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- green fluorescent protein、green fluorescence protein、GFP
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/01/13 17:27:05」(JST)
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緑色蛍光タンパク質(りょくしょくけいこうタンパクしつ、Green Fluorescent Protein, GFP)はオワンクラゲ (Aequorea victoria) がもつ分子量約27 kDaの蛍光タンパク質。1960年代に下村脩によってイクオリンとともに発見・分離精製された[1]。下村はこの発見で、2008年にノーベル化学賞を受賞した[2]。
概説
緑色蛍光タンパク質の構造(結晶のリボン・ダイアグラム)
オワンクラゲの生体内ではイクオリンと複合体を形成している。イクオリンは、単体では細胞内カルシウムを感知して最大蛍光波長460 nmの青色発光(バイオルミネセンス)であるが、オワンクラゲの発色細胞内では、GFPがイクオリンから励起エネルギーを受け、最大蛍光波長508 nmの緑色の蛍光を発する(フェルスター型エネルギー転移)。GFPの緑色蛍光の発色に関しては、下村の一連の研究により提唱された発色団の分子構造モデルをもとに、10数年を経て1990年代になって発色団の分子構造が確認された。GFP分子内での発色団の形成には自己脱水結合のみで充分であり、酵素など他分子の助けを必要としない。
GFPは励起光を当てると単体でも蛍光発光(フォトルミネセンス)する。下村によるその発見から30余年を経た1990年代、ワード (Ward) ・プレーシャー(Prasher)らのグループがGFP遺伝子の同定・クローニングに成功[3]、チャルフィー、チエンらのグループがトランスジーンとして異種細胞へのGFP導入・発現に成功した(チャルフィーおよびチエンもまた、下村と同時にノーベル化学賞を受賞している)。GFPの発色は基質を必要としないことや単体で機能するなどの特徴から、また、発色団形成に酵素反応が必要でないこと、異種細胞への発現方法が確立したことなどから1990年代にレポーター遺伝子として広く普及した。
野生型タンパク質をもとに遺伝子工学によって、蛍光強度や波長特性、至適温度、発色団形成速度など様々に異なる改変型GFPが作られている。GFPおよび、改変型GFPは、細胞生物学・発生生物学・神経細胞生物学などをはじめとして最も広く使われるレポーター遺伝子となっている。
GFPはリアルタイム、かつ、その場で(in situ:細胞破壊の必要がない)検出でき、他のタンパク質との融合タンパク質としても機能を発揮する(GFPタグ)ことから、特に細胞内のシグナル伝達などに関与するタンパク質の細胞内局在を明らかにするツールとして、なくてはならぬものとなっている。ただし実験対象のタンパク質の機能に影響を与えるおそれが皆無ではないので、結果の解釈は慎重にすべきである(現在これに代わる低分子の試薬も開発されつつある)。
脚注
- ^ Shimomura, O.; Johnson, F. H.; Saiga, Y. (1962). “Extraction, purification and properties of aequorin, a bioluminescent protein from the luminous hydromedusan, Aequorea”. J. Cell. Comp. Physiol. 59: 223–239. PMID 13911999.
- ^ ニュース - 科学&宇宙 - ノーベル化学賞はGFP発見者と開発者(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
- ^ Prasher, D. C.; Eckenrode, V. K.; Ward, W. W.; Prendergast, F G.; Cormier, M. J. (1992). “Primary structure of the Aequorea victoria green-fluorescent protein”. Gene 111 (2): 229–233. PMID 1347277.
関連項目
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外部リンク
- 大場雄介、津田真寿美、『蛍光タンパク質を用いた細胞内シグナル伝達の可視化』 日本薬理学雑誌 Vol.138 (2011) No.1 P13-17, doi:10.1254/fpj.138.13
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Japanese Journal
- 知的障害および発達障害の病態形成に関与する脳と免疫系の相互作用
- 島田 厚良,石井 さなえ
- 現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (7), 21-25, 2015-03
- … 本研究ではまず、免疫系細胞と脳の接点はどこかを調べるため、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子導入マウスの骨髄を通常のC 57 BL/6マウスに骨髄移植し、移植後2週間、1、4、8ヵ月後にマウスを固定し、頭蓋内における骨髄由来細胞の分布を調べた。 …
- NAID 120005556633
- ニホンウナギから世界初のビリルビンセンサーを発見 : ニホンウナギ由来緑色蛍光タンパク質UneGの蛍光機序の解明とその医療的応用
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- 2008年のノーベル化学賞:緑色蛍光タンパク質 Nobel Prize 2008: Green fluorescent protein 2008年のノーベル化学賞は、下村脩、Martin Chalfie、Roger Tsienの3氏が受賞した。授賞理由は、いわゆる緑色蛍光タンパク質の ...
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