- 英
- marsh
- 関
- 沼地
WordNet
- low-lying wet land with grassy vegetation; usually is a transition zone between land and water; "thousands of acres of marshland"; "the fens of eastern England" (同)marshland, fen, fenland
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- 沼地,湿地(swamp)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/07 12:16:53」(JST)
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パンタナル
雨季には総面積約19.5万km²にもなる世界最大の湿地帯。2006年4月撮影の空中写真。
雨竜沼湿原/日本の代表的な湿地帯の一つ。2006年7月撮影。
サパタ湿地(英語版)
キューバにあるカリブ諸島最大の湿地であるが、気候変動によって21世紀後半にはその大半が貴重な生物相と共に失われてしまう可能性がある。2007年に撮影されたNASAの衛星画像。
モン・サン=ミシェル(手前の小島)とサン・マロ湾の干潟
潮汐によって劇的な変化を日々見せるサン・マロ湾一帯は有史以前より聖地であったが、陸地化は時代を追うごとに進み、19世紀後半以降は人為の働きも加わって加速的に進捗した。21世紀は一転、潮の満ち干を妨げていた施設を排除して乾燥化を防ぐ方向にある。2006年6月撮影。
湿地(しっち、英語:wetland)は、淡水や海水によって冠水する、あるいは定期的に覆われる低地のことである[1]。生物、特に水生生物やそれを餌とする鳥類の重要な生育・生息場所となる。英語の音写でウェットランドとも呼ばれる。湿地の特徴によって他と区別される地域一帯は、湿地帯(しっちたい)と呼ばれる。
目次
- 1 定義と範囲
- 2 特徴
- 3 湿地の種類
- 4 湿地の開発と保全
- 5 世界の湿地
- 6 湿地と地名
- 7 脚注
- 8 参考文献
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
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定義と範囲
湿地から連想する用語として湿原があげられるが、湿地には幅広い意味があり、その他にも湖、沼、地下水系、水田、ため池、干潟、マングローブ、藻場やサンゴ礁などが含められる。このように湿地の定義や範囲は広く、その適用範囲は状況に応じて様々である。
例えば、渡り鳥の保全に関する国際条約であるラムサール条約の登録対象は湿地であるが、その定義は条文の第1条第1項に示されており、下記のとおりである。
第一条 1 この条約の適用上、湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(塩水)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む[2]。
また、環境省が選定する日本の重要湿地500の選定基準1では「湿原・塩性湿地、河川・湖沼、干潟・マングローブ林、藻場、サンゴ礁のうち、生物の生育・生息地として典型的または相当の規模の面積を有している場合」としている[3]。
特徴
湿地は多様な生物の生育・生息場所や利用環境として重要な場所である。特に渡り鳥の飛来地として注目されておりラムサール条約の登録湿地、鳥獣保護法に基づく鳥獣保護区(集団飛来地)等の登録・指定を受けて、保全・保護の対象となり得る。
また、河川や湖沼などについては「貯水機能」、干潟やマングローブ等については「水質の浄化機能」を有している他、潮干狩りや釣り等のレクリェーションの場として活用されることも多く、人間の生活や活動に対しても重要な位置付けにある。
湿地の種類
- 湖沼
- 陸地等に囲まれた閉鎖性の水域である。地理的な隔離がおこりやすいためしばしば固有種が確認される。
- 湿原
- 湖沼などに土砂や植物の枯死体が堆積したり、河川がせき止められたりして成立したものである。高層湿原・低層湿原・中間湿原等の種類がある。
- 河川
- 陸地と海域を連絡する水の流れのことである。内陸と沿岸を行き来する魚類(サケ・ヨシノボリなど)や甲殻類(モクズガニなど)が存在し、河川横断構造物による上流と下流の分断はその生息に影響を与える。
- 干潟
- 主に河川の河口部や沿岸域に存在する砂泥が堆積した場所のことである。底生生物を中心とした多様な生物相とそれらを餌とする鳥類の生育・生息環境として重要であるとともに、陸地からの過剰な有機物等の浄化作用を有する。またアサリやハマグリ等の二枚貝が豊富であり、潮干狩りが行われる。広義ではWetlandに含まれるが、日本語の「干潟」に対応するのは"Tidal flat"である。
- マングローブ
- 主に熱帯から亜熱帯の汽水域に分布する森林のことである。俗にマングローブ植物と言われる特徴的な植物群が生育するとともに、多くの動物の生息環境を提供している。東南アジアなどでは漁場として重要であるとともに、高波や台風などを防除する役割も有する。
- 藻場
- 主に水深20mまでの海底に立地する海草や海藻が繁茂した地域である。陸地における森林と同様な機能を有し、酸素の供給や炭素の貯蓄等が行われる。また、藻場そのものが魚類やウミガメ等の餌となる他、多くの海生動物の生息環境としても重要である。またヒジキやアオサ等の食用となる藻類の採取場所ともなる。
- サンゴ礁
- 主に熱帯から亜熱帯の浅海域に分布するサンゴの群落である。藻場と同様に酸素の供給機能や炭素の貯蓄機能を有する。また多様な生物に対して生息・繁殖・採餌環境を提供している。ダイビングの場としても利用されている。
湿地の開発と保全
上述のように、湿地は生物の生育・生息環境として重要な地域であると同時に、人間の利用の場としても重要であり、しばしば開発の対象となる。たとえば河川などはダムの設置、干潟やマングローブなどは沿岸海域の埋立などが行われている。そのため、多数の条約や法令等により湿地の保全・保護が図られており、いくつかの地域ではラムサール条約や鳥獣保護区等の登録・指定を受けている。
また、サンゴ礁に関しては直接的な開発行為の他にオニヒトデによる捕食や海水温の上昇に伴う白化現象による影響も懸念されており、沖縄県に位置する石西礁湖では、自然再生事業が推進されているほか、西表石垣国立公園の海中公園地域にも含められている。
世界の湿地
- 世界最大級の湿地
- パンタナル :総面積 140,000 - 195,000km²。世界最大の湿地。
- スッド :総面積 30,000 - 130,000km²。
- ニジェール内陸デルタ :総面積 78,000km²[4]。
湿地と地名
「地名は土地の履歴書」という表現があるが、洋の東西を問わず、古くから引き継がれてきた伝統的地名というものはその土地の過去における有り様を伝えていることが少なくない。日本を例にとれば、北関東から北海道にかけてもともと湿地であった所の地名は「〜谷地(やち)」と付けられている(青森県の津軽地方のみ「〜萢(やち)」)。その意味合いから名前がつけられた地域が、青森県弘前市の地名の一つ、萢中である。また、南関東では同様に「谷津(やつ)」「谷戸(やと)」と付けられている。
脚注
- ^ Roger Lincoln, Geoff Boxshall and Paul Clark (1998). A dictionary of ecology, evolution and systematics, 2nd ed, Cambridge University Press, p.317.
- ^ 外務省ホームページラムサール条約の日本語訳
- ^ 日本の重要湿地500
- ^ “ニジェール共和国 地下水モニタリング・ネットワークシステム建設計画及びギダン・マガジダリハビリ計画 プロジェクト ファインディング調査 報告書 (pdf)”. (公式ウェブサイト). 社団法人 海外農業開発コンサルタンツ協会[1] (1992年7月). 2012年10月12日閲覧。
参考文献
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明示してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2012年10月) |
- 生物多様性政策研究会編 『生物多様性キーワード事典』中央法規出版、2002年、56-65頁、ISBN 4-8058-4422-1。
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、湿地に関連するカテゴリがあります。 |
- ラムサール条約
- 湧水
- 鳥獣保護区
- 日本の重要湿地500
外部リンク
- 「Wetland」 - Encyclopedia of Earthにある「湿地」についての項目(英語)。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 湿地の植生復元を目的とした埋土種子の評価:ベイズモデルに基づく実生発生法と直接観察法の統合的評価
- 郭 英華,高倉 耕一,西川 博章 [他],西田 隆義,浜端 悦治
- 地域自然史と保全 : bulletin of Kansai Organization for Nature Conservation 37(1), 47-59, 2015-06
- NAID 110009917021
- 広葉樹の課題と対応 (特集 これからの海岸林造成を考える)
- nature 守り人(16)釧路国際ウェットランドセンター(上)「不毛の大地」から「ラムサール湿地」へ 開発が進む中、自然保護優先を基本原則に
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