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知能指数(ちのうしすう、Intelligence Quotient, IQ)とは、数字であらわした知能検査の結果の表示方式のひとつである。
IQとは、知能検査の結果を表す数値である。「生活年齢と精神(知能)年齢の比」を基準とした「従来の知能検査」と、「同年齢集団内での位置」を基準とした「知能検査」の2種類があるが、従来の知能検査はあまり使われなくなりつつある。また、検査によってはより細かい「言語性知能検査」と「動作性知能検査」も決定する。知能指数表示の場合は、中央値は100、標準偏差はWechsler系検査では15、田中Binet系では16である。
知能検査は、高いほど知能が高いことを、低いほど知能が低いことをあらわす。従来の知能指数は「精神年齢 ÷ 生活年齢 × 100」の式で算出される。知能指数は100に近いほど出現率が高い(人数が多い)。50–70は軽度知的障害、35–50は中度知的障害、20–35は重度知的障害とされるが、40未満を測れない検査も多い。
一般的に知能指数・IQと呼び習わすものには、生活年齢と精神年齢の比を基準とした「従来の知能指数 (IQ)」と、同年齢集団内での位置を基準とした標準得点としての「偏差知能指数(Deviation IQ, DIQ, 偏差IQ、偏差値知能指数)」の2種類がある。すなわち、狭義のIQはDIQを含まずに従来のIQのみを意味するが、広義のIQはDIQも含むという事である。本記事では、DIQも含んで広義のIQを意味する場合は単に「IQ」と表記するが、DIQを含まず狭義のIQを意味する場合は「従来のIQ」と表記する。
ウェクスラー式の全年齢、田中ビネーVの14歳以上の領域など、日本の新しい知能検査は、大部分が結果表示にDIQを採用しているものの、田中ビネーVの13歳以下の領域や、田中ビネー1987年版(第4版)の全年齢など、従来のIQを主体としている場合もある。
ウェクスラー式では、「全検査IQ (full scale IQ, FIQ)」「言語性IQ (verbal IQ, VIQ)」と「動作性IQ (performance IQ, PIQ)」に分かれて算出され、いずれもDIQである。なおFIQの数値はPIQとVIQの中間に位置するとは限らず、例えばVIQは87でPIQは86だがFIQは85である場合など、PIQとVIQのどちらよりも低い場合や高い場合がある。WISC-IIIやWAIS-IIIでは、さらに群指数という「言語理解 (VC)」、「知覚統合 (PO)」、「作動記憶 (WM)(WISC-IIIでは注意記憶 (FD))」、「処理速度 (PS)」の4種類の領域別の数値も算出され、これはIQと同じく中心値が100で標準偏差15の指数の形を取る。
田中ビネーVでは、14歳以上対象の場合に、総合DIQの下に「結晶性」・「流動性」・「記憶」・「論理推理」4種類の領域別IQを算出することが可能である。
VIQとPIQの差、あるいは4つの群指数間の差を「ディスクレパンシー」といい、あまりにも大きい場合(15程度)は発達障害を疑ったり、特別な支援を検討する。
パズル本やTV出演者のIQが紹介される時は、高く見せるためにキャッテル式の標準偏差24が暗黙に使用される傾向にある。例えば、ウェクスラー式の140はキャッテル式の164である。
DIQを含まない場合、従来のIQを算出する方法の検査では、
で算出される。成人(何歳からかは検査によって違う)の場合は生活年齢を18歳程度に固定して計算する(知能年齢、生活年齢については後述)。
DIQを算出する方法の検査では、
で算出される。ビネー式の場合は16分の1、ウェクスラー式の場合は15分の1を使用する。
IQの平均値は100であり、85–115の間に約68%の人が収まり、70–130の間に約95%の人が収まる。
右図のように、IQは100を中心として山型(ベルカーブ)に分布する(正規分布)。ただし、従来のIQを使用する場合は、必ずしも綺麗な分布ではない。標準偏差2つ分 (2SD) 以上平均値から乖離している場合は異常値とされる。田中ビネー式の標準偏差は16であるため、68以下と132以上が異常値とされる。ウェクスラー式の標準偏差は15であるため、70以下と130以上が異常値とされる。
ギネスブックにも認定されている世界で最も高いIQの持ち主はアメリカのマリリン・ボス・サバントである。彼女のIQは228とギネスブックに登録されている。
従来のIQを使用する場合は、年齢の低い児童の場合はIQが200を超えるような場合もあるが、従来のIQは相対的な発達の度合いを示す数値であり、検査問題も難しさは有限であるため、年齢を重ねるごとに一定値以上の数値が出る確率は徐々に減っていく(一定値以下の数値が出る確率は減らない)。
DIQを使用する場合は、分布が厳密であるため、低年齢でも高年齢でも、160程度が上限で、40程度が下限である場合が多い。
WISC-IIIのFIQ、PIQは上限が160、下限が40であるが、それを超える得点も取りえるため、その場合は「161以上」、「40未満」と表示する。VIQは上限が157、下限が43である。4つの群指数は上限が150、下限が50であるが、それを超える得点も取りえるため、その場合は「151以上」、「50未満」と表示する。
新田中B式知能検査の中高成人用では、上限はISS80、IQ145であり、下限はISS20、IQ55である。
被験者の知的な能力が、何歳の人の平均と同じかをあらわしたものを「精神年齢 (Mental Age, MA)」と呼ぶ。心理学用語としての定義からもわかるとおり、性格がいくら子供っぽくても、知的能力が高い人は精神年齢は高いとされる。従って俗語的に用いられると誤解を招くので知能年齢という言い方をされることもある。発達検査などの場合は「発達年齢」と呼ぶ場合も多い。対義語は「生活年齢 (Calendar Age, CA)」であり、「暦年齢」・「実年齢」などとも呼ばれる。「肉体年齢」ともいうが、これは実年齢に対する肉体の成熟度合いの意味にも取れるので、使用しないのが望ましい。例えば精神年齢が11歳3か月で実年齢が11歳9か月である場合は「MA 11:3, CA 11:9」と表記する。成人後は知能の伸びが緩やかになり、老年になると下降していくため、精神年齢の概念は、成人後はあまり有用ではないとされるが、児童の発達を見るのには感覚的に受け入れやすい。
なお、精神年齢は12、13歳を過ぎるとそのままの定義では不自然なIQが算出されるので、一定の方法で修正される。旧版のスタンフォードビネーテストでは、平均的な人間の知的能力は16歳まで年齢とともにゆるやかに伸び、生活年齢が16歳になったとき精神年齢は15歳になったものと見なされ、以後その能力にとどまるとされる。たとえば23歳の平均的成人の知的能力はあくまで精神年齢15歳である。1987年版の田中ビネーでは平均的な23歳の知能は精神年齢17歳9ヶ月とされる。これらの例からもわかるとおり、年齢尺度を用いた知能検査であっても、12歳以降はもはや本来の意味での精神年齢の定義ではなく、もっぱら自然なIQを算出するために定めた架空の数値と言っても過言ではない。このことも、比例IQが使用されなくなった要因の一つとなっている。
ミシガン大学のNisbett教授によると、IQの平均は1947年から2002年の間に18上昇しているという。[1]30年で約10上昇している。この現象のことをFlynn effect(フリン効果)と呼ぶ。従って20歳の成人と50歳の成人を同じ知能検査で同じ基準で比較するのは難しい。50歳の成人の30年前に受けた知能検査の平均値は、現在の平均値より10近く低いのである。スウェーデン・ウメ大学のElijah Armstrong氏とブリュッセル自由大学のMichael Woodley氏によると、一定の出題パターンを見抜く事で容易に解けるようになる問題の方が、パターン把握を認識しにくい問題に比べてフリン効果は顕著だと言う。[2]
「従来のIQ」の数値は、あくまで知能の発達の早さを意味するものであり、異年齢の他人との数値の単純な比較によって直ちに天才的であるとか成人より高知能であるとかを断定することはできない。例えば、5歳の児童が、10歳の平均的な児童と同じ知能を示せば、IQは200になる。そして、IQ100の11歳児とIQ200の5歳児を比べれば、平均的な児童であるIQ100の11歳児の方が、IQが突出して高いIQ200の5歳児よりも知能は高いことになる。
また、5歳でIQ100の人が7歳になったらIQ90であった場合、一見すると数値が低くなったので知能が退化したかに見えてしまう。しかしながら、5歳時のMAは5歳0ヶ月であり、7歳時のMAは約6歳3ヶ月である。このため実際には知能水準は伸びている。こういったことから、IQよりMAを使用した方が発達度合いが感覚的に分かりやすい場合もある。
同一人物を複数種類の知能検査で測定すれば、違う数値が出ることはありうる。例えば、WISC-III開発時に田中ビネー[3]とWISC-IIIを38人(やや少人数)に対して実施したところ、WISC-IIIの平均FIQが100.1であるのに対し、田中ビネーの平均IQは111.7であった。WISC-Rと田中ビネーの比較でも同じ様な結果は出ており、一般的に「田中ビネーの結果はWISCの結果より10ほど高いと考えた方が良い」と言われている。なおK-ABCとの比較、ITPAとの比較も、どちらも28人を対象として実施されたが、この2つについては大きな乖離はなかった[4]。
なお、田中ビネーV開発時にもWISC-IIIとの比較は行われており、平均5歳11ヶ月の97人に対して実施された結果、田中ビネーVの平均IQ129.9、平均DIQ111.7に対し、WISC-IIIの平均FIQは115.6であった。DIQ基準でいえば拮抗あるいは田中ビネーVがやや低めといえるが、IQ基準では14程度田中ビネーVが高い[5]。
ただし、後述の通りIQは検査の開発時期によって変化するため、これらの得点の相違は、検査の性質の差によるものか、検査の開発時期が異なることによる差か、確かなことは言えない。
同一シリーズの知能検査でも版が違う物で測定すれば、違う数値が出ることはありうる。例えば、WISC-III(WISCの第3版)開発時にWISC-R(WISCの第2版)と比較したところ、WISC-Rの平均FIQは108.9であるのに対し、WISC-IIIの平均FIQは103.3であった(日本版相関係数0.84)。なおフリンの研究によれば、全く同じ知能検査を使用して比較しても、IQは10年で3ポイント程度上昇していく傾向である。この傾向は、レーヴンのマトリシスのような文化的な影響度を最小限にした典型的な非言語性テストでも、いっそう著しく見られるのであり、その原因は不明である。田中ビネー第4版と第5版の間の比較調査は今のところ見当たらないため、こちらは改訂により高く出やすくなったのか低く出やすくなったのかは不明である[4]。
同一人物を同じ知能検査で複数回測定すれば、2回目以降は数値が高くなりがちである。例えば、WISC-IIIを同一対象に14–180日(平均76日)の間隔を置いて再検査したところ、一回目の平均FIQは101.1であるのに対し、2回目の平均FIQは109.4だった。なおVIQは上昇幅が少なかった[4]。
言語障害者、非識字者などの場合は、言語面に重点を置いた検査で著しく低い数値がでる場合が多い。このため、そういった被験者を対象とする場合は、非言語式(ノンバーバル式、B式)の知能検査を用いなければならない。逆に、上肢(手指など)に障害がある場合は、B式検査では著しく低い数値が出る場合もある。
特に年少児や発達障害児の場合は、知能検査時の体調や感情的状態によって、IQがかなりの程度上下すると言われている。
また、刑務所の収監者に対する知能検査で、IQが低い者が著しく多いことが知られている。元議員のジャーナリスト山本譲司は自己の受刑体験から刑務所内に知的障害者が多いことを知り、著書で問題提起をしている。2004年度の新受刑者のIQは、50から119までは10ごとに区分され、他は49以下、120以上、測定不能に区分されて集計されている。このうち最も多いのが80~89で全体の27%を占め、69以下(知的障害者あるいは知的障害の疑いがある人)の合計は全体の22%となる(測定不能はただの検査忌避も含まれそうなので含めず)。一方110~119は1%しかいない。
療育手帳のうちB判定で70%はいるとも考えられてるが、精神障害者保健福祉手帳では3級のほうに多いと思われる。路上生活者では10%以上はいると言われてる。
ただしこれらの検査結果が完全に正確なものであると断言することはできない。知能検査は被検査者と検査担当者のラポール(信頼関係)が確立していることと、検査環境が心理的・生理的に快適であることと、検査時の精神状態が安定していることが正確な結果を出す前提条件である。ところが刑務所に収監されることが確定しているというあらゆる面で不安定な時期の被検査者にとって、実力を完全に発揮することは難しい。ましてや、受刑者と言う立場にいる人間は、その立場に不満を感じていることも考えられるので真面目に知能検査などを受けることをしないと言った抵抗を見せることも充分に起こり得ることであり、通常の環境とは違うと言うことが考えられる。そのため、平常時に検査を行った場合よりも低い結果が出ている可能性も否定できず、この統計は有益なものであるが盲信することは慎むべきである。受刑者の知能指数を調べるのなら、受刑前の数値の方がまだ事実を知る参考になり得る。[要出典]
知能がどの程度親から子に遺伝するか、どの程度生活環境によって変動するか、低年齢時のIQがどの程度後まで連続するかには諸説がある。また知能の遺伝性に関する議論は常に社会的、政治的な論争を引き起こす。たとえば「知能は生得的なものであり、努力をしてもあまり変わらない」という説は、後天的な努力を否定する「好ましくない遺伝子決定論」として批判されることがある。一方、「教育によって知能がかなり上昇する」という説は、教育の重要さを示す反面、業者の宣伝文句となって過度の早期教育をあおる危険性もある。しかし、特定の疾患が遺伝するかどうかはそれが好ましいかどうかとは別の問題であるのと同じように、知能が遺伝するかどうかは社会的に危険かどうかとは別の問題である。
また、実はこの両者はともに、知能の遺伝性の問題とは、知能の絶対水準が主として遺伝で決まっているか否かであるという捉え方をしている。しかし現代の心理学者や行動遺伝学者は、この問題については、主として、集団の知能の分散のどの程度が遺伝の影響として説明できるかという考察をしており、絶対水準については何も語っていない。
ターマンがスタンフォードビネーテストを発表したころは、このテストで測定される知能は、生得的な能力を測っており、かつその絶対水準がおおむね遺伝によって決まっていると考えられていた。ターマンや、彼の影響を受けた鈴木治太郎らの著書を読むと、父親の職業や、都会と田舎でビネーテストの成績が違うことを、主として遺伝的な差と見て疑うところがない。しかし、その後、時代が新しくなるにつれて知能テストの成績が向上するという、後にフリン効果と呼ばれる現象が見出されることによって、そのようなナイーブな考え方が成り立たないことが明らかとなった。
知能に生得的、遺伝的基盤があることには疑いがない。でなければ他の動物より高い知能をヒトが持っていることが説明できない。長らく議論の対象であったのは、知能の個人差に遺伝的要因が関わっているかどうかであった。個人差がどの程度遺伝するかは諸説がある。この研究については、双生児法による行動遺伝学的研究から、(個人の知能の何%が、ではなく)集団の中の標準的な知能の分散の何%が遺伝により、何%が環境で説明できるのかという形で結論付けられる。この遺伝率の値は集団が置かれている環境によっても変動する。完全に平等な教育が与えられている理想的な集団では、なお個人差が見られるのならそれは100%遺伝の影響であると結論できる。個人が受けられる教育の度合いに著しい差がある環境では、個人差は教育の機会に大きく影響されるのだから、遺伝の影響は相対的に小さくなる(この極端な例は「遺伝率」が個人については何も述べていないことを意味している)。したがって、教育の機会均等が図られている社会では遺伝率が高く、そうでない社会は、遺伝率が低くなると予想される。現代の先進工業社会では、知能の遺伝率は子供で50%、成人では70%以上を示す研究が多い。成人の方が遺伝率が高いのは、成人は自我が発達しているため子供ほど周囲の影響を受けず、自己の行動をその遺伝的特性に合わせて決定するからだと言われている。
1969年にアーサー・ジェンセンは「いかにしてIQと成績を向上させられるか」と言う論文で、アメリカにおける人種間の成績の差はそれまで暗黙に仮定されていたように、環境と学習だけの差ではなく、遺伝的差異が関わっている可能性も考慮するべきだと述べて論争を巻き起こした。1994年には『ベル・カーブ』 (The Bell Curve) という845ページの本が、リチャード・ハーンシュタインとチャールズ・マレーによって執筆された。二人は人種間の遺伝的差異は主張しなかったが、やはり知能は環境と学習だけで決定するのではなく個人間に遺伝的差異があり、社会的地位の高い人々と低い人々の間で知能の遺伝的差異が固定するような二分化が起きるのではないか、もしそうなら放置するのは危険ではないかと述べた。知能の遺伝という考えがアプリオリに拒絶されていた時代にあって、彼らの焦点は遺伝的差異を克服する方策であったにもかかわらず、知能が遺伝的に「決定」されると主張して差別を正当化しようとしている、と批判を浴びた。
IQは、生活環境によって大きく変わるとされている。たとえば1923年の研究では、イギリスの運河船の上で生活している子供は、学校出席率は全日数の5%で、両親が非識字の場合が多い。先天的なもので文化や環境の影響をうけにくいと考えられていたレーヴン漸進的マトリクスによる流動性知能の検査でも、これらの76人の子供の知能を測ったところ、平均IQは69.6であった。なお、4–6歳では平均IQは90、12–22歳では平均IQは60であり、成長とともに知能の伸びが低くなっている。これは流動性知能と呼ばれるものも、教育の有無が大きく影響している事を示している[6]。
また、僻地の生活者も平均IQは低いとされる。1932年の研究では、アメリカのワシントンD.C.西部のブルーリッジ山脈に住む子供を対象に知能検査をしたところ、山のふもとの村の子供のIQは76–118だったが、山間部の子供のIQは60–84だった。また運河船の例と同じように、年齢が高いほどIQが低くなっている[6]。
また、離島の児童も平均IQは低いとされる。広島大学の武村一郎らによる1965年の研究では、瀬戸内海の人口7千人の島の小学生152人に対して田中ビネー知能検査を実施したところ、男子の平均IQは92、女子の平均IQは80であった。なお、IQ75以下は22%と著しく多かったが、本土の特殊学級の知的障害児との比較では、知能検査のうち学習経験に左右される検査問題では、離島のIQ75以下の児童は低年齢で正答率が低く、高年齢で正答率が高いという特徴があり、一般的な知的障害児とは違いがあった。この研究グループでは、この現象を「離島性仮性知的障害」と名づけている[6]。
なお、生活環境のみならず、検査時の環境や体調によっても大きく変化するが、これは他の検査でも同様であるため、「心理検査」で詳述している。
同一人物のIQは、一般的には成長しても低年齢時とあまり変わりはないとされている。たとえば1948年にアメリカのホンジックが行った研究では、222人の被験者を対象に6歳時と18歳時のIQを比較した(文献によっては、1歳時と18歳時となっている)が、50以上変化した例は0.5%で、30以上変化した例は9%であった。しかしながら、20以上変化した例は35%で、10以上変化した例は85%であり、ある程度は変動するものだということができる。また、狩野広之による1960年の研究では、小学校1年から中学校3年までの児童生徒を対象としてIQの変化を調べたが、「小学校1年生時点のIQはそれ以降大きく変わるケースが多い」ということと、「小学校3年生以上では、IQの変化はかなり少なくなってくる」ということが分かった[7]。
大きな事件があった場合や、深い悩みがあった場合などはIQが大きく変動する。「病気」・「父の復職」・「非行」・「競技での成功」・「過保護」・「人種的な悩み」・「体重・容貌の悩み」などの要因で、IQが大きく変動するとされている。
一部では、IQは生涯不変の神秘的な数値(マジックナンバー)であるという誤解があるが、学力検査ほどではないにせよ、変わりうるものである。また、当然ながら知能検査の種類によっても変化する(#相関で詳述)。
IQは知能の代表的な表示法であるが、IQ以外にもいくつかの表示法が使われている。
知能の偏差値を「知能偏差値 (Intelligence Standard Score, ISS)」という。これは、知能を偏差値の形で表示したものであり、50を中心として上に行くほど知能が高いことをあらわしている。特徴としては、母集団の結果にばらつきが多い年齢層とばらつきが少ない年齢層の両方で、正確な表示ができることなどがあげられる。また、標準学力検査の結果も学力偏差値で表示される場合が多いため、IQと学力は比較しにくいが、知能偏差値と学力は比較しやすいという特徴もある。また、DIQはもともと偏差値・標準偏差の考え方を利用した表示法なので、知能偏差値はDIQと簡単に換算できる。伝統的に集団式検査に多い表示法である。
これは偏差知能指数 (DIQ) とは異なる。DIQは中心値が100で、知能偏差値は中心値が50である。
ISS | 80 | 75 | 70 | 65 | 60 | 55 | 50 | 45 | 40 | 35 | 30 | 25 | 20 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DIQ | 145 | 138 | 130 | 123 | 115 | 108 | 100 | 93 | 85 | 78 | 70 | 63 | 55 |
簡単に換算するには、標準偏差15の場合、
とすればよい。
前述の精神年齢をそのまま使用して、IQを出さずに生活年齢と併記して表示する方法。IQは生活年齢を基準として相対的な知能の高低を表示する方法であるため、発達の遅れ・進みの度合いが分かりやすいが、絶対値でないため感覚的に理解しにくい。しかし、精神年齢で表示すれば、14歳未満の場合は感覚的に理解しやすくなる。なお、成人の場合は精神年齢での表示は適しない。
知能を5段階ないし7段階に分けて表示する方法。あまり精密な結果を出さない方が良い場合などに用いられる。ウェクスラー式とビネー式では分類基準が異なる。
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「知能百分段階点」ともいう。その知能水準が、最下位からどの程度の位置に存在するかを表したもの。一般人100人の集団のうち、下から何番目かという意味だと考えても良い。たとえば「40パーセンタイル」とは、100人のうち下から40番目に位置し、下表ではDIQ97に相当するものである。たとえば、DIQ108以上の人は、下表では70パーセンタイルであり、100人中30人存在することになるが、DIQ130以上の人は、下表では98パーセンタイルであり、100人中2人しか存在しないことになる。ただし、従来のIQではこの表は当てはまらない。
パーセンタイル | 0.1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 96 | 97 | 98 | 99 | 99.9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DIQ | 54 | 66 | 70 | 72 | 74 | 81 | 88 | 93 | 97 | 100 | 104 | 108 | 113 | 120 | 127 | 129 | 130 | 135 | 146 |
発達検査などの場合はIQの代わりに「発達指数 (DQ)」であらわす場合も多い。この場合は、知能面以外にも、歩行・手作業などの運動面、着衣・飲食などの日常生活面、ままごとなどの対人関係面の発達も重視された数値となる。発達検査は低年齢対象のものが多いため、発達指数はIQよりも低年齢で多用される。
IQや知能偏差値などは、各種の批判があるものの、いろいろな場面で活用されてきている。
学校などで行われた知能検査は、結果が非公開になる場合も多い。また、知能検査の結果は教師であれば知ることができるが、IQが低い児童の潜在能力を低く見てしまい、ゴーレム効果(ピグマリオン効果を参照)・ハロー効果によって本当にその生徒の知能が本来より下がってしまう危険性があることに注意するべきである。
学校で行われた知能検査の結果は、標準学力検査の結果などとともに内申書や指導要録などに記載される場合がある。
IQ70または75未満(以下)の人は知的障害があると認定され、また療育手帳の交付対象となる。50~69相当では心理的要因などの理由で、精神障害者保健福祉手帳3級(合併症は除く)の取得もできる。なお70以下の人は理論的には2.27%だが、そのうち知的障害者認定を受けているのは6人ないし7人に1人程度である。実用的かつ正確な方法などで分かることとしては重度な言語の狂いがあることやあまりにも逸脱している文法の狂い等やCT検査で図面的に見ることで分かるケースが圧倒的に多いのでIQだけで判断できることはないという考えも増えてきている。また、DIQを結果表示に用いる知能検査では、IQ40未満が実質的に測定できず、障害者手帳の交付時の診断で齟齬をきたす場合がある。
就学時健康診断の際にも、知的障害の存在可能性などを調べるために知能検査が行われる。その多くはあまり精密でない簡単な検査だが、一部では健常児と障害児を分離し、統合教育に逆行するものだとして批判されている。なお、2002年の法改正により、知能検査以外の適切な検査を使用することも可能となった。
学習指導などの目的から、知能と学力の相関を調べる場合がある。これは各学校の教育の達成度合いを見て、学校評価をするためにも使用される。
学力偏差値と#知能偏差値を比較し、知能検査の結果に比して学業成績が良い生徒を「オーバーアチーバー」といい、その逆を「アンダーアチーバー」という。均衡している場合は「バランストアチーバー」という(「アチーブメント」は達成度の意味)。修正成就値で8以上の差があるかを基準にする場合が多い。この場合の学力偏差値の算出には、各社発行の標準学力検査が用いられる。知能検査は全集団を対象に標準化されたものであるため、知能と学力を比較するには、同様に全集団を対象に標準化された学力検査でなければ正確に比較できないためである。この検査は、日本、あるいは1都道府県を基準として標準化されたものであり、教師作成テストの対義語である。なお新入学時用や各学期用の製品も存在する。またこの場合の知能偏差値の算出には、集団式知能検査が用いられる場合が多い。
この場合においての知能側の数値は、知能偏差値をそのまま使う場合もあるが、下記のようにさまざまな修正を加えて計算する場合も多い。修正成就値の場合に学力期待値を用いる理由は、知能が学力に完全な支配をもたらすわけではなく、知能の高低に比して学力の高低は少なめであるからである。ただし知能側・学力側のどちらも元は偏差値である以上、標準偏差は同じであり正規分布しているはずなので、知能側に0.7を掛けることでオーバーアチーバーもアンダーアチーバーも該当者が現れやすくなる計算法といえる。例えば知能偏差値と学力偏差値のどちらも80である場合、学力期待値は71になるのでオーバーアチーバーとして算出されてしまう。一方、新成就値では、知能偏差値を、検査月ごとの全国標準得点を用いてBSSに換算する。これは出生月を考慮に入れない。それはもともと学力検査が出生月を考慮しない検査であるため、それに合わせる意味合いからである。
なお、知能検査は学年別のものなどが使われるが、この種の検査用紙においては偏差値算出時の年齢表が著しく狭い年齢幅しかない場合がある。例えば小学5年生用検査の場合に12歳以上の被験者に対する換算ができないなどである。このため、年齢の高い生徒が混じっていると、その生徒の成就値の算出に苦労することになる。なお、学年別検査ではなく、個別式検査とか、集団式でもその生徒の年齢に適合した検査を使えば、知能偏差値は算出できるが、そうすると年齢相当の知能偏差値が出るため、その知能から期待される学力偏差値と同じ値を生徒が得点した場合、実質的にはバランストアチーバーだが、計算上はオーバーアチーバーに分類されやすくなる(言い換えれば、その知能偏差値から期待される学力偏差値と同じ値を生徒が得点した場合、計算上はバランストアチーバーだが、実質的にはアンダーアチーバーか、それに近い)。つまり基本的に成就値の考え方が、同じ学年には同じ年齢の生徒しかいない年齢主義を前提にしているという問題がある。もちろんそういった場合を想定して知能検査と学力検査を開発すれば問題はなくなるが、日本では同学年の生徒が全員同年齢である例が多いため、需要が少ない。
武蔵野市にある聖徳学園小学校では、入学試験の際にIQテストを行い、一定値以上の生徒のみを入学させる方式をとっている。[要出典]
1947年度から、旧制高等専門学校入試に係る官立学校志願者のための大学入学者選抜試験の筆記試験の一部において、知能検査が実施されていた。名称は1948年度から「進学適性検査」となり、1949年の新制大学第1回の入学者選抜から大学受験生全員に課せられていたが、1955年度に廃止された[8]。
現在の事例については、「IQ」「知能」という名前こそ冠していないものの、国際基督教大学の入試の1科目である「リベラルアーツ学習適性」が、知能検査に近い内容の出題として挙げられる。また2005年度より名古屋商科大学が推薦入試で「IQ入試」と呼ばれる方式を導入している。
法科大学院入試に必要とされる適性試験では、「IQ」や「知能テスト」といった名前は冠していないものの、似た内容の出題がされている。
「教養試験」という科目名で出題される「数的推理」「判断推理」「空間把握」や、「適性試験」、クレペリン検査などには、IQテストの要素が強い。[独自研究?]
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Wechsler Adult Intelligence Scale | |
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Diagnostics | |
ICD-9-CM | 94.01 |
MeSH | D014888 |
[edit on Wikidata]
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The Wechsler Adult Intelligence Scale (WAIS) is an intelligence test designed to measure cognitive ability in adults and older adolescents.[1] The original WAIS (Form I) was published in February 1955 by David Wechsler, as a revision of the Wechsler-Bellevue Intelligence Scale, released in 1939.[2] It is currently in its fourth edition (WAIS-IV) released in 2008 by Pearson, and is the most widely used IQ test, for both adults and older adolescents, in the world.
Wechsler's scale is founded on his definition of intelligence, which he defined as "... the global capacity of a person to act purposefully, to think rationally, and to deal effectively with his environment."[3] He believed that intelligence was made up of specific elements that could be isolated, defined, and subsequently measured. However, these individual elements were not entirely independent, but were all interrelated. His argument, in other words, is that general intelligence is composed of various specific and interrelated functions or elements that can be individually measured.[4]
This theory differed greatly from the Binet scale which, in Wechsler's day, was generally considered the supreme authority with regard to intelligence testing. A drastically revised new version of the Binet scale, released in 1937, received a great deal of criticism from David Wechsler (after whom the original Wechsler-Bellevue Intelligence scale and the modern Weschler Adult Intelligence Scale IV are named).[4]
These many criticisms of the 1937 Binet test gave rise to the Wechsler-Bellevue scale that was released in 1939. While this scale has been revised many times (resulting in the present day WAIS-IV), many of the original concepts Wechsler argued for have become standards in psychological testing, including the point-scale concept and the performance-scale concept.[4]
The Wechsler-Bellevue tests were innovative in the 1930s because they:
In the Binet scales (prior to the 1986 version) items were grouped according to age level. Each of these age levels were composed of a group of tasks that could be passed by two-thirds to three-quarters of the individuals in that level. This meant that items were not arranged according to content. Additionally, an individual taking a Binet test would only receive credit if a certain amount of the tasks were completed. This meant that falling short just one task required for the credit resulted in no credit at all (for example, if passing three out of four tasks was required to receive credit, then passing two yielded no credit).[4]
The point scale concept drastically changed the way testing was done by assigning credits or points to each item. This had two large effects. First, this allowed items to be grouped according to content. Second, participants were able to receive a set amount of points or credits for each item passed.[8] The result was a test that could be made up of different content areas (or subtests) with both an overall score and a score for each content area. In turn, this allowed for an analysis to be made of an individual's ability in a variety of content areas (as opposed to one general score).[4]
The non-verbal performance scale was also a critical difference from the Binet scale. Since the "early Binet scale had been persistently and consistently criticized for its emphasis on language and verbal skills," [4] Wechsler made an entire scale that allowed the measurement of nonverbal intelligence. This became known as a performance scale. Essentially, this scale required a subject to do something (such as "copying symbols or point to a missing detail"[4]) rather than just answer questions. This was an important development as it attempted to overcome biases that were caused by "language, culture, and education."[4] Further, this scale also provided an opportunity to observe a different type of behavior because something physical was required. Clinicians were able to observe how a participant reacted to the "longer interval of sustained effort, concentration, and attention" that the performance tasks required.[4]
While the Wechsler-Bellevue scale was the first to effectively use the performance scale (meaning that (1) there was a "possibility of directly comparing an individual's verbal and nonverbal intelligence",[4] and (2) that "the results of both scales were expressed in comparable units"[4]), the idea had been around for a while. The Binet scale did have performance tasks (although they were geared towards children) and there were entire tests that were considered supplements or alternatives (an example of such a performance test is the Leiter International Performance Scale).[4]
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The WAIS was initially created as a revision of the Wechsler-Bellevue Intelligence Scale (WBIS), which was a battery of tests published by Wechsler in 1939. The WBIS was composed of subtests that could be found in various other intelligence tests of the time, such as Robert Yerkes' army testing program and the Binet-Simon scale. The WAIS was first released in February 1955 by David Wechsler. Because the Wechsler tests included non-verbal items (known as performance scales) as well as verbal items for all test-takers, and because the 1960 form of Lewis Terman's Stanford-Binet Intelligence Scales was less carefully developed than previous versions, Form I of the WAIS surpassed the Stanford-Binet tests in popularity by the 1960s.[2]
The WAIS-R, a revised form of the WAIS, was released in 1981 and consisted of six verbal and five performance subtests. The verbal tests were: Information, Comprehension, Arithmetic, Digit Span, Similarities, and Vocabulary. The Performance subtests were: Picture Arrangement, Picture Completion, Block Design, Object Assembly, and Digit Symbol. A verbal IQ, performance IQ and full scale IQ were obtained.[9]
This revised edition did not provide new validity data, but used the data from the original WAIS; however new norms were provided, carefully stratified.[9]
The WAIS-III, a subsequent revision of the WAIS and the WAIS-R, was released in 1997. It provided scores for Verbal IQ, Performance IQ, and Full Scale IQ, along with four secondary indices (Verbal Comprehension, Working Memory, Perceptual Organization, and Processing Speed).
Included seven tests and provided two subindexes; verbal comprehension and working memory.
The Verbal Comprehension Index (VCI) included the following tests:
The Working Memory Index (WMI) included:
Letter-Number Sequencing and Comprehension are not included in these indices, but are used as substitutions for spoiled subtests within the WMI and VCI, respectively.
Included six tests and it also provided two subindexes; perceptual organization and processing speed.
The Perceptual Organization Index (POI) included:
The Processing Speed Index (PSI) included:
Two tests; Picture Arrangement and Object Assembly were not included in the indexes. Object Assembly is not included in the PIQ.
The current version of the test, the WAIS-IV, which was released in 2008, is composed of 10 core subtests and five supplemental subtests, with the 10 core subtests comprising the Full Scale IQ. With the new WAIS-IV, the verbal/performance subscales from previous versions were removed and replaced by the index scores. The General Ability Index (GAI) was included, which consists of the Similarities, Vocabulary and Information subtests from the Verbal Comprehension Index and the Block Design, Matrix Reasoning and Visual Puzzles subtests from the Perceptual Reasoning Index. The GAI is clinically useful because it can be used as a measure of cognitive abilities that are less vulnerable to impairments of processing and working memory.
There are four index scores representing major components of intelligence:
Two broad scores, which can be used to summarize general intellectual abilities, can also be derived:
Verbal Comprehension | Core | Description | Proposed abilities measured |
---|---|---|---|
Similarities | X | Participants are given two words or concepts and have to describe how they are similar. | Abstract verbal reasoning; semantic knowledge |
Vocabulary | X | Depending on the tasks, participants must name objects in pictures or define words presented to them. | Semantic knowledge; The degree to which one has learned, been able to comprehend and verbally express vocabulary |
Information | X | Participants are questioned about their general knowledge | Degree of general information acquired from culture |
(Comprehension) | Ability to express abstract social conventions, rules and expressions |
Perceptual Reasoning | Core | Proposed abilities measured |
---|---|---|
Block Design | X | Visual spatial processing and problem solving; visual motor construction |
Matrix Reasoning | X | Nonverbal abstract problem solving, inductive reasoning |
Visual Puzzles | X | Visual spatial reasoning |
(Picture Completion) | Ability to quickly perceive visual details | |
(Figure Weights) | Quantitative reasoning |
Working Memory | Core | Description | Proposed abilities measured |
---|---|---|---|
Digit Span | X | Participants must recall a series of numbers in order | Working memory, attention, encoding, auditory processing |
Arithmetic | X | Quantitative reasoning, concentration, mental manipulation | |
(Letter-Number Sequencing) | Participants must recall a series of numbers in increasing order and letters in alphabetical order | Working memory, attention, mental control |
Processing Speed | Core | Proposed abilities measured |
---|---|---|
Symbol Search | X | Processing speed |
Coding | X | Processing speed, associative memory, graphomotor speed |
(Cancellation) | Processing speed |
The WAIS-IV was standardized on a sample of 2,200 people in the United States ranging in age from 16 to 90.[10] An extension of the standardization has been conducted with 688 Canadians in the same age range.
The WAIS-IV measure is appropriate for use with individuals aged 16–90 years. For individuals under 16 years, the Wechsler Intelligence Scale for Children (WISC, 6–16 years) and the Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence (WPPSI, 2½–7 years, 7 months) are used.
Intelligence tests may be utilized in populations with psychiatric illness or brain injury, in order to assess level of cognitive functioning, though some regard this use as controversial. Rehabilitation psychologists and neuropsychologists use the WAIS-IV and other neuropsychological tests to assess how the brain is functioning after injury. Specific subtests provide information on a specific cognitive function. For example, digit span may be used to get a sense of attentional difficulties. Others employ the WAIS-R NI (Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised as a Neuropsychological Instrument), another measure published by Harcourt. Each subtest score is tallied and calculated with respect to neurotypical or brain-injury norms. As the WAIS is developed for the average, non-injured individual, separate norms were developed for appropriate comparison among similar functioning individuals.
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