- 英
- batrachotoxin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/11 00:33:37」(JST)
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バトラコトキシン |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
23509-16-2 |
PubChem |
31958 |
ChemSpider |
10310314 |
日化辞番号 |
J54.476K |
- CC1=CNC(=C1C(=O)OC(C)C2=CC[C@@]34C2(C[C@H](C56C3=CC[C@H]7[C@@]5(CC[C@@](C7)(O6)O)C)O)CN(CCO4)C)C
|
- InChI=1S/C31H42N2O6/c1-18-16-32-19(2)25(18)26(35)38-20(3)22-8-9-30-23-7-6-21-14-29(36)11-10-27(21,4)31(23,39-29)24(34)15-28(22,30)17-33(5)12-13-37-30/h7-8,16,20-21,24,32,34,36H,6,9-15,17H2,1-5H3/t20-,21+,24+,27-,28-,29+,30-,31-/m0/s1
Key: ISNYUQWBWALXEY-OMIQOYQYSA-N
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Key: ISNYUQWBWALXEY-OMIQOYQYBY
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特性 |
化学式 |
C31H42N2O6 |
モル質量 |
538.67 g mol−1 |
危険性 |
主な危険性 |
T+ |
半数致死量 LD50 |
0.002–0.007 mg/kg
(推定、ヒト、皮下) |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
バトラコトキシン(英: batrachotoxin)は、心毒性、神経毒性を持つステロイドアルカロイドの一種である。南米コロンビアのある種のカエル(モウドクフキヤガエル等)から単離された[1]。パリトキシンに次ぐ猛毒であり、現地人の間では古くから矢毒として用いられている。
1969年に構造が決定され[2][3]、1998年にハーバード大学の岸義人によって母体骨格であるバトラコトキシンAが全合成された[4]。
2009年現在、唯一の有毒な鳥類として知られるピトフーイは同族塩基ホモバトラコトキシンをもっている。
化学
バトラコトキシンの化合物名は、ギリシア語で蛙を意味する「βάτραχος (batrachos)」と毒を意味する「τοξίνη (toxine)」から来ている。極めて強い毒成分を塩基成分として分離、化学的性質を検討したJohn DalyおよびBernhard Witkopによって命名された[1]。強力な毒を扱うこと、そのうえ収集量が極めて少かったため、構造決定は幾多の困難をともなった。後ほどこの研究に加わった徳山 孝(大阪市立大学)は、一成分のバトラコトキシニンAを結晶性誘導体に導いた。この誘導体の単結晶X線解析により、そのステロイド構造が明らかになった[2]。バトラコトキシンとバトラコトキシニンA のマススペクトルを比較して、二つの化合物は同じ塩基性ステロイド構造を共有していること、また、核磁気共鳴スペクトルの解析によりバトラコトキシンはバトラコトキシニンAに一つのピロール環が付加した構造であることが明らかとなった。さらに、バトラコトキシニンA をピロール環部分と化学的に結合させてバトラコトキシンに導いたことにより、その化学構造は確定した。また、付加ピロール環はバトラコトキシン類の毒性に大きく寄与しているこも明らかになった[3]。
脚注
- ^ a b Daly, J. W.; Witkop, B.; Bommer, P.; Biemann, K. (1965). “Batrachotoxin. The Active Principle of the Colombian Arrow Poison Frog, Phyllobates bicolor”. J. Am. Chem. Soc. 87 (1): 124–126. doi:10.1021/ja01079a026.
- ^ a b Tokuyama, T.; Daly, J.; Witkop, B.; Karle, I. L.; Karle, J. The structure of batrachotoxinin A, a novel steroidal alkaloid from the Columbian arrow poison frog, Phyllobates aurotaenia. J. Am. Chem. Soc. 1968, 90, 1917–1918. DOI: 10.1021/ja01009a052.
- ^ a b Tokuyama, T.; Daly, J.; Witkop. B. Structure of batrachotoxin, a steroidal alkaloid from the Colombian arrow poison frog, phyllobates aurotaenia, and partial synthesis of batrachotoxin and its analogs and homologs.. J. Am. Chem. Soc. 1969, 91, 3931-3933. DOI: 10.1021/ ja01042a042.
- ^ Kurosu, M.; Marcin, L. R.; Grinsteiner, T. J.; Kishi, Y. Total Synthesis of (±)-Batrachotoxinin A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 6627–6628. DOI: 10.1021/ja981258g.
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、バトラコトキシンに関連するカテゴリがあります。 |
Japanese Journal
- 黒須 三千夫,岸 義人
- 有機合成化学協会誌 : JOURNAL OF Synthetic Organic Chemistry JAPAN 62(12), 1205-1217, 2004-12-01
- The batrachotoxins are a unique class of steroidal alkaloids isolated in minute quantities from the skins of poison arrow frogs (genus <I>Phyllobates</I>) as well as from the skins and fea …
- NAID 10014119613
- <集談会記録>ナトリウムチャネルアイソフォームにおいてバトラコトキシン結合阻害に関連する点突然変異はグラヤノトキシンの効果を消失させる(学位論文抄録)
Related Links
- バトラコトキシンは、毒を持つ唯一の鳥、ピトフーイに含まれる神経毒。ナトリウムチャネルに作用し、開きっぱなしの状態にさせる作用を持ちます。
- 化学 [編集] バトラコトキシンの化合物名は、ギリシア語で蛙を意味する「 βάτραχος (batrachos)」と毒を意味する「 τοξίνη (toxine)」から来ている。極めて強い毒成分を塩基成分として分離、化学的性質を検討したJohn DalyおよびBernhard ...
- 「バトラコトキシン」の用例・例文集 - 本種は自然界における強い毒素の1つバトラコトキシンを持つ。 ピトフーイは自分自身ではバトラコトキシンを生成しない。 また、付加ピロール環はバトラコトキシン類の毒性に大きく寄与して ...
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