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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/13 06:00:48」(JST)
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オリゴ糖(オリゴとう、oligosaccharide)は、数個の単糖がグリコシド結合によって数個結合した糖類のオリゴマーで、分子量としては300 - 3000程度である。
オリゴはギリシア語(ὀλίγος / ラテン文字転写olígos / カタカナ読み「オリゴス」)で少ないを意味する語であることから、少糖類(しょうとうるい)と呼ぶこともある。オリゴ糖の明確な定義はなく、二糖もオリゴ糖に含めることもあるが、もっぱら3個以上(三糖、四糖、……)をオリゴ糖とすることが多い。上限についても幅があるが、扱うことは少ないので特に問題はない。
目次
- 1 構造
- 2 発見と利用
- 3 脚注
- 4 関連研究
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
構造
天然の動植物中にもともと含まれているオリゴ糖は、ほとんどがスクロース、ラクトース、トレハロース、マルトースなどの二糖類であり、三糖類より多くの糖が結合しているものの量は少ない。 天然から見出されているものとしては三糖類ではラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノースなど。四糖類ではスタキオースなどが知られている。また、ブドウ糖が環状に結合したオリゴ糖としてシクロデキストリンがある。
発見と利用
100年以上前から、母乳栄養児が人工栄養児よりも下痢などの病気にかかり難く、かかっても軽症で速やかに治癒することが知られていた。1899年、パスツール研究所のティシエ(Tissier)により、健康な母乳栄養児の便からビフィズス菌を分離した事がきっかけとなり、腸内細菌の研究が進み、母乳中のビフィズス増殖因子と呼んでいた物がオリゴ糖であった。数々の研究を経て様々なオリゴ糖が発見された。
機能性
様々な研究より、ビフィズス菌などの腸内善玉菌を増やす効果がある事が確認され、さまざまな生理活性作用が期待され、健康食品に利用されている。このように、腸内善玉菌を増やす効果がある物質をプレバイオティクスと言い、整腸作用を期待し特定保健用食品として利用されている。安価に単体で純度を高めることが困難なため、市販品の多くは液体で流通している。プレバイオティクスには、ガラクトオリゴ糖(GOS)やフラクトオリゴ糖(FOS)、マンナンオリゴ糖(MOS)などがある。
- ラフィノースの高純度粉末品は医療用で移植臓器の保存性向上剤としても利用されている。[1]
- フラクトオリゴ糖(原料-ショ糖)は、腸内細菌研究の第一人者として知られる光岡知足によりビフィズス菌の増殖活性に優れていることが確認された。[2]
工業的製法
- 植物に含まれる成分を抽出する。
- 微生物を利用し発酵させ、デンプン、砂糖、乳糖を原料として合成する。
- 植物の多糖類を酵素の作用により分解。
- 酸やアルカリで糖を異性化する。
例えばアミロースをアミラーゼで分解すると二糖類のマルトースと三糖類のマルトトリオースなどの混合物が得られる。得られる糖はアミラーゼの種類により異なる。
脚注
- ^ お砂糖豆知識-オリゴ糖について (1) 日本甜菜製糖(株)総合研究所 2004年10月
- ^ 特定非営利活動法人-日本食品機能研究会 オリゴ糖
関連研究
- ビフィズス増殖因子としてのミルクオリゴ糖の研究小史とガラクトオリゴ糖 -ヤクルト本社中央研究所
- 寒天オリゴ糖は、体内の有害物質を解毒する酵素群を増強し、体内を綺麗にする作用を示すことを発見 - タカラバイオ株式会社
- オリゴ糖開発と酵素 - (株)林原生物化学研究所
関連項目
外部リンク
- イソマルトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ガラクトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- キシロオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 大豆オリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ニゲロオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 乳果オリゴ糖 (ラクトスクロール) - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- フラクトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
炭水化物 |
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一般構造 |
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アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース)
デオキシ糖(デオキシリボース)
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ヘキソース
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マルチプル |
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四糖類
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アカルボース · スタキオース
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その他のオリゴ糖
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フラクトオリゴ糖(FOS) · ガラクトオリゴ糖(GOS) · マンナンオリゴ糖(MOS)
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多糖類
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グルコース:グリコーゲン · デンプン(アミロース、アミロペクチン) · セルロース · デキストリン · グルカン(β1,3-グルカン)
フルクトース:フルクタン(イヌリン、レバンβ2→6)
N-アセチルグルコサミン:キチン質
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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Japanese Journal
- 牧草・飼料作物の栄養科学(4)炭水化物(その2)牧草・飼料作物の生育にともなう成分含量の変化
- 阿部 亮
- 畜産の研究 64(11), 1082-1086, 2010-11
- … 非構造性炭水化物については、イタリアンライグラスでは、代謝性糖類としての単少糖類と貯蔵性炭水化物としてのフラクトサンに分けて示し、アルファルファでは、糖・デンプン・有機酸類の総量(NCWFE)を、トウモロコシでは、デンプンの含量を示した。 …
- NAID 40017362334
- 2SP4-04 希少糖類の水溶液中における熱力学的安定性(2SP4 希少エレメント「希少糖」が拓く新世界,第47回日本生物物理学会年会)
- アズキ餡製造時に生ずるアズキ'渋きり水'の抗菌活性
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- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 55(12), 606-611, 2008-12-15
- … アズキの製餡過程で生成する食品廃棄物である'渋きり水'中にはポリフェノール配糖体,少糖類やサポニンなど生理活性を有する成分が多く含まれていると推察される.本論文では,国産で品種の異なるアズキから調製した'渋きり水'のいくつかの食中毒原因菌,植物病原細菌及び植物生育促進細菌の生育に対する影響について検討を行った.'渋きり水'は,食中毒原因菌である<I>Staphylococcus aures</I>及び植物病原 …
- NAID 10024854720
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