- 英
- vesicle
- 関
- 水疱、弛緩性水疱、緊満性水疱
WordNet
- a small anatomically normal sac or bladderlike structure (especially one containing fluid) (同)cyst
PrepTutorEJDIC
- 小嚢,小胞,小水(気)胞,小空胞
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/14 21:23:37」(JST)
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水疱(水ぶくれ) |
分類及び外部参照情報 |
足のII度の熱傷後に形成された水疱。緊満性である。
|
ICD-10 |
T14.0 |
ICD-9 |
919.2 |
DiseasesDB |
1777 |
MedlinePlus |
003239 |
MeSH |
D001768 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
水疱(すいほう)とは、皮膚疾患などでみられる皮疹の一つ。一般に水ぶくれ(みずぶくれ)と呼ばれる。皮膚の表皮中または表皮下にサラサラとした水分がたまり、半球状に隆起した状態を指す[1]。中の水分は損傷した組織からしみ出た血清やタンパク質などである[2]。ふつうは表皮にでき治りも早く痕も残らないが、全身性疾患に伴って皮膚の深い層にできた水疱は治癒に時間がかかり痕が残ることがある[2]。
湿疹(湿疹の3角形)でみられる滲液性丘疹は、丘疹の上に小水疱が出現している状態をいう。
目次
- 1 原因
- 2 分類
- 3 治療
- 4 水疱のみられる疾患
- 5 鑑別
- 6 関連項目
- 7 出典
原因
水疱の原因はウイルス感染のものとそれ以外に分けられる。ウイルス以外でできる水疱は、虫さされ[3]、熱傷(II度)[1][3]、湿疹[1]、水虫[3]、靴擦れ(肉刺)[3]、天疱瘡[2][3]、水疱症[1]など多種多様である。ウイルス感染でできる水疱は、ヘルペス感染症[1]、水痘(水疱瘡)[1]がある。
分類
大きさによる分類
- 直径5mm以上のものを水疱(英: Blister, Bulla)
- 直径5mm未満のものを小水疱(英: Vesicle)
性質による分類
- 緊満性水疱
- 水疱膜が厚くなかなか破れないタイプ。真皮または表皮と真皮の間など比較的深いところに出現する。水疱性類天疱瘡・疱疹状皮膚炎でみられる。
- 弛緩性水疱
- 水疱膜は薄くすぐ破れるタイプ。表皮内など浅いところに出現する。尋常性天疱瘡でみられる。
- 汗疱状水疱
- 足底や手掌の角層の厚いところにできる。表面が厚い角層で覆われているため破けず、小さい白色の粒のように見える。汗疱状湿疹・白癬でみられる。
治療
水疱のできた原因により治療法は異なる。ウイルス性の場合は抗ウイルス剤などで治療する。ウイルス以外の水疱、たとえば熱傷による水疱などには標準的な治療法はない。水疱を破くか破かないかは賛否両論である。水疱が破れてしまったときは破けた皮膚を除去しフィルム剤を貼って治療する。ジャガイモやアロエを使った民間療法は治癒を遅くするだけであるので避けるべきである。
水疱のみられる疾患
- 湿疹(接触性皮膚炎など)
- 水疱症(表皮水疱症・天疱瘡など)
- 熱傷
- 単純疱疹・帯状疱疹などのヘルペス感染症
鑑別
関連項目
出典
- ^ a b c d e f “医学用語辞典”. 健康診断.com. 2012年3月11日閲覧。
- ^ a b c “メルクマニュアル家庭版”. Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.. 2012年3月11日閲覧。
- ^ a b c d e “水ぶくれ(水疱)”. ここカラダ. 2012年3月11日閲覧。
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
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Japanese Journal
- 村田 翼,和田 麻友美,山崎 裕,佐藤 淳,浅香 拓哉,秦 浩信,北田 秀昭,北川 善政
- 北海道歯学雑誌 34(2), 120-126, 2014-03
- … 当科初診時,両手首に皮疹,口蓋に小水疱・糜爛,左頬粘膜に紅斑・白斑の網状病変,舌に発赤・糜爛を認めた.当院皮膚科に対診し,臨床所見・病理組織学的所見より水疱性扁平苔癬と診断された.治療により,小水疱の減少,症状の軽快を認めている. …
- NAID 120005425334
- リンパ腫の既往がある成人に発症し遷延した水痘の1例
- 丸山 彩乃,早石 佳奈,水野 麻衣,吉良 正浩
- 皮膚の科学 13(2), 89-92, 2014
- … 皮疹出現から27日後,小水疱・紅色丘疹が全身に散在していたため,水疱部より Tzanck 試験を施行し巨細胞を認めた。 …
- NAID 130004679570
- Reactive oxygen species (ROS) assay アッセイについて
- 尾上 誠良
- 日本毒性学会学術年会 40.1(0), 2052, 2013
- … 薬剤性光線過敏症は特定の薬剤投与後に露光により誘起される皮膚あるいは眼の異常反応であり,皮膚の紅斑,小水疱,丘疹,色素沈着等を特徴とする.近年,薬剤性光線過敏症に注目が集まり,医薬品開発における本毒性リスクの回避は重要な課題の一つとなっている.そのため,副作用リスクを予測可能なリサーチツール開発が望まれており,薬剤による光毒性リスクを予測するために様々な評価方法がこれまでに …
- NAID 130004676814
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★リンクテーブル★
[★]
- 1歳の男児。不機嫌と食欲不振とを主訴に来院した。昨夜から突然39℃台の発熱をきたしている。突発性発疹は罹患済みである。軟口蓋に紅彙を伴った小水疱を認めるが、口腔前方部と歯肉部とには認めない。
- この疾患について正しいのはどれか。
- a. 夏季に多い。
- b. 潜伏期は10~14日である。
- c. 四肢末端に発疹を伴う。
- d. 症状は10~14日続く。
- e. 抗ウイルス薬を投与する。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G010]←[国試_095]→[095G012]
[★]
- erratic adj. adj. 軌道の定まらない。一貫性のない、不安定な、不規則な
- bowel motion 腸運動、排便
- fit adj. adj. 体調がよい、健康で
- emaciated adj.
- glisten vi. ぴかぴか光る
- dislodge
- palliative
- erythema multiforme 多形紅斑
- dermatitis herpetiformis 疱疹状皮膚炎
- itch 痒み
- itching
- celiac disease セリアック病
- herpes gestationis 妊娠性疱疹
- 皮膚の水疱
- 83歳 男性
- 主訴:皮膚と口内における多数の水疱
- 現病歴:水疱は2日前より出現。水疱は破れやすく、赤色の有痛性病変が残る。3ヶ月前から5kg体重が減少しており、食欲が減退している。患者は体調の不調を自覚してた。排便習慣が不規則になり、排便にいくらか血液を認めた。
- 既往歴:生来、健康であり、既往なし。
- 生活歴:一人住まい
- 嗜好歴:喫煙・飲酒無し
- 服薬歴:処方薬なし。マルチビタミンタブレットは体調の不調を感じてから薬局で購入している。これ以外て薬を購入していない。
- 身体所見 examination
- 全身:emaciateで調子悪そうである
- 皮膚:全身の皮膚に水疱
- 口内:びらん(sore)あり sore→有痛性のびらん・潰瘍
- 脈拍:102/min、irregularly irregular → 不規則な不整脈 → ( )
- 血圧:160/78 mmHg
- 上記以外、心臓、呼吸器系に異常を認めない。
- 腹部触診:6cmの硬い結節を肝の辺縁に触知。可動性のある硬性の腫瘤を左腸骨窩に触知。
- 直腸診:鮮血色の血液と糞便の混合物が認められる
- 検査 examination
- 低値:Hb, MCV,Alb
- 高値:AlP
- Q1. まず皮膚病変の診断をつけろ。
- Q2. 次に皮膚病変と患者の病態を関連づけてみろ。
- A. 尋常性天疱瘡
- 特徴:表皮内水疱、弛緩性水疱、ニコルスキー現象、口内びらん、
- ・病因:癌腫、リンパ腫、胸腺腫、全身性エリテマトーデス、特定の薬物(ペニシラミン、カプトプリル)などによる
- 治療:ステロイド、免疫抑制薬
- 鑑別疾患
- ・水疱性類天疱瘡:緊満性水疱、水疱は尋常性天疱瘡に比べて破れにくく大型になりやすい。
- ・多形性紅斑:中心に水疱を伴った的形病変(target-shaped lesion with central blisters)。よく全身紅皮症と粘膜潰瘍と伴う(スティーブン・ジョンソン症候群)。病因は単純ヘルペスウイルス、薬剤(スルフォナミド)、悪性腫瘍。
- ・疱疹状皮膚炎:肘、膝、顔面に小水疱病変(vesicular lesion)が形成される。vesicleはblister(<0.5cm)より小さく、ひっかくことで破裂する。非常にかゆい。セリアック病に合併することがある
- ・その他の疾患
- ・糖尿病
- ・妊娠性疱疹
- ・家族性水疱疾患
- まとめ
- ・悪性腫瘍に合併しうる(→腫瘍の存在下で皮膚病変が出現したのであれば腫瘍随伴性天疱瘡と診断されるべき)、
- ・天疱瘡は気づかないうちに体液を喪失し、あるいは水疱からの感染の結果としての敗血症が生命を脅かす。
[★]
- 関
- 湿疹
[★]
- 英
- vesicle
- 関
- 小胞、ベジクル、小水疱
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- 英
- vesicle
- 関
- 小胞、ベシクル、小水疱
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- 英
- blister, bulla
- 関
- 小水疱、弛緩性水疱、緊満性水疱、水疱症、発疹
- 表皮内・表皮下に滲出液を入れた空隙を生じた状態
- 直径5mm以上
水疱を生じる疾患