総鉄結合能

出典: meddic

total iron binding capacity, TIBC
鉄結合能貧血, UIBC

概念

  • 血液中で鉄はトランスフェリンと結合して運搬されるが、そのトランスフェリンが結合可能な鉄の総量。

基準値

臨床検査法提要第32版
  • 262-452 ug/dL 血清
HIM.A-6
  • 251-406 ug/dL 血清


Wikipedia preview

出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/12 02:34:21」(JST)

wiki ja

[Wiki ja表示]

UpToDate Contents

全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.

和文文献

  • クルクミン含有漢方生薬、鉄含有食品摂取により鉄代謝異常が修飾されたCronkhite-Canada 症候群の1例
  • 三好 直美,中村 真一,菅野 仁,齋藤 登,齋藤 洋,野村 馨
  • 東京女子医科大学雑誌 83(6), 408-412, 2013-12-25
  • … 受診時、Hb 15.6 g/dl、血清鉄248 μg/dl、総鉄結合能274 μg/dlであり、トランスフェリン鉄飽和率は90.5 %と高値を呈した。 …
  • NAID 110009659605
  • Feの異常と病態 (今月の特集 日常検査から見える病態 : 生化学検査(1))
  • 藤原 亨,張替 秀郎
  • 臨床検査 57(9), 1025-1029, 2013-09
  • NAID 40019791571
  • 血清鉄と鉄結合能 (鉄代謝のバイオマーカー) -- (検査指標)
  • 奈良 美保,生田 克哉,澤田 賢一
  • 臨床検査 56(10), 1052-1057, 2012-10
  • NAID 40019436173
  • 鉄欠乏性貧血の診断とバイオマーカー (鉄代謝のバイオマーカー)
  • 田中 勝,小松 則夫
  • 臨床検査 56(10), 1038-1043, 2012-10
  • NAID 40019436154

関連リンク

正常人の場合はトランスフェリンの約1/3が鉄と結合し,残りは未結合の形で存在する。 血清中のすべてのトランスフェリンと結合できる鉄の総量を総鉄結合能(TIBC)といい,不 飽和(未結合)のトランスフェリンと結合しうる鉄量を不飽和鉄結合能(UIBC)という。
トランスフェリンは一定量の鉄を結合するので,TIBCの測定によって血清鉄結合蛋白で あるトランスフェリンの増減をスクリーニングでき,またUIBCの測定と組合せてSI(Surum Iron)の算出をすることが可能である.血液,消化器疾患,感染症,腫瘍等の疾患ではSI ...

関連画像

造血/鉄代謝/総鉄結合能鉄に関する諸パラメータの 総鉄結合能 total iron-binding 不飽和鉄結合能および鉄イオン


★リンクテーブル★
先読み貧血」「」「UIBC
国試過去問098B024」「106I020」「108I010」「090A078
リンク元血清鉄」「不飽和鉄結合能」「鉄代謝マーカー」「鉄結合蛋白質」「鉄分
関連記事結合」「鉄結合能」「結合能

貧血」

  [★]

anemia
貧血症
慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
  • 血液08, 症候 091215I

定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)

  • 下記表のHb,Htに達しない場合を貧血とする
   Hb(g/dl) Ht(%)
男性 13 39
女性 12 36
高齢者・乳幼児・妊婦 11 33

ヘモグロビンと貧血症状

  • 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
  • 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
  • 5 g/dl :心雑音
  • 3 g/dl :生命の危険

病因

臨床検査

一つの赤血球の平均の大きさが分かる

臨床検査に基づく分類

  1. 正球性貧血
  2. 小球性貧血
  3. 大球性貧血
  1. 低色素性貧血
  2. 正色素性貧血

貧血の鑑別 (文献不明)

MCV 赤血球の大きさ 網状赤血球腎障害 診断 治療
≦80 小球性貧血     鉄欠乏性貧血 鉄剤
80-100 正球性貧血 減少, 正常 あり 腎性貧血 エリスロポエチン
なし 再生不良性貧血 コロニー刺激因子
増加   溶血性貧血 グルココルチコイド
≧101 大球性貧血     巨赤芽球性貧血 ビタミンB12, 葉酸

スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)

  • Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
  • Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)


身体所見

  • 胸部聴診:収縮期機能性雑音  ←  どこで聴取される?高心拍出量状態だから心基部か?あるいは心尖部?(100D012)

USMLE

  • Q book p.292 25
sickle cell anemia microcytic anemia
beta thalassemia microcytic anemia
Heinz body anemia normocytic anemia
hereditary spherocytosis normocytic anemia
pernicious anemia macrocytic anemia

貧血と低酸素血症

  • 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)

臨床

  • MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
  • 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
  • 2. 銅、亜鉛
  • 3. 赤沈、血液像
  • 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
  • 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
  • 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)



鉄」

  [★]

iron Fe
scissors
ヘモグロビン赤血球血清鉄、iron salts

概念

  • ヘモグロビン、ミオグロビン、およびペルオキシダーゼなどの正常な働きのために必須の元素である。ヒトは一日10-15mgの鉄を摂取しており、そのうちわずか1mgが小腸で吸収される。主に十二指腸でFe2+の形で吸収されるので、胃酸、ビタミンC、クエン酸などによりFe3+→Fe2+になっていると吸収の効率が高まる。生体内には4gの鉄が存在しており、その2/3がヘム鉄(2.5g)(ほぼヘモグロビン鉄、一部ミオグロビン鉄)で存在し、残りのほとんど(1g)は貯蔵鉄(網内系の中。フェリチン・ヘモジデリンとして)として組織に貯蔵される。鉄は受動的に1mgが主に消化管から失われ、その他皮膚、尿路からも失われる。

基準値

血清鉄

鉄の体内分布(SP.499)

  • 成人の体内鉄量:3-4g
[mg] 成人男性 成人女性
総鉄量 4050 2750
ヘモグロビン 2700 2000
貯蔵鉄 1000 450
組織の機能蛋白 350 300
血清トランスフェリン 3 3
血清フェリチン 0.3 0.1

鉄の収支 (SPC.280)

  • 喪失
  • 糞、汗、脱落皮膚:1mg/day
  • 月経中の女性:30mg/月経期間中
  • 妊娠中:500mg/満期まで
  • 必要摂取量
  • 月経中の女性:1.4mg/day
  • 妊娠中:5-6mg/day
  • 男性:0.5-1.0mg/day
  • 食物としての摂取量 (SP. 500)
  • 10-15mg
うち0.9mg程度しか吸収されない

鉄の吸収 (詳しくは図:SP.500)

  • 十二指腸で良く吸収される。 (吸収部位:十二指腸空腸上部(LAB.579))
  • Fe2+は水溶性、Fe3+は難溶性なので、Fe2+であるほうが吸収されやすい。また、ヘム鉄、アミノ酸鉄などキレート状の鉄は吸収が容易である(SP.499)
  • 鉄は摂取量の10%しか吸収されない。腸上皮中ではフェリチンと結合して存在するが、フェリチンが飽和するとそれ以上取り込まない。腸上皮のフェリチンは血清中のトランスフェリンに鉄を渡すが、トランスフェリンが飽和するとそれ以上鉄を渡せなくなる。鉄が飽和した状態の腸上皮はやがて脱落する。これで、必要以上の鉄が吸収されないように厳密に制御されている(←過剰の鉄は生体内でフリーラジカルを産生する反応を触媒するので危険)。ビタミンCは鉄の吸収を促進し、肉に含まれるヘム鉄は食物中の無機鉄より効率よく吸収される。またアルコールやフルクトースは鉄の吸収を促進するが、カルシウムは鉄の吸収を阻害する。(HBC.486)

QB.A-366

  • 鉄の吸収には胃酸の分泌、十二指腸からの吸収が必要。胃全摘が施行された場合には、胃酸の分泌減少と、Billroth II法が施行された場合には食物が十二指腸を通過せず鉄の吸収が障害される。



治療薬

臨床関連



UIBC」

  [★] 不飽和鉄結合能 unsaturated iron bindingcapacity


098B024」

  [★]

  • 8か月の乳児。顔色不良を主訴に来院した。母乳栄養児である。2か月前から次第に顔色が不良になってきたことに母親が気付いた。眼瞼結膜は蒼白。腹部で肝を1cm触知するが、脾は触知しない。血液所見:赤血球335万、Hb6.7g/dl、Ht22%、白血球7,800(桿状核好中球8%、分業核好中球22%、好酸球1%、単球11%、リンパ球58%)、血小板38万。
  • この患児の血液検査所見で予想されるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098B023]←[国試_098]→[098B025

106I020」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 106I019]←[国試_106]→[106I021

108I010」

  [★]

  • a Fe値低下
  • b 赤血球寿命短縮
  • c フェリチン値低下
  • d ヘプシジン産生亢進
  • e 総鉄結合能TIBC〉低下


[正答]


※国試ナビ4※ 108I009]←[国試_108]→[108I011

090A078」

  [★]

  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

血清鉄」

  [★]

serum iron, SI
総鉄結合能 TIBC

概念

  • 血清Feはすべてトランスフェリンに結合して存在。(LAB.580) → ということは、トランスフェリンに結合した血清中の鉄を定量していることになる。
  • 健常人ではトランスフェリンの1/3がFeと結合し、残りは未結合の形で存在。(LAB.580)
  • 総鉄結合能(TIBC)と血清鉄を測定し、UIBCが求めるられる。従って、検査ではTIBCとFeをオーダーすればよい。UIBCはオーダーする必要なし。

血清鉄が変動させる要因

血清鉄が変動するメカニズムで分類

  • 造血系での赤血球生成の速度を反映
  • Fe濃度が高い:造血系の減退
  • Fe濃度が低い:造血系の亢進
  • 貯蔵組織からの鉄動員の程度を反映
  • Fe濃度が高い:肝炎などでは肝臓から貯蔵鉄が要因されて他の組織に移動する(LAB.580)。肝炎では肝細胞の破壊により鉄が放出される(←鉄は網内系に貯蔵されている)。
  • 赤血球系の細胞内で保持される程度を反映?
  • Fe濃度が高い:無効造血、溶血性貧血により赤血球系細胞内に鉄が保持されず、血液中にleakする?

血清鉄の増減で分類

  • 低下:鉄の喪失、需要の増大、貯蔵鉄利用不可(慢性炎症)
  • 増加:鉄が過剰摂取(輸血)、需要の低下、貯蔵鉄の放出

基準値

  • ♂:44-192 ug/dL (LAB)
  • ♀:29-164 ug/dL (LAB)
  • 41-141 ug/dL (HIM.A-6)
  • 70-160 ug/dL (QB)

判定

  • 高値:ヘモクロマトーシス、急性肝炎、再生不良性貧血、鉄芽球性貧血、溶血性貧血
  • 低値:鉄欠乏性貧血、悪性腫瘍、膠原病などの慢性炎症、妊娠後期、子宮筋腫

その他

  • 日内変動あり:朝高値、夕方低値。


不飽和鉄結合能」

  [★]

unsaturated iron binding capacity, UIBC
総鉄結合能 TIBC
  • 鉄結合していないトランスフェリンの量を結合可能な鉄量で表した値
  • 検体の血清の「予備的な鉄結合能」
  • 鉄を結合していないトランスフェリンの量に比例し、これらに鉄結合を飽和させたとき、結合しうる鉄の量を示す。(厳密には一致しない)

定義

  • (血清総鉄結合能 TIBC) - 血清鉄量
  • 減少:鉄を結合しているトランスフェリンが増加 or トランスフェリンが減少
  • 増加:鉄を結合しているトランスフェリンが減少 or トランスフェリンが増加

基準値

  • M:170-250 ug/dl (LAB)
  • F:180-270 ug/dl (LAB)


鉄代謝マーカー」

  [★]

iron metabolism markers
鉄代謝


鉄結合蛋白質」

  [★]

iron-binding protein, IBP
鉄結合能総鉄結合能トランスフェリン


鉄分」

  [★]

iron
、血清鉄レベル、総鉄結合能

結合」

  [★]

bindingbondlinkageconnectionconjugationconjunctionunionbonding、engagement,
bindassociateconjugatecombineconnectcoupleengagejoindockligateconjoin
会合関係関与関連協同共役組み合わせ結合性結紮結線従事接合接合体同僚ドッキングバインディング複合物付随併用抱合抱合体結びつける約束癒合癒着連関連結連合連鎖連接、連絡、団結組合参加接続一対合併組み合わせるカップル組合せ


鉄結合能」

  [★]

iron-binding capacity, IBC
総鉄結合能 TIBC不飽和鉄結合能 UIBC



結合能」

  [★]

binding capacitybinding potential




★コメント★

[メモ入力エリア]
※コメント5000文字まで
ニックネーム:
コメント:




表示
個人用ツール


  meddic.jp

リンク
連絡