- 英
- methyl、Me
WordNet
- the univalent radical CH3- derived from methane (同)methyl_group, methyl radical
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/05 00:51:10」(JST)
[Wiki ja表示]
メチル基(メチルき、methyl group)とは、有機化学において、-CH3 と表される最も分子量の小さいアルキル置換基である。特にヒドロキシ基やメルカプト基(チオール基)に対する保護基にも利用される。この名称は、IUPAC命名法の置換命名法のルールによりメタン (methane) の呼称から誘導されたものである。そして構造式で表記する場合はMeと略される。
メチル基は隣接基効果として、電子供与性を示す。このことは、超共役の考え方で説明される。(記事 有機電子論に詳しい)
メチル化
ある化合物上にメチル基を導入することを メチル化 と呼ぶ。メチル化は有機合成において、そして生体内において行われる化学反応である。本節では有機合成におけるメチル化反応について述べる。生体内でのアミノ酸残基やDNA核酸塩基などのメチル化については項目: メチル化反応 を参照のこと。
有機合成化学におけるメチル化
有機合成化学においてメチル化に利用される反応の形式は大きく
- 求電子付加反応
- 求核置換反応
- 還元的アルキル化反応
に分けられる。とくに求電子付加反応はメチル化と三級アルキル化に特徴的で、他の一級ないしは二級アルキル化に置き換えると相当する反応は進行しない。またこの性質が、メチル基の脱保護に利用されたり、転位反応し易いという特徴になっている。
求電子付加反応により、O-メチル化、S-メチル化する試薬として、硫酸ジメチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル (CF3SO3CH3) が知られている。特にカルボン酸をメチル化する場合には、ジアゾメタンあるいはトリメチルシリルジアゾメタンを用いれば、速やかに収率良くメチルエステルが得られることが多い。
求核置換反応により、O-メチル化、N-メチル化、S-メチル化するにはヨードメタンを塩基とともに作用させる。N-メチル化、S-メチル化はメチル基の電子供与性により、アルキル置換するほど窒素または硫黄の求核性が増大する為に複数のメチル基が導入されやすく、場合によっては四級アンモニウムやスルホニウムが優先して生成する。近年、炭酸ジメチルをメチル化剤として使う方法が研究され始めている。
還元的アルキル化反応はもっぱらN-メチル化に利用されるので、還元的アミノ化(reductive amination)とも呼ばれ、エシュバイラー・クラーク反応など、ホルムアルデヒドをアミンに作用させて還元する。この方法は求核置換反応によるN-メチル化が、容易に複数個のメチル基が導入されやすいのに対して、N-モノメチル体を生成させ易い特徴を持つ。
O-メチル基は、強いルイス酸を作用させると容易に脱離(カチオン転位)するので、O-メチル基を脱保護する方法として、三臭化ホウ素 (BBr3) や トリメチルヨードシラン ((CH3)3SiI) などが利用される。この際に脱離したメチル基が不用意に他の部位に求電子付加しないようにするため、メチル基を捕捉するジメチルスルフィドなどのスカベンジャーを共存させる場合もある。特にフェノール性ヒドロキシ基はこの方法で脱離させやすいので、フェノールの保護基としてメチル基を利用する場面が多い。
あるいは酸素も含めて交換されるために形式的なメチル化になるが、カルボン酸あるいは他のアルキル基のエステルをメタノールと酸触媒下で反応させると前者は脱水縮合により、後者はエステル交換によりメチルエステルを与える。この反応は付加脱離反応である。
炭素をメチル化する方法としてケトンのカルボニル炭素に対して、メチルリチウム (CH3Li) 、臭化メチルマグネシウム (CH3MgBr) など有機金属試薬を作用させると求核的なメチル化反応が進行して相当する三級アルコールが得られる。
関連項目
- メチル化反応
- DNAメチル化(en:DNA methylation)
- フェニルシラン
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 新規癒着防止材熱架橋ゼラチンフィルムの物理的・生物学的特性 : 癒着防止効果の機序及び腸管吻合部への影響に対する基礎的検討
- 丹澤 あゆみ,辻本 洋行,的場 麻理,橋本 歩,鈴木 周子,森田 真一郎,筏 義人,萩原 明郎
- 同志社大学理工学研究報告 52(2), 149-155, 2011-07
- … 今回我々は、熱架橋ゼラチンフィルムの物理的・生物学的特性について基礎的解析を行い、現在臨床で汎用されている癒着防止膜であるセプラフィルム(ヒアルロン酸とメチルセルロースの合材)とそれぞれ比較することにより、その操作性や癒着防止や吻合部への影響等の機序について予備的検討を行ったので報告する。 …
- NAID 110008601739
- 成人T細胞白血病(ATL)における病型および病期進展を規定するメチル化遺伝子の網羅的解析
Related Links
- 世界大百科事典 第2版 メチルの用語解説 - メタンCH4から水素1原子を除いて得られる最も簡単な1価のアルキル基CH3-。Meと略記することも多い。たとえばメチルアルコールCH3OHはMeOHとなる。【竹内 敬人】
- 人力検索はてな > 医療・健康 > 同じアルコールでメチルは目がつぶれる、というし エチルはお酒の主成分で.. ... 同じアルコールでメチルは目がつぶれる、というし エチルはお酒の主成分です。何故?
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1g中)
- クロベタゾン酪酸エステル 0.5mg(0.05%)
添加物
禁忌
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
- 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]
- 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。]
効能または効果
- アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)
顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎
- 通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
重大な副作用
- 眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすことがあるので注意すること。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により緑内障、後のう白内障等があらわれることがある。
薬効薬理
生物学的同等性試験1)2)
- ラットを用いたクロトン油耳浮腫抑制試験、毛細血管透過性抑制試験、カラゲニン背部皮膚浮腫抑制試験及び肉芽増殖抑制試験において、キンダロン軟膏0.05%と標準製剤(軟膏剤、0.05%)の効力比較を行った。その結果、キンダロン軟膏0.05%は著明な抗炎症作用を示し、標準製剤との比較においても両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
また同様に、キンダロンローション0.05%も著明な抗炎症作用を示し、標準製剤(ローション剤、0.05%)との比較においても両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クロベタゾン酪酸エステル (Clobetasone Butyrate)
化学名
- 21-Chloro-9-fluoro-17-hydroxy-16β-methyl-1,4-pregnadiene-3,11,20-trione 17-butyrate
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜微黄色の結晶性の粉末で、においはない。
本品はクロロホルムに極めて溶けやすく、アセトン又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は光により極めて徐々に着色する。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- methylation
- 関
- メチル
[★]
- 英
- methylcysteine
- 商
- ゼオチン、ペクタイト
- 関
- 塩酸メチルシステイン methylcysteine hydrochloride、塩酸L-メチルシステイン L-塩酸メチルシステイン L-methylcysteine hydrochloride L-cysteinemethyl hydrochloride
[★]
- 英
- -Enkephalin
- 関
- アラニン(2)-メチルフェニルアラニン(4)-グリシン(5)-エンケファリン
[★]
- 英
- hydroxymethylbilane synthase
- 関
- ヒドロキシメチルビランシンターゼ
[★]
- 英
- methyl red reaction MR reaction
- 関
- インビック系
[★]
- 英
- methylmalonic aciduria
- 関
- ビタミンB12欠乏症