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外骨格(がいこっかく)は皮膚骨格とも呼ばれる骨格構造のこと。内骨格の対義語として使われ、皮膚に付属するように形成される骨格を指す。主に節足動物など、無脊椎動物に見られる。また、カメの甲羅のような骨格が露出したものや、魚類や爬虫類の鱗のような骨格ではないものも、内部骨格と対比して外骨格と呼ばれることもある。
節足動物門の生物は、ほぼすべてが外骨格を持っている。主に水生動物にとっては水圧の変化に対応することに役立っており、陸上動物にとっては体内の水分を保持することに役立っている。
関節部分は薄く蛇腹様の構造をとる骨格でできている。内骨格生物と比べて動きはギクシャクするものの、内部器官が露出することが無いため、かなり活動的になることができる。
関節付近の骨格の内部には、腱に相当するクチクラ質器官が付着しており、それを骨格筋で引っ張ることによって各部を曲げ伸ばしすることができる。この方法は内骨格生物の方法とほぼ同じであるが、屈筋と伸筋の付着点が遠い内骨格生物のほうが運動性はよい。
常に水圧を受けながら生活する甲殻網の生物の外骨格は基本的に厚い(プランクトン性のものは除く)。また、水の浸入を防ぐために気密性が高くなっている。
昆虫綱の生物は、気管や口陥、肛門など外気に直接触れるであろう場所はクチクラ質の外骨格で覆われている。気密性はそれほど高くないが、甲殻類と比べるとかなり運動性が高い。
往々にして外骨格と殻とは混同される。一般に殻は動物体表面から分泌されるカルシウム分などが固まったものであり、生物体の外と考えられる。殻には生体組織がなく、表面は摩耗したり他の動物が穴を開けたりすることがよくある。これに対して外骨格はあくまでも動物体表面が硬化したものであり、厚くなったクチクラ層、あるいはそれに石灰質が沈着したものからなる。たとえば外骨格の表面には多くの感覚器があったり、物質を分泌する穴があったりと、生物としての機能を持っている。陸上の節足動物の場合、このような穴からワックスが分泌され、体表からの水の蒸散を防いでいる。
往々にいわれるのは、節足動物の大型化を妨げているのは外骨格である、という点である。これは、外骨格においてはそれを動かす筋肉がその内部に納められる量に限定される、という問題である。
つまり、大型化するためには外骨格を大きくする必要があり、それは必然的にその重量を増大させる。それを支えるためには外骨格が厚みを増す必要があるが、それは同時に内部の容積を小さくすることにつながる。これは内骨格の動物では骨格の外側に筋肉をつけるため、その量が限定されないのと大きく異なっている。
外骨格は硬いので、食用とはなり難いが、殻が生来薄いかあるいは脱皮したてで軟らかい場合にはそのまま食べることもある。唐揚げなどにして食感を楽しむこともある。
人間は古くから節足動物など外骨格生物の骨格をまねて鎧などの兵器を作ってきた。鎧や戦車・深海大気潜水服などの可動装甲などではエビやカニなどの甲殻類の関節と似ているところも多い。
また、人体に何らかの機能性を追加する道具として人間は様々な装置を作ってきたが、その中でもパワードスーツと言うアイデアは、体の外部に筋力を補助する装置を追加するものである。このパワードスーツにはサイエンス・フィクションなどで幾つかのアイデアが示されているが、現在のところ体を外部から支えるフレーム(枠組み)構造と、それを動かす動力、これらに電力を供給するバッテリー、制御するコンピュータを組み合わせた「ロボットスーツ」が実用化されつつあり、このフレーム構造を指して外部に骨格に相当する枠組みを持つことから「強化外骨格」という表現も見られる(→パワードスーツ)。
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