出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/30 17:40:09」(JST)
理事(りじ)は、組織・団体を代表し、事務を管掌する地位にある者の職名である。
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非営利法人において、対内的には法人の業務を執行する機関をいう。株式会社や相互会社における「取締役」、宗教法人における「責任役員」に相当する。同様のものは英語ではdirectorと呼ばれ、取締役と区別されない
なお、法人によっては、法律上の「理事」ではないが、法人の事務を処理する役員を「理事」と称することもある。宗教法人大石寺(日蓮正宗総本山)においては、法主を補佐し総本山内の寺務の一切を取りまとめる「主任理事」や、内事部の各部門ごとの寺務を取りまとめる「理事」が置かれているが、これらは法律上は「責任役員」である。
また、根拠法令や定款・寄附行為に基づき、理事の長たる職として理事長または代表理事が置かれることがあり、医療法人や学校法人等では、必ず理事長を置かなければならない。独立行政法人や国立大学法人等においては、理事の長たる職を理事長以外の職名(所長、学長等)で呼称する場合もある。法人の運営は、複数の理事から構成される理事会という議決機関があることも多い。
学校法人では理事長は校長との兼任が可能であり、校長と兼任しているケースは頻繁にあり、「理事長兼校長」と呼ぶ。
代表権は、原則として全ての理事が有している法人(一般社団法人、特定非営利活動法人等)や、原則として理事長または代表理事のみが有している法人(医療法人、学校法人等)がある。
英語では、理事長または代表理事に相当するものとして、managing directorがあるが、これは日本語では専務理事と訳されることがある(これは日本では一般に非営利法人の理事長は名誉職として組織運営にあたらない場合が多く、実務上のトップが専務理事若しくは事務局長であることに起因する)。
国会における衆参両議院の委員会には、議院規則により1人又は数人の理事が置かれる。具体的には議院運営委員会が、会派ごとの議員数比率に基づいて割り当て基準を策定する[1]。
理事は委員の互選によって選出される[2]が、慣例では理事を割り当てられた各会派がそれぞれ申し出、委員会の決議によって一任を受けた委員長が申し出に則って指名する[3]。
理事は、委員長に事故があるときや委員長が欠けたときに職務を代行する。また、委員長とともに会議録に署名する。
委員長は議事運営について協議するため、理事会を開催する。理事会には理事を割り当てられていない会派の代表もオブザーバーとして参加する。理事会は非公開で行う[4]。委員会の開催中に、質問者や答弁者の発言を会派として問題視する場合、委員長に異議を申し立てたり[5]、理事同士で協議を行うこともある。これらの発言も議事録は残さない。委員会では議案提出者や閣僚・参考人と委員の間の問答はあるが、委員同士の問答は基本的に行われず、そのような必要がある場合は理事を通じてやりとりを行うことになる。
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地方公共団体においては、局長級・部長級・次長級などの一般職公務員における最高幹部クラスの職層名、又はスタッフ職の職名として使用される。
スタッフ職の理事は、「A県理事」というように特定の部・局に属さしめず、首長の直下に置かれて、直接に首長の命を受けて特定の重要事項に関する事務を処理するポストとして設けられている場合が多い。
職層名として理事が使われている例には、東京都がある。東京都においては、理事は階級的な呼称である職層の一つで、局長級の職員に対して用いられる。但し、局長級のスタッフ職の職名としても使用されるのは他の自治体と同様である。しかし東京都における理事ポストは局長と同列の知事直属ではなく、局内に設けられるポストであるため、待遇はライン局長より若干低いものになっている。
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