- 英
- anethole
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/29 18:38:58」(JST)
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アネトール |
|
IUPAC名
アネトール(許容慣用名)
trans-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(系統名)
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
104-46-1 |
KEGG |
D02377 |
|
特性 |
化学式 |
C10H12O |
モル質量 |
148.20 |
外観 |
無色結晶または液体 |
密度 |
0.988, 液体 |
融点 |
23
|
沸点 |
234–237
|
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
アネトール (anethole) は芳香族化合物の一種で、アニスやフェンネル、トウシキミが持つ甘草のような特有の味の成分である。trans-アネソール、p-プロペニルアニソール、アニスカンファー、イソエストラゴール、アニシード油とも呼ばれる。甘草の甘みのもととなっているグリチルリチンと化学的に関係はない。IUPAC系統名は trans-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン trans-1-methoxy-4-(prop-1-en-1-yl)benzene である。分子内にエーテル構造を持つ。
性質
室温以下では無色の結晶で、融点は23℃、沸点は234–237℃である。分子式は C10H12O と表され、タラゴンやバジルに含まれるエストラゴールの異性体である。1リットルのエタノールには500ミリリットルのアネトールが溶ける。水には不溶である。アネソールは砂糖のおよそ13倍ほどの強い甘みを持つ。高濃度であっても不快感をあたえないとされる。
用途
石鹸や口腔洗浄剤などに味や香りをつけるのに用いられる。また、ペルノー、アニゼット、ウーゾなどのリキュールに香料として添加される。
生理学
アネソールは咳止め(去痰薬)として作用する。弱い抗菌剤としても働く。弱い毒性を持ち、大量に摂取すると有害な作用をもたらすこともあるとされる。ラットを用いた実験では、肝臓の再生能力を活性化させ、高用量では鎮痙薬としても働くと報告されている。アネソールは合成麻薬であるパラメトキシアンフェタミン (p-methoxyamphetamine, PMA) の前駆体である。PMAは「エクスタシー」(錠剤型麻薬の総称)として売られることがあり、しばしば死亡事故の原因となっている。
関連項目
Japanese Journal
- 2P-2127 トランス・アネトールは真菌に対してDNAの断片化を伴う細胞死を誘導する(11b 生合成,天然物化学,一般演題,生体関連化学,伝統の技と先端科学技術の融合)
- 2Mp23 アネトールは出芽酵母にアポトーシス様の細胞死を誘導する(生合成・天然物化学,一般講演)
- 藤田 憲一,橋本 幸恵,黒田 学,辰巳 美紀,荻田 亮,田中 俊雄
- 日本生物工学会大会講演要旨集 平成21年度, 194, 2009-08-25
- NAID 110007500879
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※ アテネントール錠12.5mg
組成
組 成
- アテネントール錠12.5mgは1錠中アネトールトリチオン12.5mgおよび添加物として黄色4号(タートラジン)、黄色5号、乳糖水和物、リン酸水素カルシウム水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、白糖、沈降炭酸カルシウム、アラビアゴム末、精製セラック、マクロゴール6000、硫酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、タルク、カルナウバロウを含有する。
禁忌
完全胆道閉塞のある患者
急性期の肝・胆道疾患のある患者
- 〔肝細胞および胆道に負担をかけ症状を悪化させるおそれがある。〕
重篤な肝障害のある患者
- 〔肝細胞および胆道に負担をかけ症状を悪化させるおそれがある。〕
効能または効果
下記疾患における利胆
- 胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
シェーグレン症候群に伴う唾液分泌減少の改善
- アネトールトリチオンとして、通常成人1回25mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
利胆作用
- イヌで胆汁分泌量を増加させるとともに胆汁中の胆汁色素、胆汁酸、コレステロール等の固形成分の分泌を著明に促進する。
尿素排泄作用
- 過窒素飼料で飼育し、肝・腎障害をおこさせたウサギへの投与により、尿素排泄を増加させる作用が認められている。
グルタチオン値上昇作用
- ウサギに筋注することによって血中還元グルタチオン値の有意な上昇が認められている2)。
その他の作用
- 肝血流量、門脈圧に対しては不変又はわずかに低下させる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アネトールトリチオン (Anetholtrithion)
化学名
- 5-(4-Methoxyphenyl)-3H-1,2-dithiole-3-thione
分子式
分子量
性状
- アネトールトリチオンは淡褐色?褐色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、味は苦い。本品はアセトン又はクロロホルムにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
融 点:105?110℃
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- anethole trithione、anetholtrithion
- 商
- アテネントール、フェルビテン