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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/03 05:57:41」(JST)
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| ダッタンソバ | 
| 
 ダッタンソバ 
 | 
| 分類 | 
| 界 | 
: | 
植物界 Plantae | 
 
| 門 | 
: | 
被子植物門 Magnoliophyta | 
 
| 綱 | 
: | 
双子葉植物綱 Magnoliopsida | 
 
| 目 | 
: | 
タデ目 Polygonales | 
 
| 科 | 
: | 
タデ科 Polygonaceae | 
 
| 属 | 
: | 
ソバ属 Fagopyrum | 
 
| 種 | 
: | 
ダッタン種 F. tataricum | 
 
 
 | 
| 学名 | 
| Fagopyrum tataricum (L.) Gaertn. | 
| 和名 | 
| ダッタンソバ、ニガソバ | 
| 英名 | 
| Tartary Buckwheat, Bitter buckwheat | 
ダッタンソバ(韃靼蕎麦、学名:Fagopyrum tataricum)は、タデ科ソバ属の一年草。強い独特な苦みがあるため苦蕎麦(にがそば)とも呼ばれる[1]。ダッタンソバの食品名は、モンゴルに住んでいた遊牧民族である韃靼人(ダッタン人・タタール人)が好んだことに由来する[2]。
目次
- 1 性質・分布
 
- 2 生産地
 
- 3 成分及び利用
 
- 4 品種
 
- 5 脚注
 
- 6 関連項目
 
 
性質・分布[編集]
日本で主流なソバと同属であるが、ソバが他殖性であるのに対し、ダッタンソバは自家受粉する自殖性植物で、山岳地帯を中心に広くアジアに分布している[2]。寒冷性に強くソバが育たない気象条件や、農地に適さないような土壌条件の厳しい土地でも比較的育成し、主に標高が高い高山地域で食用や飼料用として栽培・利用されてきた[2]。このような特性を生かして、通常は畑作に向かない寒冷な土地での生産性向上を目的に、品種改良や活用が国内で着目されている[3]。
生産地[編集]
ロシア、モンゴル国、ネパール、中華人民共和国の内モンゴル自治区・雲南省・四川省などの1,500~2,700m程度の標高がある亜高山帯で主に生産されている[3]
日本における栽培は2011年(平成23年度)では全国でおよそ325ha(ヘクタール)、その内250ha以上が北海道であり生産の中心となっている[4]。また、機能性物質ルチン含有量が多いことが注目され、ダッタンそば茶等の消費量が増加し、国産需要もあり栽培面積も増加傾向にある[5]。
- 国内の主な生産地
 
- 北海道 - 森町、当麻町、士別市、八雲町
 
- 長野県 - 北信地方
 
成分及び利用[編集]
- 種子
 
種子の形状がソバと違い表面のくぼみからカビが発生しやすいため、水分を低くして管理するか早期に消費する必要がある[4]。また、ダッタンソバがソバと混入すると、蕎麦製品としての見た目や味の違いからの品質低下が指摘されており、混入に規格を設けて対応することが望まれている[4]。
- 成分
 
種子の成分は普通ソバとほとんど違いがみられないが、ルチン含有量はソバの50~100倍で非常に多い。ルチンはフラボノイドの一種で、毛細血管強化作用を持ち、血圧低下に関係するとされる機能性成分である。しかしダッタンソバ子実にはルチン分解酵素も多く、粉への加水で急速に分解して苦み成分のケルセチンが生成する。この独特の苦みのためにニガソバとも呼ばれている。ソバ同様に実を原料にして、ルチンを豊富に含む健康食品のダッタンそば茶あるいは麺類として加工、販売されている。
ルチン分解酵素が失活していないだったんそば粉から製造された乾麺、生麺ではルチンがほとんど含まれていない。麺類からルチンを摂取する場合にはルチン分解酵素を失活させたダッタンそば粉を用いる必要がある。研究から加水分解により生成されたケルセチンの機能性が注目されており、ルチンよりむしろケルセチンを積極的に評価する動きがある。
品種[編集]
- 北海T8号 - 農研機構 北海道農業研究センター開発
 
- ソビエト連邦(現在ロシア)から導入した育種素材を母体に、選抜・育成された国産品種。安定多収で倒伏しにくく、そば茶への加工に向いている[6]。
 
- 満天きらり - 農研機構 北海道農業研究センター開発
 
- 北海T8号を交配し、ソバの栽培が難しい北限地域でも育成出来るダッタンソバの新品種[7]。ダッタンソバの難点であった強い苦みを改良し、従来のダッタンソバ品種よりも苦みが弱く良食味で麺などの加工にも向いている[7]。
 
脚注[編集]
- ^ デジタル大辞泉(だったんそば) 小学館 2013年10月4日閲覧
 
- ^ a b c 「消費者の部屋通信 平成21年9月発行 ダッタンソバ(韃靼蕎麦)」 農林水産省 2013年10月8日閲覧
 
- ^ a b 「ダッタンそば粉も、少量パッケージでの供給が… 続・血液サラサラ韃靼蕎麦の謎(2003年8月2日)」 All About グルメ 2013年10月4日閲覧
 
- ^ a b c 「だったんそばの農産物検査規格の設定について 平成24年2月」 農林水産省 2013年10月4日閲覧
 
- ^ 『そば関係資料』((社)日本蕎麦協会編、2010年3月)
 
- ^ 品種紹介パンフレット ダッタンソバ「北海T8号」2008年9月1日 北海道農業研究センター 2013年10月8日閲覧
 
- ^ a b 「新品種 ダッタンソバ『満天きらり』北海道農研センターが育成(2013-8-16)」 全国農業新聞 2013年10月8日閲覧
 
 
関連項目[編集]
 | 
ウィキスピーシーズにダッタンソバに関する情報があります。 | 
 | 
ウィキメディア・コモンズには、ダッタンソバに関連するメディアがあります。 | 
- ソバ- 植物としてのソバ
 
- 蕎麦- 食品としての蕎麦食品全般
 
- 蕎麦粉
 
- 北海道の蕎麦一覧
 
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穀物 | 
 
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Japanese Journal
- ダッタンソバの収量改善に向けた適切な摘芯処理時期の検討(平成24年度年次講演会一般講演)
 
- ダッタンソバ新系統におけるルチン分解酵素ルチノシデースの解析
 
Related Links
- ダッタンソバ(韃靼蕎麦、学名:Fagopyrum tataricum)は、タデ科ソバ属の一年草。ソバ  と同属であるが、自殖性である。韃靼はタタールという中央アジアの民族の漢字名。音  からの直訳であるが、中国では韃靼は差別表現であり、苦蕎麦と呼ばれている。
 
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ダッタンソバ
- 関
 
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