍑ ㍑ |
全角リットル |
[ヘルプ] |
リットル | 立方メートル (SI単位) |
米液量オンス | 米ガロン | 英液量オンス | 英ガロン | 升 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 L | = 1 | = 0.001 | = 33.8140 | = 0.264172 | = 35.1951 | = 0.219969 | = 0.554352 |
1 m3 | = 1000 | = 1 | ≈ 33814.0 | ≈ 264.172 | ≈ 35195.1 | ≈ 219.969 | = 554.352 |
1 fl oz | = 0.0295735295625 | = 2.95735295625×10-5 | = 1 | = 0.0078125 | ≈ 1.04084 | ≈ 0.00650527 | ≈ 0.0163942 |
1 gal | = 3.785411784 | = 0.003785411784 | = 128 | = 1 | ≈ 133.228 | ≈ 0.832674 | ≈ 2.09845 |
1 fl oz | = 0.0284130625 | = 2.84130625×10-5 | ≈ 0.9607599 | ≈ 0.00750594 | = 1 | = 0.00625 | ≈ 0.015750848 |
1 gal | = 4.54609 | = 0.00454609 | ≈ 153.722 | ≈ 1.20095 | = 160 | = 1 | ≈ 2.52014 |
1 升 | ≈ 1.803907 | ≈ 0.001803907 | ≈ 60.9973 | ≈ 0.476542 | ≈ 63.4886 | ≈ 0.396804 | = 1 |
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1 torr ≒ 1 mmHg
(1) 760 mmHg = 101325.0144354 Pa
(2) 1 torr = 1 atm(1気圧(標準大気圧)) / 760 1 atm = 101325 Pa = 760 torr
∴ (1)と(2)はわずかに異なる。
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