- 英
- Kussmaul sign, Kussmaul's sign
- 同
- クスマウル Kussmaul
- 関
- 頚静脈怒張
- 吸気時に観察される頚静脈拡張。中心静脈圧、右心房圧の高度の上昇による ← 健康な状態では吸気時には心房に血液が流れ込んで頚静脈は虚脱するはずなのに
原因疾患
UpToDate Contents
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- 1. 頚静脈波の検討 examination of the jugular venous pulse
- 2. 心タンポナーデ cardiac tamponade
- 3. 収縮性心膜炎 constrictive pericarditis
- 4. 収縮性心膜炎と拘束性心筋症の区別 differentiating constrictive pericarditis and restrictive cardiomyopathy
- 5. 特発性拘束性心筋症 idiopathic restrictive cardiomyopathy
Related Links
- 【ベストアンサー】別物です。 Kussmaul徴候は、通常吸気時に頸動脈怒張が軽減するものが、吸気時に頸静脈怒張することを言います。 Kussmaul呼吸は、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく 続く ...
- Definition of クスマウル徴候 in Seadict Japanese online Dictionary. Meaning of クスマウル徴候. Pronunciation of クスマウル徴候. Translations of クスマウル徴候. クスマウル徴候 synonyms, クスマウル徴候 antonyms. Information about ...
- Beckの三徴が有名で、静脈圧上昇、動脈圧低下、心拍動の減少です。 心臓の拡張障害により右室拡張期圧が上昇し、静脈還流が阻害されるので、 頸静脈怒張、肝腫大などの右心不全徴候が見られます。 吸気時には静脈還流が増加します ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- constrictive pericarditis, CP
- ラ
- pericarditis constrictiva
- 同
- 収縮性心外膜炎
- 関
- 心膜炎
概念
- 急性心膜炎のちに、心膜に線維性肥厚と癒着、あるいは石灰化を来し、心臓拡張期の血流充満が障害され、拍出量低下と右心系にのうっ滞を生じる
- 肥厚した心膜が線維化・石灰化して慢性的に心臓を覆う状態が心膜癒着
病因
分類
病理
症状
- 脱力感、倦怠感、体重増加、腹囲の増加、腹部不快感、腹部の突出(protuberant abdomen)、浮腫 (HIM.1494)
- (重症の症例)全身性浮腫、筋廃用、cachexia (HIM.1494)
- 労作時呼吸困難。きざ呼吸もあり得るが、重度ではない (HIM.1494)
病態生理と症状
- 静脈圧上昇 :肝うっ血、頚静脈怒張、浮腫
- 肺静脈圧上昇:心不全(呼吸困難、起坐呼吸)
↓
↓
身体所見
- 脈:脈圧:正常 or 低下。1/3の症例で奇脈 (HIM.1494)
- うっ血性肝腫大:腹水(浮腫より顕著)、黄疸 (HIM.1494)
- 心尖拍動減弱、may retract in systole(Broadbent's sign)
- 心膜ノック音 → 半数の症例で聴取?(QB.C-361) → 拡張早期過剰音/拡張早期過剰心音 と表現される
検査
- 心カテーテル検査:右室圧曲線において、拡張期早期の急峻な圧低下とその後のプラトーが特徴的。dip and plateau pattern
治療
- 方針:症状が持続的/増悪傾向にあればpericardiectomyを行う。心膜の拘縮や一時的/可逆的である例も少数ながら存在するため、診断がついた患者であって慢性症状がなく、血行動態が安定していれば、手術を行う前に2-3ヶ月間保存的に経過を観察する。(参考1)
- 心拍数を下げる薬はよくない(カルシウム拮抗薬、β遮断薬)
- In constrictive pericarditis, the negative intrathoracic pressure generated by inspiration is not easily transmitted through the rigid pericardial shell to the right-sided heart chambers; therefore, inspiratory augmentation of RV filling is more limited.
- 収縮性心膜炎では胸腔内圧の陰圧に心臓が影響されにくい。このために静脈還流量の変動は少なく、呼吸によらず頚静脈が怒張する? 左室への血流量も呼吸の影響を受けにくいために奇脈は心タンポナーデと比べて見られる頻度は低い?
参考
- 1. [charged] Constrictive pericarditis - uptodate [1]
[★]
- 英
- cardiac tamponade (M)
- 関
- 心膜血腫、ベック三徴、閉塞性ショック
- 心膜腔になんらかの液体が充満して心室への血流を制限する状態
病因
- 心膜腔に漿液、血液、ガス、腫瘍が存在することによる
- 急性的に心膜液が100-150ml貯留することで症状を呈する(資料によっては150-200ml)。
病態
- まとめると、「右心不全」と「左心不全の前方不全」による症状が出現する、と考えられる? ← 肺にまつわる症状は出現しない?(そもそも右心系から肺循環にうっ血するほど血液が拍出されないから?)
- 心嚢水の貯留により心臓の低圧部位が圧迫され、虚脱する(心嚢水の貯留により高圧部位の圧力が心嚢水を介して伝わる)。収縮期早期に低圧なchamberは右房、拡張期に低圧なのは右室であり、この部位が虚脱しやすい(出典不明)。
- 右心型 (SUR.401)
- 右心系への還流異常による中心静脈圧上昇 → 頚動脈怒張(クスマウル徴候 ← 顕著には出現しないはずだが?)、肝腫大、右心房圧上昇、下大静脈圧上昇
- 左心系 (SUR.401)
- 心拍出量低下 → 奇脈、脈圧低下、心音減弱、頻脈、呼吸困難、失神 (SUR.401)
症状
- ベック三徴 Beck's triad:静脈圧上昇、血圧低下、心拍動微弱
- 心拍出量低下 → 血圧低下、奇脈
検査
- 胸部単純X線写真:心拡大
- 心エコー:心嚢水貯留。右房、右室の虚脱。
治療
- 心嚢穿刺、開窓術による心嚢内血液除去
- 支持的療法:(軽症例の場合のみ。だたし、循環動態のモニターをしながら)輸液(血液、血漿、デキストラン、生理食塩水) (参考2)
やってはいけない治療
- 静脈還流量を減じる治療 → 利尿薬(サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬)、ニトログリセリン、陽圧換気人工呼吸、カルシウム拮抗薬?
- 血圧を下げる薬物投与 → ヒドララジン
- 105C031
参考
- 1. [charged] 心タンポナーデ - uptodate [2]
- 2. [charged] 心嚢液貯留の診断および治療 - uptodate [3]
国試
[★]
- 英
- paradoxical pulse
- ラ
- pulsus paradoxus
- 同
- クスマウル脈拍 クスマウル脈 Kussmaul pulse
- 関
- 心タンポナーデ
定義
- It refers to a descrease of systolic bood pressure(more than 10 mm Hg) during normal inspiration
病因
病態生理
- 正常な人手も吸気時に収縮期血圧が低下するが、いくらなんでも下がりすぎ・・・というのが奇脈。
- 吸気→↑静脈還流量→右室拡張→心室中隔を左方圧迫→↓左室駆出量→↓血圧
- 心タンポナーデでは、心室の拡張が妨げられるが、こういう状況の時、吸気時に右室が心室中隔を左室に向かって押す作用が(呼気時にと比較して)相対的に大きくなるため (PHD.343)
- 収縮性心膜炎の場合は、奇脈は限定的
- In constrictive pericarditis, the negative intrathoracic pressure generated by inspiration is not easily transmitted through the rigid pericardial shell to the right-sided heart chambers; therefore, inspiratory augmentation of RV filling is more limited.(PHD.345)
[★]
- 英
- jugular vein
- 同
- 頸静脈
- 関
- 内頚静脈、外頚静脈
臨床関連
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