閉塞肝静脈圧

出典: meddic

wedged hepatic venous pressure WHVP, hepatic venous wedge pressure
閉塞性肝静脈圧
特発性門脈圧亢進症門脈圧亢進症
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概念

  • 肝静脈が下大静脈に流入する部位で閉塞させたときに測定される圧。
  • カテーテルを下大静脈から肝静脈に嵌入させて末端圧を測定する。
  • 類洞における血流が完全に停止するのに必要な圧にほぼ比例する。(参考3)
  • 肝静脈末端圧。
  • 正常では門脈圧 PVP ≒ 類洞内圧 ≒ 閉塞肝静脈圧 WHVP

病態との関連

  • 類洞性・後類洞性(肝硬変)、肝後性(Budd-Chiari症候群、うっ血性不全)により上昇。(1)
  • 肝後性、肝外肝静脈、脾内圧↑、WHVP↑、腹水++
  • 特発性門脈圧亢進症:門脈圧(PVP) ≒ 類洞内圧 ≠ 閉塞肝静脈圧 WHVP


正常値

  • 70-80mm/H2O

参考

  • (1)
[display]http://blog.livedoor.jp/idiacorp/archives/1605441.html
  • 2. suuchan.net
[display]http://suuchan.net/note/Chapter-040803.html
  • 3.
[display]http://blog.livedoor.jp/idiacorp/archives/1605441.html

UpToDate Contents

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和文文献

  • 食道静脈瘤硬化療法における効果不良例の検討
  • 小山 広人,平田 勝,張 紹泰,皆川 正己,橋本 雅司,柴崎 正幸,国土 典宏,坂本 裕彦,大橋 一雅,三條 健昌,出月 康夫
  • 日本消化器外科学会雑誌 22(11), 2549-2554, 1989-11-01
  • … け,硬化療法の効果,再発を予防しうる因子につき検討した.肝機能,腹水の有無,Child分類では差がなく,(1)静脈瘤消失に要したE.O.量(≧25〜30ml),(2)経過中にみられる霜降り状の特異的発赤所見や細静脈増生などの内視鏡所見,(3)基礎疾患として多発生肝癌,門脈腫瘍栓の併存などが効果不良,あるいは再発を予測するのに有用と考えられた.また,閉塞肝静脈圧(≧24mmHg),静脈瘤穿刺圧(≧28mmHg)などから効果を予測できる可能性がある. …
  • NAID 110001315622
  • ICG肝除去率の臨床的意義の検討-門脈外科領域における役割-
  • 塚田 一博
  • 肝臓 27(9), 1313-1322, 1986
  • … てのICG肝除去率の臨床的意義について検討した.ICG肝除去率は,ICG 1回注入法によりその零時の肝除去率を代表させたが,同じICGを用いて算出した予測肝血流量と比較し疾患の特性をよく反映しICG血漿消失率,閉塞肝静脈圧,脾重量などの他の肝循環指標と相関を示した.また肝硬変症の臨床所見(Child分類)を反映し,生化学的検査(A/G比,γ-グロブリン濃度,ZTT, Ch-e)にも相関が認められた.加えてICG肝除去率は食道離断術前後のICG血漿 …
  • NAID 130000881057
  • 肝硬変症の門脈血行動態 : 門脈圧亢進における門脈血流量と門脈血管抵抗の役割
  • 大西 久仁彦,斉藤 正之,田中 秀雄,陳 信義,佐藤 慎一,寺林 秀隆,斉藤 正明,杉田 周次郎,田辺 雄一,中田 恒,早坂 章,角田 隆文,波多野 等,中山 隆雅,野村 文夫,飯田 真司,奥田 邦雄
  • 肝臓 27(7), 915-923, 1986
  • … を,B群のそれは1.7倍を示した.門脈血管抵抗はA群では門脈圧亢進を呈さない慢性遷延性肝炎5人の平均の約2.5倍を,B群では5倍を示した.門脈圧はA群25±4.7mmHg, B群21.5±5.3mmHgと上昇し,A群の方が優位に高かった.閉塞肝静脈圧も同様であった.B群に比しA群で肝内短絡率は有意に増加し,肝容積は減少し,血清アルブミン値は低下していた.肝内短絡率は門脈血管抵抗と負の相関を,門脈血流量と正の相関を示した.以上より肝硬変症の …
  • NAID 130000881013

関連リンク

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肝静脈路の閉塞が肝外血管(バッド-キアリ症候群)または肝内血管(静脈閉塞症)で起こることがあるが,しばしば両方で起きる。 バッド-キアリ症候群 バッド-キアリ症候群は,右心房から微小肝静脈まで部位を問わず生じる ...

関連画像


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★リンクテーブル★
先読み特発性門脈圧亢進症
リンク元門脈圧亢進症
関連記事脈圧」「肝静脈」「閉塞」「静脈圧」「静脈

特発性門脈圧亢進症」

  [★]

idiopathic portal hypertension, IPH
バンチ症候群 Banti's syndrome Banti syndrome
門脈圧亢進症

まとめ

  • 原因不明の肝内末梢門脈枝の閉塞をきたす肝疾患であり、肝内性、前類洞性の門脈圧亢進症を呈する。中年女性に多い。腹腔鏡では肝臓の外観は表面平滑、もしくは波打ち状である。肝静脈造影では肝静脈枝相互間吻合し、しだれ柳状所見がみとめられる。門脈圧は亢進しているが、閉塞感静脈圧は正常化軽度上昇にとどまる。門脈造影あるいはMRAで門脈末梢枝の走行異常・分岐異常が認められ、病理所見では、軽度から中等度の線維化が見られるが、実質はほぼ正常であり、特に肝内門脈末梢枝のつぶれ像が特徴的である。肝機能は正常であり、肝硬変、慢性肝炎の所見は認められない。予後は比較的良好で、10年生存率は70-80%程度である。

(YN.B-59 SSUR.644)

疫学

  • 中年女性に多い(男女=1:3で40歳代に最も多い) (YN.B-59)

病理

  • 肝内門脈末梢枝のつぶれ像

病態

  • 門脈圧の亢進:30cmH2Oを越えない(YN.B-59)
  • 閉塞肝静脈圧は正常

検査

確定診断のために門脈造影、肝静脈カテーテル法、腹腔鏡、肝生検を行う(YN .B-59) ← 肝硬変などを除外診断するのため?

腹腔鏡

  • 正常、もしくは波打ち状

肝静脈造影

  • しだれ柳状所見(肝静脈枝の相互間吻合)

閉塞性肝静脈圧

肝内性、前類洞性の門脈圧亢進症の所見
  • 正常~中等度上昇 (検査の本)
  • 正常~軽度上昇 (SSUR.645)

治療

  • 脾機能亢進、門脈圧亢進、食道静脈瘤に対する治療を行う。

予後

  • 10年生存率:70-80% (SSUR.645)
  • 年死亡率約1%(YN.B-60)


門脈圧亢進症」

  [★]

portal hypertension
門脈高圧症
門脈圧門脈閉塞肝静脈圧
  • 正常範囲:100-150mmH2O。200mmH2O以上は異常 (YN.B-58) → 7.4-11mmHg  (cf. 静脈圧 2-8 mmHg (PHD.61))

分類

部位による

参考1.
  • 肝前性:肝前性門脈圧亢進症:門脈圧(PVP)>閉塞肝静脈圧(WHVP)
  • 門脈血流↑:動脈・門脈シャント、腹部臓器血流増加、腹腔臓器肉腫
  • 門脈閉塞:肝外門脈閉塞症、門脈血栓、脾静脈血栓、門脈圧排
  • 肝内性:肝内性門脈圧亢進症:類洞前性は肝前性、類洞後性は肝後性と同じ:

門脈圧亢進症をきたす疾患

参考1 SSUR.644改変
  肝前性 肝内性 肝後性
肝外門脈閉塞症 特発性門脈圧亢進症 肝硬変 Budd-Chiari症候群
extrahepatic portal obstruction idiopathic portal hypertension liver cirrhosis  
門脈圧亢進症に占める割合   2-5% 90%以上  
閉塞肝静脈圧 vs 門脈圧
閉塞部位 肝外門脈 肝内門脈
類洞前
肝内肝静脈
類洞後
肝外肝静脈
疫学 (一次性)小児期に発症 中年女性に多い    
病因 (一次性)原因不明(新生児臍帯炎)
(二次性)腫瘍病変
原因不明   (一次性)原因不明
(二次性)血栓説
症状 肝機能はほぼ正常
食道胃静脈瘤、脾腫、汎血球減少
肝機能は良好な事が多い
巨脾、食道胃静脈瘤、汎血球減少、脾機能亢進
  進行例で肝機能低下
腹水、下腿浮腫、下肢静脈瘤、難治性下腿
胸腹壁の上行性皮下静脈怒張
食道胃静脈瘤、脾腫、汎血球減少
肝臓の外観   表面平滑or波打ち状 再生結節により表面に凹凸を認める  
血管検査   (肝静脈造影)肝静脈枝相互吻合、しだれ柳状   (下大静脈造影)膜様閉塞 or 完全閉塞
病理 海綿状血管増生 肝内門脈末梢枝のつぶれ像 肝小葉構造の改築 肝静脈周囲のうっ血と壊死。進行すれば肝硬変
予後 (一次性)10年生存率90%
10年生存率70-80%
肝硬変より良好
  (一次性)10年生存率40%

症状

  • 静脈瘤 → 破裂により吐血、下血
  • 食道静脈瘤:肝硬変の60-80%に合併。
  • 胃静脈瘤:肝硬変の8-60%に合併。
  • 異所性静脈瘤
  • 十二指腸静脈瘤、消長静脈瘤、結腸静脈瘤、直腸静脈瘤、人工肛門静脈瘤、胆管静脈瘤

参考

  • 1.
http://shutoku.fc2web.com/special_subjects/study_room/benkyoukai/liver2.doc
  • 2.
[display]http://jsge.or.jp/cgi-bin/yohgo/index.cgi?type=50on&pk=D79



脈圧」

  [★]

pulse pressure, PP
血圧、脈圧低下 脈圧狭小
  • 収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最小血圧)の差。

脈圧の上昇

  • 血管壁の硬直によるウインドケッセル効果?の消失による
  • 動脈管開存症:拡張期血圧低下?
  • 拡張期に血流が肺動脈に流れてしまうため?

脈圧の低下

  • 脈拍増加を来す病態:出血、脱水、ショック
  • 拡張期の短縮 → 心室に血液が充分充満しないうちに駆出されるため
  • 十分な血流を大動脈に駆出できないため




肝静脈」

  [★]

hepatic vein (Z)
venae hepaticae
下大静脈門脈
  • 右肝静脈:左葉の前後区域間を走行。S5+S8 と S6+S7 の間を走行。
  • 中肝静脈:前区域と左内側区域間に沿って走行。走行は右葉と左葉間のRex-Cantile線と一致。S1-4とS5-8を分ける
  • 左肝静脈:左外側区域の上下亜区域肝を走行。中肝静脈と合流して下大静脈に注ぐ。



閉塞」

  [★]

occlusion
促通
  • 詰まること、詰まっていること
  • (神経)2種の異なる興奮性のシナプス前性のニューロン群が1つのニューロン群へ収束と発散によりシナプス結合する回路において、2種のシナプス前線維群内の同期して興奮するニューロンの数が多い場合には、興奮するシナプス後ニューロンの数は、個々のシナプス前線維群だけの活動による場合の和よりも少なくなる。



静脈圧」

  [★]

venous pressure, VP
静脈動脈動脈圧


  • 2-8 mmHg (PHD.61) → 27.2-108.8 mmH2O



静脈」

  [★]

vein (Z)
vena


  • 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。





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