TUR症候群

出典: meddic

TUR反応
低ナトリウム血症
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概念

  • TUR 症候群は発生頻度が2%程度といわれるが、発症が手術時間の長さと関係し,ひとたび発症すれば生命に危険が及

ぶこともある(文献1)

  • 大量の灌流液が体内に吸収されて起こる。低Na血症による悪心・嘔吐、冷汗、徐脈、低血圧、ショックなど。出現時には、手術を即座に中止してショックに対する治療を行う(文献3)。
  • 経尿道的前立腺切除術 TUR-Pで起きやすい。経尿道的膀胱腫瘍切除術 TUR-Btでは起こりにくい。(SURO.316-317)

病因

  • 等張非電解質液が多量に静脈に流入することによる
  • 外科的被膜の穿孔、静脈洞の開放によって生じやすい

症状

  • 本態は低ナトリウム血症
  • あくび、不穏、冷汗、悪心、嘔吐、徐脈、低血圧、ショック、意識消失など(SURO.316)

治療

  • 手術中止、浸透圧利尿薬、糖質ステロイド、昇圧薬、生理食塩水投与(SURO.316)

予防

  • 1. 灌流液圧を低くする(SURO.316)
  • 2. 穿孔しない(SURO.316)
  • 3. 手術を1時間以内とする(SURO.316)
  • 4. TURisの採用

参考文献

  • 1. TURis(TUR in saline:生理食塩水を灌流液に用いたTUR)技術解説
[display]http://www.me-hon.ne.jp/meb/bin/downloadfile_sample.asp?sku=2000003211869600200P
TURis(TUR in saline)開発の動機は、TUR で問題になる閉鎖神経反射とTUR 症候群を解決すべきと考えたからである。TURではループ先端部に気泡ができて放電を起こすとすぐに切れ始めるが,TURisではループ全体が気泡に包まれないと切れ始まらないという両者の違いを解説した。それに起因するTURis での切れ始めのタイムラグの改良目的で、放電起動性を迅速にすべく出力時波形を間欠波にした。これによりタイムラグも解消し、大きなループも使用できるように改良できた。
  • 2. TURis
[display]http://www.medicaltown.net/urostation/tech_info/pdf/turis.pdf
  • 3.
[display]http://shutoku.fc2web.com/digital_textbook/urology/urology_general.html
-TUR反応


UpToDate Contents

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和文文献

  • 質問BOX みなさんのギモンに専門の先生がズバリとお答えします Question TUR症候群はなぜ起こるのですか? また,起こりやすさに個人差はあるのですか?
  • 重度の心疾患や認知症によりTUR-P施行不可能とされた症例に対する光選択的前立腺蒸散術(PVP)の安全性,有効性の検討
  • 桑原 勝孝,大槻 英男,長久保 一朗 [他],堀場 優樹
  • 日本泌尿器科學會雜誌 99(6), 688-693, 2008-09-20
  • … (目的)前立腺肥大症によるTUR-Pは出血やTUR症候群(低Na血症)などのリスクの為心疾患を持つ症例ではしばしば施行不可とされる.また術後の安静や尿道カテーテル留置の必要性などから重度の中枢神経疾患や認知症を有する症例においても同様である.今回これらTUR-Pを施行不可とされた症例に対して光選択的前立腺蒸散術(Photoselective Vaporization of the Prostate:PVP)を行い,重篤な合併症なく良好な治療結果を得られたので報告する. …
  • NAID 110006935715
  • TUR症候群
  • 症例報告 著明な低Na血症を示したTUR症候群の一症例
  • 田中 雅輝,遠井 健司,鹿島 邦昭 [他],鈴木 保良,吉江 和佳,本田 直子,長谷川 優子,稲村 ルヰ,信太 賢治,安本 和正
  • 昭和医学会雑誌 67(5), 444-447, 2007
  • During transurethral resection of the prostate (TUR-P), a non-electrolyte solution with sorbitol was used for irrigation. TUR-syndrome, which is a well-known complication of TUR-P, occurs as a result …
  • NAID 130001820383

関連リンク

TUR症候群 とは ・前立腺切除時(や子宮鏡手術時)に、開口した静脈洞から 灌流液が過剰に血管内に吸収されることに起因する、神経学的、心血管系にさまざまな影響を起こす症候群 。術後も遅発性に、腹膜内外に漏れ出ていた灌流液 ...
術後の管理 TUR症候群 血圧低下、悪心、嘔吐、昏睡などは、医師に報告する。 出血 前立腺の内部は血流が豊富なため、出血が多くなる場合がある。出血性ショックに注意する。 血尿の有無、尿量を把握する。 持続的膀胱洗浄
・全身麻酔、脊髄くも膜下麻酔(+硬膜外麻酔)いずれも行われるが、後述の TUR症候群 や膀胱穿孔 の早期発見の観点からは後者が選ばれることが多い。また高比重の局所麻酔薬を適切に使用することで、循環動態の変動を最小限に ...


★リンクテーブル★
先読み低ナトリウム血症
関連記事症候群」「T」「」「症候」「TU

低ナトリウム血症」

  [★]

hyponatremia
低Na血症
ナトリウム高ナトリウム血症電解質異常

定義

  • 血清ナトリウムが134mEq/L以下の病態。(正常の下限は135mEq/Lとされる)
  • 水とナトリウムのバランスという観点で、2つに分けられる

疫学

  • 日常臨床上最も頻度の高い水・電解質異常
  • 入院患者の3%、集中治療室患者の30%(IMD)

病型

ICU.525

  • 循環血減少性低ナトリウム血症:下表で[2]に相当
  • 利尿・副腎不全: 尿中Na > 20mEq
  • 嘔吐・下痢    : 尿中Na < 20mEq
  • 等容量性低ナトリウム血症:細胞外液は増加していないが、水の方が多くなった状態。臨床的に浮腫が無い。下表で[1]に相当
  • 循環血増加性低ナトリウム血症:細胞外液にナトリウムと水が増加しており、なおかつ水の方が多い病態:下表で[3]に相当
  • 腎不全    : 尿中Na > 20mEq
  • 心不全・肝不全: 尿中Na < 20mEq

IMD

  • [1] 細胞外液量増加:組織間質に非常に多量の水と多量のナトリウムが移動。移動する原因は血液のうっ滞、膠質浸透圧の低下など
  • うっ血性心不全、肝硬変、末期腎不全など。
  • うっ血性心不全や腹水を伴う肝硬変では、圧受容器が循環血液量の減少を検出してバソプレシンを分泌する(cases.200)
  • [2] 細胞外液量減少:ナトリウム喪失による。
  • 消化管からの喪失(下痢、嘔吐、腸閉塞など)、熱傷、利尿薬の過剰投与、腎疾患、副腎不全など。
  • [3] 細胞外液量正常:ナトリウムの摂取・排泄は変わらないが、水が異常に蓄積されるため? ← 最も多いらしい
  • 内分泌疾患(副腎不全、抗利尿ホルモン(ADH)不適合分泌症候群(SIADH)、甲状腺機能低下症)、薬物、水中毒(心因性多飲)など。
  • 高浸透圧性:高血糖、マンニトール投与など。
  • 正浸透圧性:脂質異常症(高脂血症)、高蛋白血症など。

水とナトリウムのバランスによる分類

  Na 体液 摂取と排出はどうなのか? 脱水所見
IN
OUT
 ○
希釈性低ナトリウム血症 過剰 - 多い [3] ○→ [3] →○ 無し
心因性多飲症、低張輸液過多 SIADH
ナトリウム欠乏性低ナトリウム血症 - 過少 少ない   ○→ [2] →○ 有り
摂食不能 腎性(Addison病、塩類喪失性腎炎、利尿薬の使用)
腎外性(下痢・嘔吐、熱傷腸閉塞)
  大過剰 過剰       [1]   無し
    うっ血性心不全
肝硬変
ネフローゼ

低ナトリウム血症+血漿浸透圧上昇

QB.D-333
  • 高脂血症 → (炎光光度法で測定する場合)過剰の脂質によって血漿の非液相成分が増加し血漿浸透圧が上昇するが、液相成分が減少しているため見かけ上低ナトリウム血症となる (ICU.523) → 偽性低ナトリウム血症
  • 高血糖 ← 高血糖だけで低血糖になる?
  • 尿毒症 → 浸透圧較差の増大による。ある種の毒性物質(エタノール、メタノール、エチレングリコール、腎不全によって蓄積した同定できない毒素)が細胞外液にあるときに増加する(ICU.517)(つまり、毒性物質が浸透圧を生み出す物質として作用するということ)。ちなみに、急性腎不全では正常であり、慢性腎不全で浸透圧較差は上昇する。

病態生理

体液電解質異常と輸液 改訂第3版 p.51
低ナトリウム血症のメカニズム   障害の原因 障害の例
effective osmole(Na, K)の欠乏 長期間のの下痢・嘔吐・絶食
浸透圧利尿
水分過剰 口渇感の異常
(多飲)
尿自由水排泄能力を超えた量の飲水 心因性多飲
マラソン中の多量飲水
尿希釈能の低下
(水排泄障害)
尿細管での
自由水生成障害
有効循環血漿量低下
 (心不全、肝不全、脱水)
極度の低栄養・偏食
腎障害
不適切な抗利尿ホルモン作用 SIADH
有効循環血漿量低下
甲状腺機能低下
糖質コルチコイド欠乏

症状

  • 急性:症状が出現しやすい。意識障害を呈する
  • 慢性:無症候。125mEq/L以下にならなければ顕性化しない事が多い。臨床的に問題となるのは非常に低いレベル(120mEq/L)。
  • 全身 :無力感、全身倦怠感
  • 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐
  • 神経 :意識障害(傾眠、昏睡)
  • 筋  :痙攣、腱反射低下、筋力低下
  • 高度かつ急速な場合 → 水中毒をきたす。

重症度別(YN.D137)

  • 軽症:120mEq/L以上:無気力、疲労感、軽度の食思不振、頭痛
  • 重症:120mEq/L以下:悪心・嘔吐、強い食思不振や頭痛、精神症状や間代性痙攣、意識障害

検査

  • 血清Na・K 測定、腎機能検査、ADH、コルチゾール、アルドステロン、甲状腺ホルモンの測定、血液ガス分析など(IMD)
  • 尿の浸透圧、尿Na濃度

治療

  • 根治療と対症療法

YN.D-137改変

  脱水   Na 体液 病態生理 尿中Na 尿浸透圧 ADH 治療 原疾患
[1] なし hyponatremia
with
hypervolemia
  大過剰 過剰 細胞外液量増加   (>20mEq/L)   分泌される ・ループ利尿薬+水,Na制限
・(不十分)サイアザイド追加
・低Kや体腔液貯留が強い場合スピロノラクトン追加
末期腎不全
(<20mEq/L) うっ血性心不全肝硬変
[2] あり hyponatremia
with
hypovolemia
ナトリウム喪失型
ナトリウム欠乏性低ナトリウム血症
- 過少 細胞外液量減少 Na OUT
→○
↑ 80mEq/L
(>20mEq/L)
    ・Naの補給+等張液輸液(生食,乳酸リンゲル)
・Na排泄率をモニターしIN>OUTを確認
腎性:利尿薬の過剰投与、Addison病、尿細管傷害
↓ 20mEq/L
(<20mEq/L)
腎外性:消化管からの喪失(下痢、嘔吐、腸閉塞)、熱傷、
Na IN
○→
↓ 20mEq/L 経口摂取不能
[3] なし hyponatremia
with
normovolemia
水過剰型
希釈性低ナトリウム血症
過剰 - 細胞外液量正常 水 OUT
→○
→ 40mEq/L ADH excess
>320 mOsm/kg
(>100mOsm/L)
分泌抑制不可能 ・水制限
・ループ利尿薬+生理食塩水
SIADHなど
  水IN
○→
↓ 20mEq/L <100 mOsm/kg
(<100mOsm/L)
分泌抑制を上回るwater intake 低張輸液過多、水中毒(心因性多飲)
[4]           偽性低Na血症 高浸透圧性           高血糖マンニトール投与
正浸透圧性 脂質異常症(高脂血症)、高蛋白血症

対症療法

  • 脱水:等張の生理食塩水
  • SIADH:飲水制限
  • 水とナトリウムの過剰:水とナトリウムの摂取制限、利尿薬
研修医当直御法度 症例帳 p.28
低ナトリウム血症だからといって生理食塩水を輸液すればいいわけではない。
  • [1] ナトリウム過剰(それ以上に水貯留):(症状)浮腫、腹水などによる著明体重増加。(基礎疾患)心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変
 ・・・ 生理食塩水輸液××
  • [2] ナトリウム欠乏:脱水、アジソン病
 ・・・ 生理食塩水輸液ok
  • [3] ナトリウム正常(水が過剰):水中毒、SIADH
 ・・・ 生理食塩水輸液××

合併症

  • 急速な低ナトリウム血症の補正により生じうる。
  • 中枢神経に細胞内脱水をきたし、橋部を中心に脱髄病変を示す。
  • 症状:神経障害、意識障害、痙攣、四肢麻痺など



症候群」

  [★]

syndrome, symptom-complex
症状群
[[]]
  • 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患


内分泌

先天的代謝異常

高プロラクチン血症

分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。

性腺機能低下

嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長

性早熟

思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。

脳神経外科・神経内科

  • Wallenberg症候群 ワレンベルグ症候群:椎骨動脈、後下小脳動脈の血栓塞栓症などで生じる。頚部より下位で温度覚の障害が健側に出現するのに対し、頚部より上位では障害側に温度覚の障害が出現する。



T」

  [★]


WordNet   license wordnet

「the 20th letter of the Roman alphabet」
t

PrepTutorEJDIC   license prepejdic

「tritiumの化学記号」

群」

  [★]

group
グループ集団分類群れグループ化


症候」

  [★]

symptom and sign
症状, 徴候 兆候


TU」

  [★] 国際ツベルクリン単位




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