熱中症
- 英
- heat illness, heat stroke( → 熱射病という意味で使う(YN.K-38))
- 関
重症度による分類
- 熱痙攣 heat cramp:電解質の喪失
- 熱疲労 heat exhaustion:体液の喪失による循環不全
- 熱射病 heat stroke:熱中枢障害 or 過剰な熱産生による臓器障害
- WMM.707
- ICU.607
- YN.K-38改変
- beyond resident 2-154
- 研修医直御法度第5版 155
- 研修医直御法度症例帳 143
- マイナーエマージェンシー 6
| 熱痙攣 | 熱疲労 | 熱射病 | ||
| heat cramp | heat exhaustion | heat stroke | ||
| 古典的熱射病 | 努力性熱射病 | |||
| 疫学 | 幼小児、老人 基礎疾患(脳血管障害、虚血性心疾患、アルコール依存症) 薬剤性(フェノチアジン系(抗精神病薬)、抗コリン薬、利尿薬) 死亡率:40% |
小児~成人 死亡率:10% 横紋筋融解症、DIC、MOF合併多い | ||
| 原因 | 電解質喪失 | 脱水 | 温熱中枢障害 | 熱産生>>熱放射 |
| 病態生理 | 細胞外液の減少(≒循環血漿量の減少)→頻脈、 | 高温により熱中枢が障害される あるいは、心拍出量、発汗能力、血管調節能力の低下により体温調節能が失われる ↓ 汗が出ないことがある。 |
||
| 意識 | 意識障害あり | |||
| 体温 | → | ↑~↑↑ | ↑~↑↑↑ | ↑↑↑ |
| 血圧 | 低血圧 | ? | 低血圧 | |
| 発汗 | ++ | +++ | -~+++ | +++ |
| 筋肉 | 有痛性筋収縮 | 筋肉崩壊 | ||
| その他症状 | 悪心・嘔吐、頭痛、めまい | |||
| 治療 | ストレッチ、マッサージ 経口補液(飲めねば静注) |
冷却(外部冷却)。⇔冷却は必要なし(ICU.607) | 冷却(外部冷却・内部冷却) | |
熱中症の新分類
- 内科救急診療指針1st
| 従来の分類 | 新分類 | 症状 |
| 熱痙攣 熱失神 |
I度 | めまい、大量発汗、失神、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り) |
| 熱疲労 | II度 | 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下、血圧低下、頻拍 |
| 熱射病 | III度 | 下記3症状のうちいずれか1つ以上 ①中枢神経症状:意識障害、小脳症状、けいれん発作 ②肝・腎機能障害:AST/ALT、UN、Cr上昇 ③血液凝固異常:急性期DIC診断基準(日本救急医学会)にてDICと診断 |
身体所見
- まず、バイタル!ショックを評価。心不全はあるかどうか?
検査
- 血液検査(生化学(浸透圧も評価)、血算、凝固(熱射病疑いとして))
- 尿検査(尿ミオグロビンを捕まえる → 赤血球(-)かつ潜血(+) )
治療
- (心不全症状なければ)輸液 ← 末梢静脈ラインを確保すると同時に採血
- YN.K-39
- (血漿浸透圧330mOsm未満)生理食塩水 尿あれば乳酸リンゲルでok
- (血漿浸透圧330mOsm以上)生理食塩水+5%ブドウ糖
死因
救急外来stragegy
- 1. バイタルチェック(体温、血圧、脈拍) → 熱中症に合致しそうか? ちなみに直腸温はかれないときはどうする?
- 2. 現病歴 → ひととおりさらっと聴く
- 3. 現症
- 発汗の有無、皮膚の乾燥・湿潤、
- 筋痙攣 → 熱痙攣を疑いたくなる
- 悪心、嘔吐、頭痛、倦怠感 → 熱疲労~熱射病を疑いたくなる
- 筋肉痛、筋攣縮、中枢神経機能異常(譫妄、運動失調、昏睡、痙攣)、DIC、MOF → 熱射病を疑いたくなる
- 感染症による発熱を疑いたくなったら、頚部リンパ節、咽頭所見、感冒症状、関節痛、呼吸音、尿回数・量、CVA叩打痛、項部硬直、Jolt accentuationをチェック
- 4. 既往歴
- 古典的熱射病で心不全を有している場合、輸液不可より昇圧剤を使えと(beyond resident 2-154)
- 5. 末梢静脈ルート確保して採血(生化学、血算、凝固)し、まずは生理食塩水を落とす。血漿浸透圧高値が明らかになれば1/2生理食塩水に切り替え。
- 6. 尿検査提出
- 7. 適切なクーリングをしつつ、結果を待つ。
職場における予防
- 職場における熱中症予防対策マニュアル - 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
- https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/manual.pdf
作業環境管理
- WBGT値の低減
- 休憩所などの整備:高温多湿作業場所の近隣に冷房を備えた休憩場所、あるいは風通しのよい日陰等の休憩場所を整備する。氷、冷たい飲料が摂取でき、水風呂やシャワーを浴びることができる設備を設置。
作業管理
- 作業時間の短縮:休憩時間を確保し、熱暑での作業が連続しないようすること、身体作業強度が高い作業を避けること、作業場所を変更すること。
- 熱への馴化:7日以上かけて熱暑への暴露時間を長くしていく。
- 水分及び塩分の摂取
- 服装・帽子:熱を吸収し熱を蓄えやすい服装を避け、透湿性・通気性の良い服装を装着させるようにする。
- 作業中の巡視
健康管理
- 健康診断の結果などによる対応
- 日常の健康管理など
- 労働者の健康状態の確認
- 自発的脱水
- 予防的・定期的な水分・塩分補給:口渇、口腔内乾燥、尿量減少、体温・心拍の増加は脱水に夜体重減少が2-5%になると自覚されるが、既に脱水に陥っていることになる。そのため、口渇を感じなくても定期的に水分・塩分を摂ることが必要である。
- 身体の状況の確認
- 労働衛生教育
参考
- 1. 今後の暑さ指数|環境省熱中症予防情報サイト
- <click2in>http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/</click2in>
- 2. 熱中症環境保健マニュアル 2018 - 環境省
- <click2in>https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf</click2in>
- 3. 暑さ指数と熱中症救急搬送者数との関係 - 環境省
- <click2in>http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_report.php</click2in>
- 4. 熱中症を防ごう / スポーツ医・科学 - 日体協
- <click2in>http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1.html</click2in>
- 5. 熱中症診療ガイドライン2015 - 厚生労働省
- <click2in>https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf</click2in>
- 6. 「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3確定版 日本生気象学会
- <click2in>http://seikishou.jp/pdf/news/shishin.pdf</click2in>
- 7. wiki ja
- <click2in>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E4%B8%AD%E7%97%87</click2in>