慢性腎臓病
定義
- 1. 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか
- 2. GFR <60 mL /min/1.73 m2
- 3. 1.2.のいずれか、または両方が3か月以上持続する
eGFR
- 推算GFR (資料1)
- eGFR(mL/min/1.73 m2)= 194 × Cr-1.094 × Age-0.287
- 女性は ×0.739
リスクファクター
- 参考1
- 生活習慣病、メタボリックシンドロームと慢性腎臓病とが関連している。
- これらに関連する生活習慣として肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどがある。
- 喫煙:肺癌、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、腎不全のリスクファクターである。喫煙は蛋白尿、腎機能低下のリスクファクターである。
CKDのステージ
- CKDのステージと診療計画
| 病期 ステージ |
重症度の説明 | 推算GFR値 mL/min/1.73m2 |
診療計画 |
| ハイリスク群 | ≧90(CKDの リスクファクター を有する状態で) |
・CKDスクリーニング ・CKDリスクを軽減させる治療 | |
| 1 | 腎障害(+) GFRは正常 または亢進 |
≧90 | 上記に加えて ・CKDの診断と治療の開始 ・合併症 comorbidity の治療 ・CKD 進展を遅延させる治療 ・CVDリスクを軽減させる治療 |
| 2 | 腎障害(+) GFR軽度低下 |
60~89 | 上記に加えて腎障害進行度の評価 |
| 3 | 腎障害(+) GFR中等度低下 |
30~59 | 上記に加えて CKD合併症を把握し治療する (貧血,血圧上昇,二次性副甲状腺機能亢進症,など) |
| 4 | 腎障害(+) GFR高度低下 |
15~29 | 上記に加えて 透析・移植を準備する |
| 5 | 腎不全 | <15 | 透析または移植の導入(もし尿毒症の症状があれば) |
重症度分類
| 原疾患 | 蛋白尿区分 | A1 | A2 | A3 | ||
| 糖尿病 | 尿Alb定量(mg/日) 尿Alb/Cre比(mg/g Cr) |
正常 | 微量アルブミン尿 | 顕性アルブミン尿 | ||
| 30未満 | 30~299 | 300以上 | ||||
| 高血圧、腎炎、 多発性嚢胞腎、移植腎 |
尿蛋白定量(g/日) 尿蛋白/Cre比(g/g Cr) |
正常 | 軽度蛋白尿 | 高度蛋白尿 | ||
| 0.15未満 | 0.15~0.49 | 0.5以上 | ||||
| GFR区分 (ml/分/1.73m2) |
G1 | 正常または高値 | ≧90 | |||
| G2 | 正常または軽度低下 | 60~89 | ||||
| G3a | 軽度~中等度低下 | 45~59 | ||||
| G3b | 中等度~高度低下 | 30~44 | ||||
| G4 | 高度低下 | 15~29 | ||||
| G5 | 末期腎不全 | <15 | ||||
治療
生活指導・食事指導
- 参考1
- 水分の過剰摂取・制限は有害
- 食塩制限:<6g/day
- 肥満の是正
- 適正な運動 → 安静は必要ない
- 禁煙
- 蛋白質制限:0.6-0.8g/kg/day(CKDステージ3-5)
- 適正なカロリー:27-39kcal/kg/day
- 飲酒は適正な量ならok
低蛋白食療法
- 1.たんぱく質摂取量を腎機能低下抑制のための有効量(0.6~0.8 g/kg/day)まで減少させる
- 2.炭水化物や脂質から十分にエネルギーを摂取する(脂質比率は20~25%とする)
- 3.食事全体のアミノ酸スコアを100に近づける
- 1)主食類(米飯、パン、麺など)をでんぷん製品あるいはたんぱく調整食品を用いる
- 2)たんぱく質摂取源は、その60%以上を動物性食品とする
- 参考1
| 病態 | 食事療法 | 効果 |
| 糸球体過剰濾過 | 食塩制限(6 g/day未満)、たんぱく質制限(0.6~0.8 g/kg/day) | 尿蛋白量減少。腎障害進展の遅延 |
| 細胞外液量増大 | 食塩制限(6 g/day未満) | 浮腫軽減 |
| 高血圧 | 食塩制限(6 g/day未満) | 降圧、腎障害進展の遅延 |
| 高窒素血症 | たんぱく質制限(0.6~0.8 g/kg/day) | 血清尿素窒素低下。尿毒症症状の抑制 |
| 高カリウム血症 | カリウム制限(1,500 mg/day以下) | 血清カリウム低下 |
| 高リン血症 | たんぱく質制限(0.6~0.8 g/kg/day)、リン制限(mg)(たんぱく質g×15) | 血清リン低下。血管石灰化抑制 |
| 代謝性アシドーシス | たんぱく質制限(0.6~0.8 g/kg/day) | 代謝性アシドーシスの改善 |
参考
- 1. CKD診察ガイド2009
- <click2in>http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/CKDguide2009.pdf</click2in>