ボルテゾミブ

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bortezomib
ベルケイド
その他の腫瘍用薬


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和文文献

  • 多発性骨髄腫のこれまでの治療と最近の治療について
  • 高橋 正知
  • 東京女子医科大学雑誌 83(E2), E476-E484, 2013-03-31
  • … サリドマイドがMMに有効であることが明らかとなり、その後ボルテゾミブおよびレナリドマイドが治療に用いられ、これまでの標準治療とされてきたメルファラン、プレドニゾンによるMP療法からMMに対する治療が大きく変わりつつある。 …
  • NAID 110009575055
  • 多発性骨髄腫の標準的な寛解導入療法-新薬を含む多剤併用療法の現況-
  • 和田 眞紀夫
  • 東京女子医科大学雑誌 83(E2), E470-E475, 2013-03-31
  • … ,近年、サリドマイド、レナリドミド、ボルテゾミブなどの新薬が多発性骨髄腫の寛解導入療法に取り入れられて、骨髄腫患者さんの予後が明らかに改善した。 … 移植候補者の寛解導入療法としては、デキサメタゾンに新薬のボルテゾミブとドキソルビシンもしくはシクロフォスファミド、あるいはさらに新薬のサリドマイドもしくはレナリドミドを組み合わせた治療法が推奨されている。 …
  • NAID 110009575054
  • 臨牀指針 ボルテゾミブ治療が奏功し,骨形成を認めた髄外形質細胞腫2症例
  • 武藤 敏孝,安部 康信,池田 元彦 [他]
  • 臨牀と研究 89(12), 1700-1702, 2012-12-00
  • NAID 40019542161

関連リンク

ボルテゾミブ(ベルケイド)はプロテアソーム阻害剤と呼ばれる分子標的薬で、細胞内にあるプロテアソームと呼ばれる酵素の働きを阻害して、骨髄腫細胞の増殖を抑制します。日本では承認されたばかりなので臨床例は限られて ...
国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスのウェブサイトです ... 患者向医薬品ガイド インタビューフォーム 未承認薬使用問題検討会議ワーキンググループによる報告書(PDF)(以下に一部引用)

関連画像

ボルテゾミブの抗腫瘍作用が あ り ボルテゾミブ に ボルテゾミブの構造。ボルテゾミブ系,ボルテゾミブ 35.ベルケードの作用機序

添付文書

薬効分類名

  • 抗悪性腫瘍剤(プロテアソーム阻害剤)

販売名

ベルケイド注射用3mg

組成

成分・含量

  • 1バイアル中ボルテゾミブ3mg含有

添加物

  • D-マンニトール30mg

禁忌

  • ボルテゾミブ、マンニトール又はホウ素に対して過敏症の既往歴のある患者

効能または効果

  • 多発性骨髄腫
  • マントル細胞リンパ腫
  • 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

未治療の多発性骨髄腫

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11、22、25、29、32日目に静脈内投与又は皮下投与し、10日間休薬(33〜42日目)する。この6週間を1サイクルとし、4サイクルまで投与を繰り返す。5サイクル以降は、1日1回、1、8、22、29日目に静脈内投与又は皮下投与し、13日間休薬(30〜42日目)する。この6週間を1サイクルとし、9サイクルまで投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。

再発又は難治性の多発性骨髄腫

  • 通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を週2回、2週間(1、4、8、11日目)静脈内投与又は皮下投与した後、10日間休薬(12〜21日目)する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
    8サイクルを超えて継続投与する場合には上記の用法・用量で投与を継続するか、又は維持療法として週1回、4週間(1、8、15、22日目)静脈内投与又は皮下投与した後、13日間休薬(23〜35日目)する。この5週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。

マントル細胞リンパ腫

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11日目に静脈内投与した後、10日間休薬(12〜21日目)する。この3週間を1サイクルとし、6サイクルまで(6サイクル目に初めて奏効が認められた場合は8サイクルまで)投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。なお、静脈内投与が困難な場合には、皮下投与することもできる。
  • 本剤を含むがん化学療法は、「臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の状態や化学療法歴に応じて選択をすること。
  • 他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
  • 未治療の多発性骨髄腫及びマントル細胞リンパ腫に対し、本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
  • マントル細胞リンパ腫に対しては、皮下投与の臨床試験成績は得られていない。
  • 本剤の投与については、以下の記載に従って、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこと。

多発性骨髄腫における用量調節

Grade 3/4の副作用の場合(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)

  • Grade 3以上の非血液毒性(末梢性ニューロパチー・神経障害性疼痛を除く)又はGrade 4の血液毒性に該当する副作用が発現した場合は、回復するまで休薬する。投与を再開する場合には、本剤の投与による有益性と危険性を慎重に検討した上で、下表を目安として減量等を考慮する。副作用が回復しない場合又は最低投与量(0.7mg/m2)でも再発する場合は、本剤の投与中止を考慮する。

Grade 3/4の副作用(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)に対する減量の目安

副作用発現時の投与量:1.3mg/m2

  • 減量の目安:1.0mg/m2

副作用発現時の投与量:1.0mg/m2

  • 減量の目安:0.7mg/m2

副作用発現時の投与量:0.7mg/m2

  • 減量の目安:投与中止
  • *NCI-CTCAE v4.0
  • 末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛について
    本剤に起因すると考えられる末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛が発現した場合は、以下に示す用法・用量変更の目安に従って減量、休薬又は中止すること。

末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛に対する用法・用量変更の目安

NCI-CTCAE Grade(症状)
疼痛又は機能消失を伴わないGrade 1(症状がない;深部腱反射の低下又は知覚異常)

  • 用法・用量変更の目安
    なし

NCI-CTCAE Grade(症状)
疼痛を伴うGrade 1又はGrade 2(中等度の症状がある;身の回り以外の日常生活動作の制限)

  • 用法・用量変更の目安
    1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量又は1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量

NCI-CTCAE Grade(症状)
疼痛を伴うGrade 2又はGrade 3(高度の症状がある;身の回りの日常生活動作の制限)

  • 用法・用量変更の目安
    回復するまで休薬。症状が回復した場合は、0.7mg/m2に減量した上で週1回投与に変更

NCI-CTCAE Grade(症状)
Grade 4(生命を脅かす;緊急処置を要する)

  • 用法・用量変更の目安
    投与中止
  • *NCI-CTCAE v4.0

マントル細胞リンパ腫における用量調節

  • 新たなサイクルを開始する前に以下を確認すること。
  • ・血小板数が100,000/μL以上、好中球数が1,500/μL以上及びヘモグロビン値が8g/dL以上であること。
  • ・非血液毒性がGrade 1又は投与前値に回復していること。

副作用発現時の用法・用量変更の目安

副作用
発熱を伴うGrade 3以上の好中球減少症、7日間を超えて持続するGrade 4の好中球減少症、血小板数10,000/μL未満が発現した場合

  • 用法・用量変更の目安
    好中球数が750/μL以上、血小板数が25,000/μL以上に回復するまで最長2週間本剤を休薬する。
    ・本剤休薬後も副作用が上記の基準まで回復しない場合には、本剤の投与を中止すること。
    ・副作用が上記の基準まで回復した場合には、本剤の投与量を1段階減量して投与する。(1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量、1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量)

副作用
本剤投与日(各サイクルの第1日目以外)に血小板数が25,000/μL未満又は好中球数が750/μL未満の場合

  • 用法・用量変更の目安
    本剤の投与を最長2日間延期し、2日を越える延期を要する場合は本剤を休薬する。

副作用
Grade 3以上の非血液毒性が発現した場合(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)

  • 用法・用量変更の目安
    Grade 2以下に回復するまで本剤を休薬する。回復した場合は本剤の投与量を1段階減量して投与する。(1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量、1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量)

副作用
末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛が発現した場合

  • 用法・用量変更の目安
    「5.(1).2)末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛について」に従うこと。
  • *NCI-CTCAE v4.0

注射液の調製法

静脈内投与

  • 1バイアルを日局生理食塩液3.0mLで溶解して使用すること。

皮下投与

  • 1バイアルを日局生理食塩液1.2mLで溶解して使用すること。

注射液の調製法

投与経路:静脈内投与

  • ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
    日局生理食塩液:3.0mL
    ボルテゾミブ最終濃度:1.0mg/mL

投与経路:皮下投与

  • ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
    日局生理食塩液:1.2mL
    ボルテゾミブ最終濃度:2.5mg/mL


慎重投与

  • 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害の既往歴のある患者[投与前に間質性陰影を認めた患者で致死的な急性肺障害の経過をたどる例が報告されている(「警告」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]。ただし、肺障害の危険因子は現時点では明確でないため、肺障害の既往歴のない患者においても、慎重な経過観察を行う必要がある。
  • 肝障害のある患者[本剤のクリアランスが低下し、副作用が強くあらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
  • 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重大な副作用

肺障害注)

  • 間質性肺炎(3.1%)、胸水(1.9%)、急性肺水腫(0.4%)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、胸水、咳、及び発熱等の自覚症状や、胸部聴診所見、呼吸数等での異常の有無を慎重に観察すること。また、必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT等の検査を適切に実施し、慎重に経過を観察すること。肺障害と診断された場合には、適切な処置を行うこと。

心障害注)

  • うっ血性心不全(2.5%)、心嚢液貯留(0.5%)、心肺停止、心停止、心原性ショック(いずれも頻度不明)があらわれることがある。また、投与前の左室駆出率に異常の無い患者においても左室駆出率低下が報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。海外臨床試験においてQT間隔延長の報告があるが、薬剤との関連性については明らかになっていない。

末梢神経障害注)

  • 末梢性ニューロパチー(19.7%)、感覚減退(18.5%)、末梢性感覚ニューロパチー(3.0%)、神経障害性疼痛(1.6%)、末梢性運動ニューロパチー(1.1%)、錯感覚(0.5%)、灼熱感(0.5%)があらわれることがあり、重症の感覚性ニューロパチーも報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験においてGrade 2以上の末梢性ニューロパチーを認めた患者では用量調整により末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が51%で認められた。また、海外第II相試験においてGrade 3以上の末梢性ニューロパチーを発現した患者又はGrade 2のニューロパチーを呈し、投与を中止した患者では、末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が73%で認められた。

骨髄抑制注)

  • 血小板減少(71.4%)、白血球減少(39.8%)、貧血(27.3%)、好中球減少(27.1%)、リンパ球減少(21.0%)、発熱性好中球減少症(1.7%)、汎血球減少(0.5%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。骨髄機能が抑制された結果、感染症(敗血症性ショック等)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。

イレウス注)

3.2%

  • イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、食欲不振、嘔吐、便秘、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

,*肝機能障害注)

  • AST(GOT)の増加(10.3%)、ALT(GPT)の増加(11.0%)、γ-GTPの増加(0.8%)、Al-Pの増加(12.1%)及び血中ビリルビンの増加(1.8%)等を伴う肝機能障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

低血圧注)

  • 低血圧(3.7%)、起立性低血圧(2.4%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。

腫瘍崩壊症候群注)

5.4%

  • 腫瘍量の急激な減少に伴い、腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれることがあるため、予防措置として、高尿酸血症治療剤の投与及び適切な水分補給等を考慮すること。急激に腫瘍量が減少した患者においては血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)注)

頻度不明

  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

発熱注)

29.5%

  • 本剤の投与日から翌日にかけて高頻度にGrade 1〜2の薬剤性の発熱があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、必要に応じて解熱剤等による処置を考慮すること。また発熱が持続する場合や呼吸器症状を伴う場合には、肺障害の可能性について注意すること。

可逆性後白質脳症症候群注)

0.1%

  • 可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣、血圧上昇、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)があらわれることがあるので、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

進行性多巣性白質脳症注)

頻度不明

  • 進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

薬効薬理

薬理作用22)、23)、24)、26)

  • ボルテゾミブは、in vitro試験において、ヒト骨髄腫由来RPMI8226及びU266 細胞株、ヒトマントル細胞リンパ腫由来SP53、MINO、Grant 519 及びJeko-1 細胞株並びに多発性骨髄腫及びマントル細胞リンパ腫患者から分離した腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導した。また、ドキソルビシン、ミトキサントロン、メルファラン又はデキサメタゾンに耐性となった骨髄腫細胞株に対しても増殖抑制作用を示した。
  • ボルテゾミブは、RPMI8226 細胞株を移植した担癌マウスにおいて、腫瘍の増大を抑制し、延命効果を示した。

作用機序22)、24)、25)、26)

  • ボルテゾミブは、腫瘍細胞のプロテアソームを阻害することにより、その増殖を抑制しアポトーシスを誘導する。
  • ボルテゾミブは、細胞の増殖やアポトーシスを制御する転写因子NF-κBの活性化を阻害する。
  • ボルテゾミブは、NF-κBの活性化を阻害することにより、骨髄腫細胞と骨髄ストローマ細胞の接着を阻害し、IL-6等のサイトカインの分泌を抑制し、骨髄腫細胞の増殖を抑制する。


有効成分に関する理化学的知見

性状

  • 白色〜微黄白色の粉末又は塊

溶解性

  • 2-プロパノール又はアセトニトリルに溶けにくい。

分配係数

  • k0=100.87(pH1〜8)
    k1<0.1(pH8.5以上)
    (1-オクタノール/水)


★リンクテーブル★
先読みその他の腫瘍用薬
国試過去問110D056
リンク元多発性骨髄腫

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110D056」

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  • 65歳の男性。健康診断で赤血球増加を指摘され来院した。3年前に下肢深部静脈血栓症の既往がある。意識は清明。顔面と口腔粘膜が紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝を右肋骨弓下に1cm触知し、脾を左肋骨弓下に4cm触知する。脈拍 88/分、整。血圧 170/100mmHg。血液所見:赤血球 760万、Hb 20.1g/dL、Ht 54%、白血球 7,100(骨髄球 1%、後骨髄球 1%、桿状核好中球 2%、分葉核好中球 69%、好酸球 1%、単球 9%、リンパ球 17%)、血小板 39万。エリスロポエチン 3mIU/mL(基準 8~36)。骨髄生検で赤芽球、顆粒球および巨核球の3血球系統の過形成を認める。骨髄細胞染色体分析で異常を認めない。JAK2遺伝子変異を認める。
  • 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 110D055]←[国試_110]→[110D057

多発性骨髄腫」

  [★]

multiple myeloma, MM
形質細胞性骨髄腫plasma cell myelomaカーラー病 Kahler diseaseカーラー-ボゾーロ症候群 Kahler-Bozzolo syndrome
単クローン性免疫グロブリン血症
  • first aid step1 2006 p.219,296

概念

  • 免疫グロブリン産生細胞である形質細胞が腫瘍化し、骨髄を主体として増殖する疾患

病因

  • 腫瘍細胞の増殖と生存:形質細胞と骨髄間質細胞の産生するIL-6の作用による (APT.77)
  • 遺伝子、染色体:t(4;15), which jyxtaposes the IgH locus with fibroblast growth factor receptor 3(FGFR3) gene

疫学

  • 罹患率:10万人に対して約2人
  • 60歳以上の高齢者に多い。50-60歳でピーク

病変形成&病理

  • 骨融解:骨髄腫細胞がosteoclast-activating factor(OAF)を分泌することによる → punched out defect
  • 骨髄:異常形質細胞の増加

症候

  • 全身倦怠、貧血 ← 貧血による症状
  • 腰痛
  • (進行した例)
  • 病的骨折や骨融解(骨融解像)などの骨病変 →腰痛・背部痛、高カルシウム血症
  • 腎機能障害:蛋白尿
  • 易感染性

骨病変 (WCH.2561)

  • 骨病変は少なくとも70%の患者に見られ、精度の高い検査方法では殆どの患者で発病変が見いだされる。四肢が冒されるかもしれないが、もっとも頻度が高いのは脊柱である。動きや体重の加重により痛みが増悪するのが特徴である。
  • 椎体圧迫骨折や腫瘤により脊椎圧迫症状をきたしうる → 対麻痺、膀胱直腸症状

腰痛 (WCH.2561)

  • 5-10%の患者で背中痛を訴える。この痛みは動きと関連しており、咳、くしゃみ、体重の加重によって悪化する。患者は堅苦しく歩き、検査台やx線の台の乗り降りをするのが非常に困難である。

合併症

検査

血算

  • 赤血球:中程度の正球性赤血球貧血
  • ときに、白血球減少・血小板減少

血液生化学

  • 血清総蛋白量:増加
  • アルブミン:減少
  • γグロブリン(=免疫グロブリン)↑
  • 血清蛋白分画Mスパイク出現
  • 腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞)がIgG、IgA、IgD、IgEを産生 (IgMを単クローン性に産生する場合は別の病名がつく。)
  • CRP:陰性

血液塗沫標本

  • 赤血球の連銭形成:M蛋白(γグロブリンは正に帯電。Mタンパクもおそらく正に帯電)
  • 骨髄腫細胞は稀 → 多数なら形質細胞性白血病

免疫グロブリン

骨髄検査

  • 細胞表面抗原
  • CD38(+), CD56(+), CD19(-)。(⇔正常な形質細胞:CD56(-), CD19(+)
  • 多発性骨髄腫においてCD56(+)は70%、CD56(-)は30%

骨髄穿刺

  • 異型性の形質細胞が有核細胞の10%以上認められ,細胞表面抗原検査にて単クローン性形質細胞と同定されることによりなされる。
  • 骨髄内で形質細胞が単クローン性に増加
→血清中に単クローン性免疫グロブリン↑(=M蛋白)
尿中に免疫グロブリンのL鎖(κ,λ鎖)出現
ベンス・ジョーンズタンパク質

血清蛋白電気泳動

  • ガンマグロブリン分画に急峻なピーク(M-peak)
[show details]

尿検査

単純X写真

  • 頭部:頭蓋骨の打ち抜き像 punched-out lesion
  • 腰部:脊椎の圧迫骨折
[show details]

骨シンチグラム

  • 陰性(骨形成反応がないため)

診断

診断基準(2003年)

  • Mタンパク + (高カルシウム血症 + 腎機能障害 + 貧血 + 骨病変) CRAB(calcium, renal insufficiency, anemia, bone lesion)

病期

参考3 YN.G-68
β2ミクログロブリン
(mg/L)
5.5 Stage III
  Stage II
3.5   Stage I
0
  0 3.5  
アルブミン(g/dL)
  • Stage I:アルブミン3.5g/dl以上、β2ミクログロブリン3.5mg/L未満
  • Stage II: Stage I ~ Stage III
  • Stage III: β2ミクログロブリン5.5以上
  • Stage別平均余命:I 62ヶ月、II 44ヶ月、III 29ヶ月

治療

(参考1)
  • 治療方針:初期治療、維持療法、再発・難反応期治療がある。
  • 初期治療:
  • 化学療法:MP療法と多剤併用療法があるが、後者は奏効率は高いが生存期間延長効果がないため、一般的にはMP療法を行う。化学療法のみで治癒は困難であり、プラトー(臓器障害を認めない状態が3ヶ月以上持続)に達した後に維持療法を行う。
  • 骨髄移植適応無し
  • 骨髄移植適応有り
  • 維持療法:
  • インターフェロン:無事象生存期間、全生存期間の中央値はそれぞれ6ヶ月、7ヶ月の延長効果があったが、副作用を考慮し必ずしも推奨されない。
  • プレドニゾロン:50mg投与隔日投与でで有効性が認められたが、副作用の発現リスクが高くなるため日本ではあまり行われていない。
  • 再発・難反応例:
  • サリドマイド(認可??):単剤で30%、デキサメタゾンとの併用で40-50%、化学療法との併用では50-60%の奏効率が報告されている。
  • ボルテゾミブ(認可??):デキサメタゾンとの併用が推奨されている。副作用は末梢神経障害、血小板減少。
  • レナリドマイド(認可??):サリドマイド誘導体。サリドマイドに比べて効果は高く、末梢神経障害、消化器症状、神経症状、DVT等の副作用が軽い。
  • 支持療法
  • 骨病変:
  • 高カルシウム血症:
  • 口渇・意識障害など明らかな臨床症状:生理食塩水+ビスホスホネート点滴静注。ステロイドやカルシトニンを併用すると有効な場合もある。
  • 腎障害:M蛋白による尿細管の障害、高カルシウム血症、高尿酸血症、アミロイドーシス、尿路感染症、骨髄腫細胞浸潤などで腎障害をきたす。輸液、アシドーシス補正、電解質補正、血液透析。腎障害がある場合の化学療法には腎障害の少ないVAD療法()かデキサメタゾン大量療法が推奨される。
  • 過粘稠度症候群:
  • 血漿交換療法、ダブル濾過法、段階濾過法
  • アミロイドーシス:
  • 心臓、腎臓、消化管、舌等の臓器に沈着し、臓器障害をきたす。約30%の症例にみられるが、有償状は10%未満。予後を規定する心機能をモニターするため、心エコーでフォローする。アミロイドーシス自体に対する有効な治療はなく、原疾患の治療を早くすることが必要である。

参考

  • 1. 多発性骨髄腫の治療 - がん情報サービス
http://ganjoho.jp/public/cancer/data/myeloma_therapy.html
  • 2. [charged] 多発性骨髄腫の臨床的特徴、検査所見、および診断 - uptodate [1]
  • 3. [charged] 多発性骨髄腫における病期分類および予後研究 - uptodate [2]

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