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在来種(ざいらいしゅ、native species)とは、生物学(生態学)では、狭義には、ある地域のフロラを古来構成していた種をさす[1] 。広義には、ある地域で人間の影響を受ける以前から繁殖し続けている生物。自生種、野生種(wild species)、自然分布種ともいう。外来種(外来生物)、帰化植物の対語として用いられる。
一方、農業分野では、ある地域で伝統的に栽培され、遺伝子操作などの現代的な品種改良を行っていない作物を指すことがある。栽培品種、園芸品種の対語として用いられる。
在来種の定義は、基本的には生態学的な知見をもとになされるものの、在来と定義する地域の範囲(国、自治区など特定の行政界、地理界等)、時間的範囲(史前、特定の時代、第二次世界大戦以降等)などの設定が一様にはできないため、対象となる外来種に定義付けがなされて初めて、対する存在として在来種も定義付けがなされることが多い。独立や離散が繰り返されてきた世界各国では、国または地域の実情に合わせて定義づけがなされている。
日本では、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律では、明治時代以降に移入した外来生物を対象としており、一般に在来種は江戸時代以前に存在した動物、植物が対象となっている。
人間の移動能力が進歩して地域間の交流が激しくなることで外来種は多く生まれるようになった。したがって、それ以前(線引きは難しいが)にはその地域は在来種が占めていたことになる。当然それ以前にも様々な生物の出入りはあったと思われるが、その移動は遙かに緩やかであったと思われ、それらはその地域の地史の中で、互いに影響し合いながら、次第に安定な生物群集を構成したと考えられる。
外来種がそこに侵入した場合、ある程度しっかりした群集が成立していればそこに侵入するのはそれなりの困難があるようで、帰化植物の多くは人里などにとどまって、森林などより自然度の高い環境には侵入することが少ない。そのため、自然へのヒトの攪乱が激しくなった近代以降は、交通手段の高度化と相まって外来種のより激しい侵入をもたらした。例えば日本では都市部では帰化植物の率は非常に高くなっており、むしろ在来種を見るには郊外に出なければならない、という状況がある。
在来の群集が脆弱な場合には帰化種がそれらを圧倒してしまう例も見られ、孤島の在来生物群集が外来種によってほぼ壊滅した例は数多い。日本でも湿地や池沼など止水域の生物群集では在来種が大規模に消滅している例があちこちで見られる。
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リンク元 | 「landrace」「local breed」「local variety」 |
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