型 | 密度 (g/mL) |
電気移動度 | 産生部位 | 組成 | 主なアポ蛋白 | ||||||||||||
脂 質 |
コ レ |
リ 脂 |
蛋 白 |
AI | AII | AIV | B48 | B100 | CI | CII | CIII | E | apo(a) | ||||
Chylomicrons | < 0.95 | Origin | 腸 | 85 | ● | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
Chylomicron remnants | <1.006 | Origin | 腸 | 60 | 20 | ● | ● | ||||||||||
VLDL | <1.006 | Pre-β | 肝臓 | 55 | 20 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
IDL | 1.006-1.019 | β | VLDL由来 | 35 | 25 | ● | ● | ||||||||||
LDL | 1.019-1.063 | β | IDL由来 | 60 | 5 | ● | |||||||||||
HDL | 1.063-1.210 | α | 肝臓、腸、血漿 | 5 | 20 | 25 | 50 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
HDL2 | 1.063-1.125 | α | |||||||||||||||
HDL3 | 1.125-1.210 | α | |||||||||||||||
Lp(a) | 1.050-1.090 | α | 肝臓 | 5 | 60 | ● | ● |
WIL TABLE 36-3 | ||||||||||||
リポ蛋白 | AI | AII | AIV | AV | B100 | B48 | CI | CII | CIII | E | apo(a) | D |
平均血漿濃度 (mg/dL) | 130 | 40 | 40 | <1 | 85 | Variable | 6 | 3 | 12 | 5 | Variable | 10 |
染色体 | 11 | 1 | 11 | 11 | 2 | 19 | 19 | 11 | 19 | 6 | 3 | |
分子量(kDa) | ∼29 | ∼17 (dimer) | ∼45 | 39 | ∼513 | ∼241 | ∼6.6 | 8.9 | 8.8 | ∼34 | ∼400-800 | ∼20 |
ペプチドの長さ(a.a.) | 243 | 77 | 376 | 343 | 4536 | 2152 | 57 | 79 | 79 | 299 | 4000-6000 | 169 |
主な合成部位 | 肝臓 小腸 |
肝臓 | 小腸 | 肝臓 | 肝臓 | 小腸 | 肝臓 | 肝臓 | 肝臓 | 肝臓 脳 皮膚 精巣 脾臓 |
肝臓 | 肝臓 小腸 |
主な機能 | ・HDLの構造蛋白 ・LCATのCofactor ・コレステロールの逆転送に重要 |
・apo-Eの受容体への結合を妨げる (E-AII複合体形成による) |
・細胞からのコレステロールの流出を促進する ・LCATの活性化 ・小腸からの脂質分泌を促進 |
・LPLを介した脂質分解の活性化 ・肝でのVLDL合成を妨げる? |
・VLDL・LDLの構造蛋白 ・LDL受容体のリガンド |
・カイロミクロンの構造蛋白 | ・レムナントの受容体への結合を調節する ・LCATを活性化する |
LPLのcofactor | ・レムナントの受容体への結合を調節する ・LPLを阻害する |
・LDLとレムナント受容体のリガンド ・局所の脂質の再配分 ・コレステロール逆転送(apo-EをもったHDL) |
血栓形成と線維素溶解を調節する | LCATの活性化? |
PNAS 1969 64:1128-1137
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/21 16:15:27」(JST)
この記事の正確性に疑問が呈されています。問題箇所に信頼できる情報源を示して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2010年5月) |
リポタンパク質(リポたんぱくしつ)は脂質が血漿中に存在する様態で、脂質とアポタンパク質が結合したものである[1]。
脂肪酸のような分極した分子を除き(遊離脂肪酸)、脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパクと呼ぶ)と結合させる必要がある。リポタンパクは、トリグリセリド(中性脂肪)および、細胞の生命維持に不可欠なコレステロールを多く含む球状粒子である。種類には、カイロミクロン(キロミクロン)、超低比重リポタンパク (VLDL)、中間比重リポタンパク (IDL)、低比重リポタンパク (LDL)、高比重リポタンパク (HDL)、超高比重リポタンパク (VHDL)のものがあり、WHOによってその基準が定められている[要出典]。
リポタンパクは、電気泳動法または超遠心にて分類される。通常見られるリポタンパクは次のようなものである。
3者の違いは、アガロース法はリポタンパク質を荷電で分析し、ポリアクリルアミドゲルディスク法では、主にリポタンパク質の粒子サイズの順に分析され、超遠心法はリポタンパク質の粒子の密度(体積あたりの重量)で分析される。 3者の間にはおよそ次の対応関係があるが正確ではない。
カイロミクロンを構成するアポタンパク質はアポB48で外因性リポタンパク質と呼ばれ、VLDL、LDL、HDLを構成するアポタンパク質はアポB100で、内因性リポタンパク質と呼ばれる。 VLDLがトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、IDLと称する。またLDL粒子がトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、small dense LDLと言い、ともに動脈硬化の原因物質といわれている。 ディスク電気泳動法では、IDLはミッドバンドと呼ばれている。
近年アポタンパクの研究が進み、タンパク自体も分類されるが、以下の各論を参照されたい。
キロミクロンとも。0.94 g/mL 未満のリポタンパクで、直径は 180 - 500 nm 程度[2]。
カイロミクロン中には約1:10の割合でコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)が含まれる。腸管から吸収された脂質が腸管粘膜でリポタンパクに再構成されリンパ管を通り中枢である肝臓に運ばれる。その役割を果たすのがカイロミクロンである。構成するアポタンパクとしてApoB48などがある。
LPL(リポタンパク質リパーゼ)欠損症では著しい高カイロミクロン血症をしめす。一方で、リポタンパクを合成するのに必要なMTP(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク)を欠損する場合無βリポタンパク血症になり、脂溶性ビタミンが運ばれなくなるのでビタミンAやビタミンEの欠乏症に似た夜盲症や末梢神経麻痺などの症状を来す。
1.006 g/mL 未満のリポタンパク[2]。
肝臓から筋肉などの末梢に脂質を供給する役割をもち、約1:5の割合でコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)が含まれる。構成するアポ蛋白としてApoB100などがある。
ApoB短縮症ではVLDLやLDLに乏しい低βリポ蛋白血症を来す。
1.006 - 1.019 g/mL のリポタンパク[2]。
LPLによりVLDLやカイロミクロンが水解され中性脂肪を失う過程のリポタンパク。レムナント(英語でremnant。remainと同系の単語)とも称される。通常は速やかに代謝されるが、インスリン抵抗性を背景としたメタボリックシンドロームの患者ではLPL活性が低下しており、ApoE変異症のIII型高脂血症の患者ではLDL受容体、VLDL受容体、LRP受容体への結合が進まず、レムナントが血中にうっ滞する。
PAG法電気泳動ではmidbandとして定性的・半定量的に測定可能である。また、抗ApoAI抗体と抗ApoB100抗体を使ったRLP-C測定キットでレムナントの多寡が定量的に評価できる。最近ではApoB48定量による評価も検討されている。
1.019 - 1.063 g/mL のリポタンパクで、直径は 22 nm 程度[2]。
リポタンパクの中でもコレステロール含有量が特に多く、「悪玉コレステロール」と呼ばれることもある。ApoBやApoEを認識するLDL受容体を介して主に肝臓に取り込まれ異化される。
LDL受容体欠損症は家族性高コレステロール血症(FH:familial hypercholesterolemia)とよばれ、特にホモ欠損症では総コレステロール値が600mg以上にもなり思春期にも虚血性心疾患など重篤な動脈硬化症に至る。
LDLが酸化・変性・糖化することによってLDL受容体への親和性を失う(酸化LDL)。その場合、スカベンジャー受容体などを経てマクロファージに取り込まれ、マクロファージの機能を変化させることにより動脈硬化症を発症すると考えられている。
最近ではスモールデンス(sd-LDL)と呼ばれるLDL受容体への親和性を失い、小粒子故に血管壁に浸透しやすい種類のLDLが虚血性心疾患に関与していることもわかってきた。粒子径は25.5nm以下である。比重で分画した場合1.040 - 1.063のLDLに相当する。
1.063 - 1.21 g/mL のリポタンパク[2]。
血管内皮に蓄積したコレステロールを掃除したり、動脈硬化を抑える働きをするので、「善玉コレステロール」と呼ばれることもある。構成するアポタンパクとしてApoAIなどがある。LDLやVLDLとの間でHDLの中性脂肪とLDLやVLDLのコレステロールをCETP(コレステリルエステル転送タンパク)を用いて交換し、コレステロールはLDL受容体を介し肝臓に逆転送しやすくしている。
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「脂質異常症」「高比重リポ蛋白」「ピックアップ」「リポ蛋白(a)」「プレβ-リポ蛋白」 |
拡張検索 | 「高密度リポ蛋白レセプター」「高密度リポ蛋白質コレステロール」「低αリポ蛋白血症」「LDLリポ蛋白」「低βリポ蛋白血症」 |
関連記事 | 「白」 |
型分類 | 増加するリポ蛋白 | 血清脂質の変動 | コレステロール (mg/dl) |
トリグリセリド (mg/dl) | ||
正常 | - | - | <220 | <150 | ||
I型高脂血症 | 高カイロミクロン血症 | hyperchylomicronemia | カイロミクロン | 中性脂肪著明増加 | <260 | >1000 |
IIa型高脂血症 | 高コレステロール血症 | hypercholesterolemia | LDL | コレステロール増加 | >220 | >150 |
IIb型高脂血症 | 複合型高脂血症 | combined hyperlipidemia | LDL, VLDL | コレステロールと中性脂肪増加 | >220 | 150-300 |
III型高脂血症 | 異常βリポ蛋白血症 | dysbetalipoproteinemia | IDL | 電気泳動でbroad β | 350-500 | 350-500 |
IV型高脂血症 | 高トリグリセリド血症 | hypertriglyceridemia | VLDL | 中性脂肪増加 | <240 | 200-1000 |
V型高脂血症 | 複合型高トリグリセリド血症 | mixed hypertriglyceridemia | カイロミクロン, VLDL | 中性脂肪著明増加 | <300 | >1000 |
I型 | II型 | III型 | IV型 | V型 | |||
IIa型 | IIb型 | ||||||
高カイロミクロン血症 | 高コレステロール血症 | 複合型高脂血症 | 異常βリポ蛋白血症 | 高トリグリセリド血症 | 複合型高トリグリセリド血症 | ||
増加リポ蛋白 | CM | ++ | + | ||||
VLDL | + | + | + | ||||
IDL | + | ||||||
LDL | + | + | |||||
血漿脂質 | TC | + | +++ | ++ | ++ | /+ | + |
TG | +++ | ++ | ++ | ++ | +++ | ||
TC/TG | <0.2 | >1.6 | 不定 | ≒ | 0.6-1.6 | <0.6 | |
病因 | ・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症) |
LDL受容体異常 | 不明 | アポE異常 (E2/E2など) |
不明 (内因性高脂血症) |
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症) | |
臨床所見 | 発症時期 | 小児期 | 小児期~成人 | 成人 | 成人 | 小児期~成人 | |
肝脾肥大 |
+++ | - | + | +++ 脾のみ |
+++ | ||
腹痛 | + | + | + | ||||
膵炎 | + | + | |||||
網膜脂血症 | + | + | |||||
肥満 | + | + | |||||
角膜輪 | + | + | |||||
冠動脈疾患 | まれ | 最も高率 | 高率 | 中程度 | 比較的まれ | ||
黄色腫 | 発疹状 | 黄色板状 結節状 腱黄色腫 |
手掌線 結節状 発疹状 |
発疹状 | |||
耐糖能 | 正常 | 正常 | 正常 | 異常多い | 異常多い | ||
高尿酸血症 | なし | なし | 少ない | 多い | 多い | ||
遺伝 | 劣性遺伝 | 優性遺伝 | 劣性遺伝 | 優性遺伝 | 不明 | ||
頻度 | まれ | 多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ) |
多い 200人中 1人 |
少ない 1万人中 2-3人 |
最も多い | まれ | |
血清静置試験 | 上層:乳濁 | 透明 | わずかに混濁 | 混濁、 時にミルク状 |
混濁 | 上層:乳濁 | |
下層:透明 | 下層:混濁 | ||||||
特徴 | small dense LDL の存在 |
broad β |
血清TG | 血清TC | ||
内分泌代謝疾患 | 甲状腺機能低下症 | +++ | |
クッシング症候群 | + | ++ | |
先端性肥大症 | + | ||
糖尿病 | +++ | +~++ | |
痛風 | + | ||
神経性食思不振症 | ++ | ||
ウェルナー症候群 | ++ | ||
肝疾患 | 閉塞性肝・胆道疾患 | +++ | |
肝癌 | ++ | ||
腎疾患 | ネフローゼ症候群 | ++ | +++ |
慢性腎不全 | +++ | ||
免疫異常 | 全身性エリテマトーデス | +++ | |
骨髄腫 | ++ | + | |
薬剤など | サイアザイド | + | + |
β遮断薬 | + | ||
シクロスポリン | + | ||
経口避妊薬 | +++ |
治療方針の原則 | カテゴリー | 脂質管理目標値(mg/dL) | |||||
リスク群 | LDL-C以外の主要危険因子 | LDL-C | HDL-C | TG | |||
一次予防 | まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する | I | 低リスク群 | 0 | <160 | ≧40 | <150 |
II | 中リスク群 | 1~2 | <140 | ||||
III | 高リスク群 | 3以上 | <120 | ||||
二次予防 | 生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する | 冠動脈疾患の既往 | <100 |
高比重リポ蛋白 : 約 232,000 件 高比重リポタンパク : nothing 高比重リポ蛋白質 : 約 59,000 件 高比重リポタンパク質 : 約 83,500 件 高密度リポ蛋白 : 約 113,000 件 高密度リポタンパク : 約 72,400 件 高密度リポ蛋白質 : nothing 高密度リポタンパク質 : 約 203,000 件
薬理 薬物、ウイルス一覧、難病リスト、疾患名一覧、難病、抗不整脈薬、化膿性髄膜炎、原虫、子宮体癌、膠原病、脂質異常症、全身性エリテマトーデス、糖質コルチコイド、消毒薬、非ステロイド性抗炎症薬、蠕虫、細菌、肺癌、心不全、結節性多発動脈炎、常位胎盤早期剥離、血糖降下薬、重症筋無力症、ホルモン、リポ蛋白、人口、脳神経、イソプロテレノール、下垂体腺腫、関節リウマチ、尿沈渣、アドレナリン受容体、アミノ酸、低ナトリウム血症、神経性食思不振症、降圧薬、妊娠、シェーグレン症候群、免疫グロブリン、フォン・ギールケ病、感染症法、クローン病、文献の略号、細菌の鑑別、呼吸器の上皮の移行、原発性胆汁性肝硬変、心音、クッシング症候群、バーター症候群、気管支喘息、食中毒菌、利尿薬、ワクチン、敗血症性ショック、消化器系、アミロイドーシス、下肢の筋、トキソプラズマ症、僧帽弁閉鎖不全症、慢性リンパ性白血病、アレルギー、真菌、サイトカイン、抗てんかん薬、全身性強皮症、アカラシア
リポ蛋白 : 約 88,800 件 リポ蛋白質 : 約 35,100 件 リポタンパク : 約 32,700 件 リポタンパク質 : 約 75,800 件 リポプロテイン : 約 13,200 件 リポ蛋白(a) : 約 52,200 件 リポ蛋白質(a) : 29 件 リポタンパク(a) : 56 件 リポタンパク質(a) : 40 件 リポプロテイン(a) : 約 23,900 件
プレβ-リポ蛋白 : 38 件 プレβ-リポ蛋白質 : 8 件 プレβ-リポタンパク : 15 件 プレβ-リポタンパク質 : 11 件
.