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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/27 03:27:35」(JST)
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球状タンパク質(きゅうじょうタンパクしつ、Globular proteinまたはspheroprotein)は、タンパク質を大きく2つに分けた分類のうちの1つである。球に近い形をして、いくらか水に溶け、水中ではコロイド状に分散する。もう1つの分類である線維状タンパク質は水に溶けない。
球状構造と溶解性
球状タンパク質という言葉は恐らく19世紀に遡るほど古く、今日では何十万というタンパク質がより叙述(じょじゅつ)的な構造モチーフを用いた言葉で表されている。タンパク質の球状構造は近代的な技術を使わずとも、超遠心や光散乱法で確認することができる。
タンパク質の球状構造は四次構造によって導入される。分子の疎水性部分は内部に向かい、極性部分が外側に露出して溶媒と分子間力で結ばれて溶解状態を安定化させる。
生物中での幅広い役割
構造としての機能しか持たない繊維状タンパク質と異なり、球状タンパク質は次のような働きを持つ。
- 酵素
- メッセンジャー
- トランスポーター
- アミノ酸の貯蔵
- 制御因子
例
最も有名な球状タンパク質はヘモグロビンである。他には免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM)やα、β、γグロブリンなどがある。また、ほぼ全ての代謝にかかわる酵素やシグナル伝達タンパク質も球状タンパク質である。
タンパク質 |
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プロセス |
- タンパク質生合成
- 翻訳後修飾
- フォールディング
- 標的タンパク質
- プロテオーム
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構造 |
- タンパク質構造
- タンパク質ドメイン
- プロテアソーム
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タイプ |
- タンパク質の一覧
- 膜タンパク質
- 球状タンパク質
- 線維状タンパク質
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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タンパク質の四次構造 |
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全般 |
球状タンパク質 - 線維状タンパク質 - 膜タンパク質 - コイルドコイル
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二量体 |
ロイシンジッパー
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三量体 |
コラーゲン - ヘマグルチニン - オルニチントランスカルバミラーゼ
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四量体 |
ヘモグロビン - 免疫グロブリンG - アビジン - スペクトリン
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六量体 |
dnaBヘリカーゼ - ヘモシアニン - グルタミンデヒドロゲナーゼ1
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八量体 |
ヌクレオソーム - ヘムエリスリン
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微小繊維 |
アクチン - チューブリン - 鞭毛 - 性繊毛 - 線毛
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複合体 |
転写開始前複合体 - 免疫グロブリンM - カルボキシソーム
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機械 |
プロテアソーム - リボソーム - ATP合成酵素 - RNAポリメラーゼ - スプライソソーム
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ウイルス |
カプシド
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沈殿 |
塩析 - ホフマイスターシリーズ
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分類方法 |
超遠心分離 - 分子排斥クロマトグラフィー
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- シトクロムcポリマー : 水溶性球状タンパク質に見出された多量化機構
- 廣田 俊,樋口 芳樹
- 日本結晶学会誌 54(5), 270-275, 2012-10-31
- Cytochrome c (cyt c) is a stable globular protein which functions in a monomeric state as an electron donor for cytochrome c oxidase. It is also released to the cytosol when permeabilization of the mi …
- NAID 10031129961
- 1P059 分子動力学シミュレーションによる球状タンパク質の溶媒和特性ゆらぎ(蛋白質-物性(安定性,折れたたみなど),第48回日本生物物理学会年会)
- Saito Hiroaki,Nishikawa Kiyoshi,Nagao Hidemi
- 生物物理 50(SUPPLEMENT_2), S29, 2010-08-15
- NAID 110008102295
- 乳牛における大豆レシチンの多彩な栄養生理機能の考察(18)
- 西田 諦衛
- 畜産の研究 63(10), 1008-1012, 2009-10
- … この背景には内膜の脂質間あるいは脂質とタンパク質間の疎水性相互作用が重要な要素となっていることから、最初に内膜の構造的骨格となっているリン脂質二重層に種々不定型な膜内在性球状タンパク質分子がモザイク状に埋め込まれているが、このタンパク質と膜脂質間の疎水性相互作用を内在性タンパク質にウエイトを置き、タンパク質の生体高分子としての特有の機能を発揮するための立体構造の形成と …
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