クレナフィン
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IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
(2R ,3R )-2-(2,4-Difluorophenyl)-3-(4-methylene-1-piperidinyl)-1-(1H -1,2,4-triazol-1-yl)-2-butanol
臨床データ 販売名
Jublia ライセンス
US FDA:リンク 法的規制
投与方法
Topical 薬物動態データ 生物学的利用能
unknown oral 識別 CAS番号
164650-44-6 ATCコード
None PubChem
CID: 489181 ChemSpider
428538 ChEBI
CHEBI:82718 en:Template:ebicite 化学的データ 化学式
C 18 H 22 F 2 N 4 O 分子量
348.39 g/mol
SMILES
C[C@H]([C@](CN1C=NC=N1)(C2=C(C=C(C=C2)F)F)O)N3CCC(=C)CC3
InChI
InChI=1S/C18H22F2N4O/c1-13-5-7-23(8-6-13)14(2)18(25,10-24-12-21-11-22-24)16-4-3-15(19)9-17(16)20/h3-4,9,11-12,14,25H,1,5-8,10H2,2H3/t14-,18-/m1/s1
Key:NFEZZTICAUWDHU-RDTXWAMCSA-N
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エフィナコナゾール (Efinaconazole)は、トリアゾール系(英語版) 抗真菌薬で[1] 、14α-デメチラーゼ(英語版) の阻害剤であり[2] [3] 、真菌の細胞膜構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害する[4] 。爪白癬(爪水虫)治療薬。商品名クレナフィン (clenafin)[1] 。
概要
トリアゾール系抗真菌剤には内服薬や注射剤があったが、エフィナコナゾールは世界初のトリアゾール系の外用剤として科研製薬株式会社で開発された[1] [5] 。ケラチンとの親和性が高く爪甲内・爪床での高い抗真菌活性を示す[1] 。2013年にカナダで爪白癬治療剤として認可され[5] 、2014年に日本とアメリカでも認可された[5] 。カナダとアメリカでは爪真菌症が適応疾患となっているが[5] 、日本では爪白癬でしか認可されていない[5] 。10%溶液が使用される[4] [6] [7] 。
日本では「直接鏡検または培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用」する事となっており、入手に際しては医師の診断および処方箋が必要である[4] 。
1日1回罹患爪全体に塗布して使用する[5] [4] 。既に変色・変形した爪を回復させる薬剤ではないために、爪が伸びてこない症例には効果は期待できない[5] 。外用48週間後の完全治癒率は17.8%[5] 。接触性皮膚炎などの皮膚刺激があるために、爪以外の部位には不適とされ[5] 、周囲の皮膚真菌症には別の抗真菌剤を併用する必要がある[5] 。
副作用
第III相臨床試験での副作用は6.4%であった。主な副作用は、皮膚炎、水疱、紅斑、瘙痒、異常感覚、腫脹、疼痛、皮膚剥脱、爪甲脱落等であった[8] 。全身性の副作用はない[5] 。
薬物相互作用
なし[5]
出典
^ a b c d クレナフィン 開発の経緯2017年6月12日閲覧
^ Tatsumi Y, Nagashima M, Shibanushi T (May 2013). “Mechanism of action of efinaconazole, a novel triazole antifungal agent”. Antimicrob Agents Chemother 57 (5): 2405–2509. doi:10.1128/aac.02063-12.
^ “Drugs at FDA: JUBLIA”. 2014年6月26日 閲覧。
^ a b c d “爪白癬治療剤「クレナフィン爪外用液10%」の国内製造販売承認取得について”. 科研製薬 (2014年7月4日). 2015年5月17日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l 渡辺晋一 「皮膚真菌症の最新治療」日本医師会雑誌 146巻3号 509p
^ Patel T, Dhillon S (Nov 2013). “Efinaconazole: first global approval”. Drugs 73 (17): 1977–1983. doi:10.1007/s40265-013-0152-x. PMID 24249649.
^ Tschen EH, Bucko AD, Oizumi N, Kawabata H, Olin JT, Pillai R (Feb 2013). “Efinaconazole solution in the treatment of toenail onychomycosis: a phase 2, multicenter, randomized, double-blind study”. J Drugs Dermatol 12 (2): 186–192. PMID 23377392.
^ “クレナフィン爪外用液10% 添付文書” (2016年3月). 2016年6月28日 閲覧。
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Japanese Journal
爪白癬これまでの内服療法-イトラコナゾールとテルビナフィン-
福田 知雄
日本医真菌学会雑誌 60(3), 67-71, 2019
皮膚真菌症の大多数を占める浅在性皮膚真菌症のうちその多くを白癬が占め,特に足白癬は日本人の5人に1人,爪白癬が10人に1人罹患していると推察されている.爪白癬は白癬のなかで最も難治性と考えられている病態で,その治療には昔から難渋してきた.爪白癬に保険適用のある抗真菌外用薬2剤が発売されるまでは内服薬が治療の中心で,古くは1962年発売のグリセオフルビンが,その後,イトラコナゾールとテルビナフィンの …
NAID 130007699359
外用液タイプの爪白癬治療薬「エフィナコナゾール爪外用液」適正使用における薬局薬剤師の役割
篠原 祐樹,田中 直哉,近藤 澄子,加藤 誠一,豊田 彬,寺戸 靖,大塚 祥貴,青木 一恭,矢島 毅彦
薬局薬学 11(1), 44-52, 2019
<p>要旨:服薬率は治療効果に影響を及ぼす.爪白癬治療において,エフィナコナゾール爪外用液が発売され,内服薬の長期服用,副作用,薬物相互作用の問題点が解消され,アドヒアランス低下を回避できると思われた.しかし,エフィナコナゾール単独群の初回脱落率は45.3%であり,内服薬の併用群5.9%に比べて有意に高かった(<i>p</i>=0.002).また,爪白癬治療指導 …
NAID 130007650772
爪白癬治療剤エフィナコナゾール爪外用液の使用経験 : 長期使用例を含めた当科484例の検討
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クレナフィンとは クレナフィンは、科研製薬が開発し、2014年から使用が開始された、エフィナコナゾールを有効成分とする日本初の爪白癬(爪水虫)専用塗り薬です。クレナフィンが使用される前は爪水虫の治療にあたっては、飲み薬のみが認められていました。
クレナフィン[エフィナコナゾール]:アゾール系抗真菌薬 クレナフィン[エフィナコナゾール]は、爪白癬に対する治療薬として使用されています。 真菌は、細菌・ウイルスとは全くの別物になります。 細菌・ウイルスとは? 細菌とウイルスでは、構造が全く異なるため増殖過程も異なります。
エフィナコナゾール存在下で12代継代培養したT.rubrumは感 受性を示した。4.作用機序13) エフィナコナゾールは、真菌細胞膜のエルゴステロール生合成 経路上におけるラノステロールの14位メチル基の脱メチル化反 応を阻害し、抗真菌
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
クレナフィン爪外用液10%
組成
有効成分
添加物
デカメチルシクロペンタシロキサン、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸アルキル(C12-C15)、ジブチルヒドロキシトルエン、無水クエン酸、エデト酸ナトリウム水和物、エタノール
禁忌
効能または効果
適応菌種
適応症
直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること。
重症患者における本剤の有効性及び安全性は確認されていない(「臨床成績」の項参照)。
1日1回罹患爪全体に塗布する。
本剤を長期間使用しても改善が認められない場合は使用中止を考慮するなど、漫然と長期にわたって使用しないこと(48週を超えて使用した場合の有効性・安全性は確立していない)。
薬効薬理
抗真菌作用
抗真菌活性(in vitro )9)
エフィナコナゾールはTrichophyton rubrum やTrichophyton mentagrophytes に対して抗真菌活性を示した。 また、上記以外のTrichophyton 属の皮膚糸状菌に対しても抗真菌活性を示した(MIC:0.0039〜0.063μg/mL)。
実験的爪白癬に対する作用10)
T.mentagrophytes によるモルモット爪白癬モデルに、エフィナコナゾ−ル10%液剤を1日1回4週間反復爪塗布したところ、感染無処置対照群に比べて有意な爪中菌数の減少を示した。
爪における抗真菌活性
爪中及び爪甲下での抗真菌活性4,10)
ヒト爪を用いたin vitro 試験において、爪中や爪甲下で増殖するT.rubrum に対して、爪上面への塗布により有意な菌数の減少を示した。
ケラチン親和性(in vitro )10,11)
爪の主成分であるケラチンに対するエフィナコナゾールの親和性を検討した結果、吸着率は添加量に対し85.7%、遊離率は吸着量に対し46.0%であった。 一方、同様の方法で検討したアモロルフィン塩酸塩、シクロピロクス オラミン、テルビナフィン塩酸塩及びイトラコナゾールの吸着率は98.1〜99.5%、遊離率は1.7〜6.9%であった。
薬剤耐性(in vitro )12)
エフィナコナゾール存在下で12代継代培養したT.rubrum は感受性を示した。
作用機序13)
エフィナコナゾールは、真菌細胞膜のエルゴステロール生合成経路上におけるラノステロールの14位メチル基の脱メチル化反応を阻害し、抗真菌作用を発揮する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
(2R ,3R )-2-(2,4-Difluorophenyl)-3-(4-methylenepiperidin-1-yl)-1-(1H -1,2,4-triazol-1-yl)butan-2-ol
分子式
分子量
融点
性状
本品は白色〜微黄色の結晶、結晶性の粉末又は塊である。 アセトニトリル、N ,N -ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(95)、無水酢酸又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
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会社名
成分
薬効分類
薬効