出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/13 13:40:02」(JST)
ハマグリ | ||||||||||||||||||||||||
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ハマグリの中型・小型個体。熊本県産。
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Meretrix lusoria (Roeding, 1798) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ハマグリ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Common orient clam |
ハマグリ(蛤、Meretrix lusoria)は、マルスダレガイ上科マルスダレガイ科に分類される二枚貝の1種である。食用として重要な貝類の一つである。季語、三春。
目次
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「ハマグリ」という呼称は、生物学的には唯一の種 Meretrix lusoria を指す標準和名であるが、他にもいろいろな使われ方があるため、生物学や水産学関連の文書以外での「ハマグリ・はまぐり・蛤」などが何を指すのかが不明な場合も多く、注意が必要である。例えばハマグリ属(Meretrix)の種はどれも外見が似ているため、水産市場や日常生活のなかではそれらもしばしばハマグリと総称・混称される。
なお、国内で流通するハマグリと呼ばれる貝で流通がもっとも多いのはチョウセンハマグリ(汀線蛤[1][2])である。
日本では代表的な二枚貝の一つであるため、和名構成の基幹ともなり、ベニハマグリ(バカガイ科)、ノミハマグリ(マルスダレガイ科[3]ノミハマグリ属)など、分類学的には縁のない別属や別科の二枚貝にも「~ハマグリ」という標準和名のついた種も少なくない。
さらに「ハマグリの仲間」の意で、一般的な二枚貝類の総称として使われることもある。これは他の言語で二枚貝一般を指す単語、例えば英語の clam などに通じる用法で、英和辞典に clam の訳語として出ている「ハマグリ・蛤」もこれに相当する。したがって翻訳文の中で「ハマグリ」と訳されている貝は、実際には真のハマグリとは属はもとより科さえ異なる二枚貝であることも多い(下記 Clamの例も参照)。
2000年頃以降に日本の市場で「白はまぐり」[4]「白蛤」などの名で売られるようになったものは、やや近縁の同科別属のホンビノスガイである[要出典]。北アメリカ原産の外来種で、日本沿岸では20世紀末から東京湾の砂泥底などに定着するようになり、21世紀初頭から主に市川市など千葉県産のものが市場に出回るようになった[要出典]。
長さ8cm、幅3.5cm、高さ6.5cmほどの丸みを帯びた三角形の貝殻を持つが、よく成長したものでは殻長が10cm以上になる場合もある。
本来の分布域は日本本土の東北地方以南の地域と、朝鮮半島の一部で、淡水の影響のある内湾の砂泥底に生息する。しかし日本では昭和後期に急激に減少し、少なくとも1980年代以降、干拓や埋め立て、海岸の護岸工事などによって生息地の浅海域が破壊されたため、瀬戸内海西部の周防灘の一部、有明海の一部などの局地的な生息地を除くほとんどの産地で絶滅状態になった。
シナハマグリ (Meretrix petechialis) とは、殻の光沢の有無や斑紋、殻の形によって大まかに見分けることができる。すなわち光沢があり、斑紋が多様で、殻の後端(水管が出る方)がやや伸びるのがハマグリ、光沢乏しく、くすんだ灰色の地に胡麻斑が多く出て、殻の両端の伸び具合がほぼ同様ものがシナハマグリである。
撒かれたシナハマグリが在来のハマグリと交雑して遺伝子交雑を引き起こしている可能性が指摘されている。
主として熊本県産のものが流通しているが、ひな祭りなどハマグリを食べる時期を除けば、輸入品であるシナハマグリの流通量に比べるときわめて少量である。
千葉県レッドデータブックでは、ハマグリは野生絶滅(EX)[5]であり、現在千葉県で産出するものは在来のものではない。
環境省レッドデータブックでは、2012年に新たに絶滅危惧Ⅱ類に指定された。
日本人にとって非常に古くから親しまれてきた食材で、『日本書紀』にも記述がある。成分にコハク酸を多く含み、旨みに富む。吸い物やクラムチャウダー、鍋物の具、酒蒸し、焼き蛤、佃煮、土瓶蒸し、串焼き、寿司など、幅広い料理で利用される。ビタミンB1を分解してしまう酵素アノイリナーゼを含むため、生食には向かない。
ハマグリは元々の組合せ以外の貝殻とはぴったりかみ合わない。そこで、結婚式でハマグリの吸い物が出されることも多く、「よい伴侶にめぐり合えるように」との願掛けからひな祭りにハマグリを食べる風習がある。
また、北朝鮮の郷土料理に「ハマグリのガソリン焼き」というものがある。生のハマグリの上にガソリンを掛け一気に焼き上げると言うもので、意外にもガソリン臭さは無く美味であるという。尚、北朝鮮現地でもガソリンの代わりにアルコールを使う調理法もあり、こちらの方が調理法としては上等なものとされる。[6]
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「ハマグリ」という言葉は、浜辺にあり、栗と形が似ていることから「浜栗」と呼ばれたことに由来するとの説や、石ころをクリと呼ぶことから浜にある石のような貝との意でハマグリと称されたとの説などもある。後者の説は八丈島の方言でタカラガイ類をハマグリと呼ぶのにも通じる。
少年などが非行に走ることを「ぐれる」というが、この言葉はハマグリに由来する。江戸時代から使われるようになった。
ハマグリの貝殻は貝合わせという遊びにも使われるように、ペアになっている殻以外とはぴったりと形が合わないという性質を持っている。このことから、「はまぐり」の倒語として「ぐりはま」という言葉が生まれ、食い違って合わないことを意味するようになった。これが「ぐれはま」に変化し、さらに「ぐれ」と略されるようになる。そして、この「ぐれ」が動詞化したものが「ぐれる」である。
ちなみに、「ぐりはま」の漢字は、「蛤」をそのまま180度回転させ、見た目を逆さまにしたものである。
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ウィキクォートに蛤に関する引用句集があります。 |
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リンク元 | 「双殻類」「二枚貝」「clam」「ムール貝」 |
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