尿細管

urinary tubule (Z), uriniferous tubules, renal tubules
tubuli renales
細尿管
ネフロン

チャネルの分布(文献)

尿細管の区分 セグメント Na+輸送体 細胞内調節因子
SGLT NaPi NKCC2 NCC ENaC MR HBC Nedd-4 WNK4
近位尿細管 近位曲尿細管              
近位直尿細管              
中間尿細管 細い下行脚                  
細い上行脚                  
遠位尿細管 太い上行脚                
遠位曲尿細管       /○ /○
集合管系 接合尿細管            
皮質集合管            
髄質外側集合管              
髄質内側集合管              

ホルモンと利尿薬による調節 (SP.791,792)

利尿薬   ホルモン
  アンジオテンシンII バソプレシン アルドステロン 心房性Na利尿ペプチド

(ANP)

アセタゾラミド 近位尿細管      
  ヘンレループ

細い上行脚

     
フロセミド(ループ利尿薬) ヘンレループ

太い上行脚

     
クロロチアジド(チアジド系利尿薬) 遠位曲尿細管    
クロロチアジド(チアジド系利尿薬) 接合尿細管   [(1)]
スピロノラクトン 集合管   ○(PT.481)

(1)…バソプレシンの受容体はあるが、水の透過性はほとんどない。 (SP.792)


尿細管における再吸収と分泌(概要)

(PT.469-,HIS369も参考になる, PT.462(細胞の形))
  • 近位尿細管・・・疎な細胞間結合
  • 再吸収される物質
  • グルコース、アミノ酸、タンパク質:100%
  • 無機イオン(Na,Cl,K):70-80% そのほかHCO3-,Ca2+,PO43-も同様。
  • 分泌される物質
  • PAH, ペニシリンの分泌
  • 組織の特徴
  • ミトコンドリアが豊富
  • 細胞間隙の透過性が高い
  • ここで再吸収される糸球体濾液の約2/3が、細胞間隙を通って膠質浸透圧の高い尿細管周囲の毛細血管に戻る。
  • ヘンレ係蹄
  • 太い下行枝 descending limb
  • 水の再吸収
  • 細い下行枝
  • 水の再吸収
  • 細い上行枝 ascending limb
  • 無機イオンの再吸収(Na,Cl,K)
  • 太い上行枝
  • Na,K,2Clの輸送体がある
  • 無機イオンの再吸収(Na,Cl,K)
  • 遠位尿細管&集合管・・・密な細胞間結合
  • 糸球体濾液の12-15%が再吸収される。
  • Na, Cl2,H2Oの再吸収
  • H,K,NH3のの分泌
  • 遠位尿細管
  • 水を伴わないNaの移動がある

水の再吸収

場所と調節因子

  • 近位尿細管
    • 75%が吸収される
    • NaClの再吸収に伴う
    • 膠質浸透圧が低いことによる
    • ほとんど(近位尿細管での吸収量の2/3)が細胞間隙を経由
  • ヘンレループ下行脚
    • 管腔側にアクアポリン(AQP1)を有しており、水透過性が高い(SP.790)
  • ヘンレループ細い下行脚
    • 水の透過性は著しく低い(SP.790)
  • ヘンレループ太い上行脚(遠位直尿細管?)
    • 水の透過性は著しく低い(SP.790)
  • 遠位曲尿細管
    • 水の透過性は低い(SP.790)
  • 接合尿細管
    • 水の透過性は低い(SP.790)
  • 集合管
    • バソプレシン(ADH)により水の再吸収が促進される

ナトリウムの再吸収

  • Naの再吸収
  • Naは細胞外に多いため濃度勾配に従って尿細管腔から尿細管上皮細胞内に移動する
  • Naの移動による尿細管腔と間質液の浸透圧差を補償するために、細胞間隙から水,Clが移動する。

分子機構 (SP.788)

  • 基底側のNa-Kポンプによる電気化学的勾配がNa+取り込みの原動力となる
  • 管腔側(尿細管腔-尿細管上皮細胞内)
    • シンポーター
      • グルコース-Na
      • アミノ酸-Na
      • リン酸-Na
    • トランスポーター
      • Na-H
    • Naチャネル
  • 基底側(尿細管上皮細胞内-間質液)
    • Na-Kポンプ

場所と調節因子

  • 近位尿細管
    • アンジオテンシンIIで再吸収が促進
  • 遠位尿細管の一部、集合管
    • アルドステロンで再吸収が促進
      • SP.792によれば、アルドステロンは集合管でのみNa再吸収を促進
  • 集合管
    • 心房性Na利尿ペプチドにより再吸収が抑制

部位と吸収量(QB.E-128)

近位尿細管 60%
ヘンレ上行脚 30%
遠位尿細管 7%
集合管 2%


カリウムの分泌・再吸収

組織と調節因子

  • Kの分泌
  • 血管-上皮間のNa-KポンプによりKが上皮細胞内に移動し、Kチャネルにより管腔側に分泌される。
  • アルドステロンは主細胞に作用し、Naの再吸収とKの分泌を促進する。
  • 尿細管内液の流量が増加するとKの管腔濃度が減り、Kの分泌が促進される
  • 集合管の間在細胞 intercalated cell
  • 酸塩基平衡に関与。Hを管腔側に分泌

場所

QB.E-128

  • 再吸収  :近位尿細管、ヘンレループ
  • 分泌・吸収:集合管 ← ここで調節される。

重炭酸イオンの再吸収(2007年後期生理学授業プリント)


プロトンの分泌

カルシウムとリン酸の再吸収

  近位尿細管 遠位尿細管 集合管  
カルシウム   ○(PT.442)    
リン酸 ×     再吸収抑制
  • カルシトニンが働いたとき
  近位尿細管 遠位尿細管 集合管  
カルシウム   ×   再吸収抑制
  • ビタミンDが作用したとき :(確か・・・) 血中Ca↑、血中P↑
  近位尿細管 遠位尿細管 集合管  
リン酸     再吸収促進

リンの再吸収

近位尿細管 70%
遠位尿細管 20%
排泄:10%

アンモニアの産生と分泌

臨床関連

  • タンパク尿と尿細管
  • タンパク尿では近位尿細管にヒアリン滴(hyaline droplets)が見いだされる。これはpinocytosisによりファゴソームのなかに取り込まれた蛋白質がリソソームと融合してできたphagolysosomeである。
  • 過剰のタンパクの取り込みにより尿細管上皮細胞の機能を損ない、急性尿細管壊死につながる

尿細管の遺伝的な疾患(2007年度後期生理学授業プリント)

  • SGLT等の障害
  • 腎性糖尿、汎アミノ酸尿、尿細管性尿蛋白、高リン酸尿
  • 代謝性アシドーシス
  • 低K,Ca,P血症、骨軟化症
  • NKCC2の障害
  • 低K性代謝アルカローシス、脱力発作、浮腫(-)、血圧正常
  • NCCの障害
  • 低K性代謝アルカローシス
  • 血圧正常、低Mg,Ca血症
  • ENaCの障害
  • 低K性代謝性アルカローシス
  • 高血圧