- 英
- hardened oil、hydrogenated oil
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/25 16:03:46」(JST)
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硬化油(こうかゆ)とは、比較的融点の低い不飽和脂肪酸を多く含むために常温で液体となっている油脂に、水素付加(水添)を行い、より融点の高い飽和脂肪酸の割合を増加させ、常温で固形化した油脂のこと。同じ温度で液体だったものが、固体または半固体になることから、硬くなった油脂という意味で、「硬化油」と呼ばれる。なお、水素付加によって不飽和脂肪酸の一部を飽和脂肪酸にしただけで、まだ不飽和脂肪酸も残っている硬化油を、部分硬化油と呼んで区別する場合もある。部分硬化油も含めた硬化油は、一般的に植物油や魚油に水素付加を行うことで製造される。
利用[編集]
食品としては、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の原料として利用される他、ステアリン酸を多く含むため、工業的には石けんなどの原料としても利用される。液体油を固形化することにより、液体油に比べ生産量の少ない脂肪の代用として有用である。また、一般的に油脂は酸化により過酸化脂質となるが、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べて、酸化を受けにくいために変敗しにくく、保存性に優れるため、保存性の高い油脂として有用である。その他、動物性の油脂に比べ、コレステロールの含有量が少ない。
食品以外の工業用にも界面活性剤の原料などとして用いられるもの(例えば硬化ひまし油)がある。
製造[編集]
オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含む植物油などの油脂に、ニッケルなどの触媒を用いて水素付加を行う方法がある。これによって、不飽和脂肪酸の炭素同士の二重結合の場所に、水素が化学的に結合する。なお、この水素付加の工程は、水素添加(水添)とも呼ばれる。原料としては植物油の他に、鯨油、魚油などが使われることもある。
マーガリンやファットスプレッドには、一部の不飽和脂肪酸に水素付加を行った部分硬化油が原料として用いられているが、この製造工程において、トランス脂肪酸が生成することが明らかとなっている。トランス脂肪酸は健康に対する影響が示唆されているため、部分硬化油に含まれるトランス脂肪酸の生成量が減るように、水素付加の方法を改良に取り組んでいる、部分硬化油の製造企業もある。
詳しくはトランス脂肪酸を参照。
なお、不飽和脂肪酸に対し、完全に水素付加を行った硬化油は不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸を含まない。
関連項目[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- キチンに担持したパラジウム触媒を用いる油脂への水素付加
- 脂質・脂肪酸の化学(ヘッドライン:脂肪と脂肪酸の化学)
- トランス脂肪酸 (特集 脂質異常症 : 動脈硬化性疾患予防のために)
Related Links
- 【硬化油】こうかゆ 脂肪油に水素を化合させてつくった人造脂肪、大豆油、ナタネ油、鯨油、魚油などの脂肪油は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの液体脂肪酸を多く含み、常温で液体であるが、これらの脂肪酸に水素を ...
- 世界大百科事典 第2版 硬化油の用語解説 - 不飽和脂肪酸を多く含む油脂に水素を化合させて飽和脂肪酸とすることにより,改質を加えた油脂。ダイズ油,ナタネ油,魚油,鯨油等の乾性油,半乾性油は,その成分にオレイン酸 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エピカルスS配合錠
組成
有効成分
(1錠中)
- オオウメガサソウエキス:1mg
ハコヤナギエキス:1mg
セイヨウオキナグサエキス:1mg
スギナエキス:3mg
小麦胚芽油:30mg
添加物
- 無水ケイ酸、セルロース、部分アルファー化デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、乳糖水和物、クロスカルメロースナトリウム、プルラン、硬化油、二酸化ケイ素、ヒプロメロースフタル酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、酸化チタン
効能または効果
- 前立腺肥大に伴う排尿困難、残尿及び残尿感、頻尿
- 通常1回1錠、1日3回経口投与する。
症状に応じて適宜増減する。
薬効薬理
抗炎症作用
- エピカルスの原薬調製物懸濁液(180mg/head,p.o.)は、ラットのカラゲニン足浮腫に対し有意(p<0.05)な浮腫抑制作用を示した。3)
前立腺重量に対する作用
- エピカルスの原薬調製物懸濁液(18mg/head,p.o.)は、成長期ラットの前立腺重量増加に対し有意(p<0.01)な増加抑制作用を示した。3)
有効成分に関する理化学的知見
●オオウメガサソウエキス
一般名
- Chimaphila umbellata ext.
性状
- オオウメガサソウエキスは、黒褐色の液で、特異なにおいがあり、味は苦い。
●ハコヤナギエキス
一般名
性状
- ハコヤナギエキスは、緑褐色の液で、特異なにおいがあり、味は苦い。
●セイヨウオキナグサエキス
一般名
- Pulsatilla pratensis mill ext.
性状
- セイヨウオキナグサエキスは、淡黄褐色の液で、特異なにおいがあり、味は苦い。
●スギナエキス
一般名
性状
- スギナエキスは、黄褐色の粉末で、特異なにおいがあり、味は苦い。
●小麦胚芽油
一般名
性状
- 小麦胚芽油は、淡黄色澄明の油で、わずかに特異なにおいがあり、味は緩和である。ジエチルエーテル又はシクロヘキサンと混和し、エタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- hydrogenated oil
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- 関
- hardened oil
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- 英
- consolidation、stiffening、curing、hardening、induration、sclerosis、harden、indurated
- 関
- 加硫、強化、硬化症、固定、治療、ハードニング、圧密、硬結
- コンソリデーション