- 英
- solubility product
- 関
- 溶解積
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/16 23:30:12」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2012年3月) |
溶解度積(ようかいどせき、英: solubility product)または濃度溶解度積(のうどようかいどせき、英: concentration solubility product)とは、難溶性塩の飽和溶液中における、陽イオン濃度と陰イオン濃度の積である。溶解度定数と呼ぶこともある。一般的には、Kspと表す。sp は英語の solubility product の頭文字である。
溶解度積は温度によって決まる定数であり、イオンの沈殿条件を求める上で重要な値である。イオン濃度の積が、Kspの値を超えたときに沈殿が生じ始める。
目次
- 1 導出
- 2 溶解度積の求め方
- 3 熱力学的溶解度積
- 4 溶解度との関係
- 5 代表的な溶解度積
- 6 関連項目
導出
陽イオン P+ と陰イオン Q- からなる難溶性塩 PmQn の電離平衡式は以下のようになる。
平衡定数をKcとすると、平衡式は以下のようになる。
ここで、難溶性塩の場合、分母がほとんど一定であるため、
左辺は定数なので、これをKspとする。このKspを溶解度積という。つまり、
これは、片方のイオンの濃度が分かれば、もう一方のイオンの濃度が決定されることを意味している。
溶解度積の求め方
化学熱力学における基本式
- ΔG゜は溶解における標準ギブズ自由エネルギー変化
- Rは気体定数
- Tは温度
溶解度が小さい場合は重量測定ができないので、上の式のΔG゜(または標準電極電位:E゜)からKspを求める。たいていのKspはこのようにして求められた。
熱力学的溶解度積
熱力学的濃度溶解度積(英: thermodynamic solubility product、通例 Ksp )とは、溶液中の塩P(+)、Q(-)の活量a(P(+))、a(Q(-))の積である。
この値の重要な特徴は、溶液中において一部PmQnとなり、沈殿する難溶性塩であるならば、温度ごとに決まる、塩の組み合わせに固有の定数であることだ。ただし、塩化カリウムのように溶解度が高かったり、塩化第二水銀のように水溶液中で完全電離しない化合物では、一定の値を持たない。下図に代表的な難溶性塩の熱力学的溶解度積を示す。
熱力学溶解度積と濃度溶解度積の関係は次の通り。
ここで、γ±は塩P(+)、Q(-)の平均活量係数。
難溶性塩の熱力学定溶解度積(25℃)
塩 |
Ksp |
塩 |
Ksp |
塩 |
Ksp |
AgCl |
1.7×10-10 |
Ca(OH)2 |
7.9×10-6 |
Fe(OH)3 |
3.2×10-40 |
AgBr |
4.3×10-13 |
CaSO4 |
3.7×10-5 |
Fe(OH)2 |
4.1×10-15 |
AgI |
8.5×10-17 |
CaCO2O4 |
2.6×10-9 |
HgS |
3.0×10-52 |
溶解度との関係
難溶性の塩MmXn
- mMn+ + nXm- ⇔ MmXn
の溶解度をSとすると、[Mn+] = mS、[Xm-] = nS であるから、 Ksp=[Mn+]m[Xm-]n = mn*nm*S(m+n)
となる。したがって、異なる荷電型の難溶性塩の溶解度を溶解度積の値から直接比較することはできない。
代表的な溶解度積
25℃の水に対する溶解度積を挙げる。
化合物 |
溶解度積 |
AgCl |
1.77 ×10-10 |
AgI |
8.51 × 10-17 |
BaCO3 |
2.58 × 10-9 |
BaSO4 |
1.07 × 10-10 |
CaCO3 |
4.96 × 10-9 |
CuS |
1.27 × 10-36 |
Fe(OH)2 |
4.87 × 10-17 |
Fe(OH)3 |
2.64 × 10-39 |
FeS |
1.59 × 10-19 |
Mg(OH)2 |
1.80 × 10-11 |
Ni(OH)2 |
5.47 × 10-16 |
PbCl2 |
1.17 × 10-5 |
Pb(OH)2 |
1.42 × 10-20 |
PbS |
9.04 × 10-29 |
ZnS |
2.9 × 10-25 |
関連項目
|
この項目は、化学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:化学/Portal:化学)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 沈殿の生成や溶解を利用した無機イオンの定性分析(少量の化合物を正確に秤量・分析するには)
- 溶解度積を実感させる簡易な実験 : 難溶性塩の溶解(実験の広場:全国実験情報)
- 流動床フライアッシュのセメント固化体からの有害成分の溶出挙動
- 馬場 太一郎,福岡 寛,重本 直也
- 化学工学論文集 34(4), 484-491, 2008-07-20
- … 溶出挙動を調べた.流動床フライアッシュとセメントのみの固化体あるいは流動床フライアッシュ–セメント–石膏の固化物は比較的高いフッ素溶出濃度を示したが,これはCa(OH)2–CaF2の共存時の溶解度積を用いて説明できた.また,鉛の溶解度は鉛水酸化錯体を想定した理論溶解度曲線におおむね一致し,溶出液pHに大きく依存して変化した.セメントにリン酸3ナトリウムあるいは硫酸アルミニウムを添加し …
- NAID 10024193328
Related Links
- 溶解度積は、溶解度定数とも呼ばれ、難溶性塩の飽和溶液での陽イオン濃度と陰イオン濃度の積のことを示します。日常での使用シーンや、溶解度との違いなどここで質問してみましょう。
- 電気伝導度の測定によると、純水に対するBaSO 4 の溶解度は、 25 で1.05×10-5 モル/Lとなる。 硫酸バリウムの溶解度積を計算せよ。 公式通りの問題ですね。どうしますか? 答だけを見たい 解説も見たい
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- solubility product
- 関
- 溶解度積
-solubility product
[★]
[★]
- 英
- (細胞)lysis、(物質)dissolution、lyse、dissolve
- 関
- 溶ける、溶かす、解消
[★]
- 英
- solubility
- ラ
- solubilis
- 関
- 溶解性