Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2023/03/03 06:57:03」(JST)
[Wiki ja表示]
航空医官(英語版)(フライトサージャン)による航空機の乗員の身体検査
航空医学(こうくういがく、英: aviation medicine)は、環境医学(英語版)の分野の1つであり、人間が高所・上空へ移動することによって生じる、様々な医学的問題を研究する学問である[1][2][3]。
概要
高度が上がると気圧と外気温が低下する。具体的には、305 mごとに気温は平均2℃、1000 mごとに気圧は約100 hPa変化する。商業用の航空機が一般的に飛ぶような高度1万m近くに達すると、なんの対策も取らずに運動を行うなど酸素を消費する活動を行うと酸素が足りず死に至るか気絶する。高度1万mに達する前や運動を控えて気絶に至らなくとも、判断力の低下、倦怠感、凍傷など様々な身体的な症状が現れる。
搭乗する航空機によっては、高い加速度(G)が加わり、振動でシェイクされ、宇宙線によって被ばくする。
扱う分野
現在、航空医学では主に、航空機の乗員および客室乗務員の健康管理や、航空身体検査などの医学的適性の管理、航空機に搭乗する乗客の健康管理(渡航医学にも関係)、環境医学的問題(環境生理学・人間工学などにも関係)などのほか、産業衛生学・臨床疫学的な観点からの問題、さらには航空救急に関する問題など、様々な問題・分野について研究が行われている[1]。
パイロットの状態分類
アメリカ合衆国における輸送に関連する事故などを調査し原因究明を行っている国家運輸安全委員会(NTSB)は、パイロットの操縦能力に支障が出た際に以下の分類分けを行っている。
- 突発性機能喪失(インキャパシテーション、Incapacitation)
- 突発性の病気や気絶など、なにかしらの事情により完全に操縦不能になった状態
- インペアメント(impairment)
- 突発性機能喪失に至らないまでも操縦に支障が出ている状態
関連項目
- 1%ルール(英語版)
- 宇宙医学
- 航空宇宙医学会(英語版)
- バーラーニ・チェア(英語版)
- 気圧性歯痛(英語版)
- 航空身体検査医(英語版)(Aviation medical examiner、AME)
- 高度が人に与える影響
出典
- ^ a b “航空医学とは|航空医学の概要|航空医学研究|一般財団法人 航空医学研究センター”. www.aeromedical.or.jp. 2020年11月19日閲覧。
- ^ Dehart, R. L.; J. R. Davis (2002). Fundamentals Of Aerospace Medicine: Translating Research Into Clinical Applications, 3rd Rev Ed. United States: Lippincott Williams And Wilkins. p. 720. ISBN 978-0-7817-2898-0.
- ^ Jedick, Rocky. "Why Flight Surgeons Fly". Go Flight Medicine. Retrieved 28 November 2014.
典拠管理 |
---|
国立図書館 | |
---|
その他 | |
---|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 乗物酔いmotion sickness [show details]
… previous history of motion sickness and a typical presentation, then no further evaluation is needed. However, if a patient with no prior motion sickness suddenly becomes prone to motion sickness, then evaluation …
- 2. 小児および思春期における浮動性めまいと回転性めまいの原因causes of dizziness and vertigo in children and adolescents [show details]
…conflict and engender symptoms of motion sickness. Furthermore, if the semicircular canals and otolith organs produce sensory cues that are incongruous, motion sickness can be evoked that is independent …
- 3. 小児および思春期における浮動性めまいと回転性めまいの評価evaluation of dizziness and vertigo in children and adolescents [show details]
…final diagnosis in about 50 percent of patients . Middle ear disease (effusion or infection) and motion sickness are other common etiologies. Life-threatening etiologies, such as a brain tumor, stroke, or meningitis …
- 4. 高圧酸素療法hyperbaric oxygen therapy [show details]
- 5. 卵円孔開存patent foramen ovale [show details]
Related Links
- 日本大百科全書(ニッポニカ) - 航空病の用語解説 - 航空機内の特殊環境内で乗員や乗客に発生する病的症状をいう。低酸素症、減圧症、空酔い(加速度病)、航空神経症などが含まれる。低酸素症は高山病、減圧症は潜水や潜函(せんかん)作業でもみられる。
- 予防や対策は、航空性中耳炎と同じです。 吐き気・嘔吐 船や車と同様に、飛行機でも乗り物酔いになります。飛行機旅行中に気分が悪くなり、吐いてしまうような状態を空酔いといいます。気流の悪いところを通過する場合などに ...
- 航空病(こうくうびょう)とは。意味や使い方、類語をわかりやすく解説。気圧調整設備のない航空機で高度上昇につれて酸素不足が主因で起こる症状。頭痛・めまい・吐きけ・だるさ・記憶力減退・呼吸困難など。 - goo国語辞書は30万5千件語以上を収録。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- motion sickness
- 関
- 加速度病、航空病
[★]
- 英
- motion sickness
- 関
- 加速度病、航空病
[★]
- 英
- aeroplane disease
- 関
- 航空病
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患